訪問美容師のデメリット|訪問美容で大変なことや失敗例と注意点
「訪問美容師の大変なことについて知りたい」
「具体的な失敗例やデメリットはどんなこと?」
今後市場が広がることが期待されている「訪問美容」で、訪問美容師として活躍することを検討している方も多いのではないでしょうか。
これから訪問美容師を始める前に、知っておくべき大変なことやデメリットについて解説していきます。
- 訪問美容師が大変な理由
- メリット・デメリット
- よくあるトラブルや失敗例
- 違法になるケース・注意点
- 料金や給料の相場
- 訪問美容師の始め方
結論から言うと、通常サロンで行うやり方で施術できない状況が「大変」と感じる理由です。
ターゲット層が異なれば、戦略や施術方法もニーズに沿って提案していく必要があります。
お客様に喜んでもらうためのサービスをいかに提供できるかが、鍵を握っているのは共通して言えることでしょう。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
訪問美容師が大変な理由3つ
訪問美容師を始める前に何が大変な理由かを、はじめに把握しておくことが大切です。
大変な理由
- 道具を運んで設置する必要がある
- 自分で集客・営業する(雇用でない場合)
- 衛生面への配慮が必要
訪問美容とは、美容師が訪問先で施術を提供するサービスのこと。
>>訪問美容師とは何なのかでも詳しく解説しています。
高齢化が進む現在、訪問美容師は需要が増えている一方、まだまだ普及が追いついていない新たなビジネスチャンスとして今注目されているサービスです。
道具を運んで設置する必要がある
当然ながら毎回、個人宅や施設での施術となるため、必要な道具を運んで設置するのが大変な作業です。
また、道具などを搬入したり片付けの際に、床や壁に接触してキズをつけてしまわないように気をつけなければなりません。
自分で集客・営業する(雇用でない場合)
個人で活動する場合は、集客するための営業からはじまり、なかなか思うように予約が入らないなどで苦戦してしまうケースもあるでしょう。
カットやカラーのデザイン性よりも、からだへの負担がかからない施術など、お客様のニーズに合わせた施術内容を集客方法に反映させていかなければなりません。
衛生面への配慮が必要
訪問美容のため、お客様のご自宅や介護施設で施術を行うのは、美容室やサロンよりも衛生面において配慮が必要となります。
肌が弱いお客様や、通常の姿勢での施術が困難なケースもあります。
サロンで行うサービスよりも、最新の注意を払って対応することが求められる仕事です。
訪問美容師のメリット・デメリット
訪問美容師として働く場合のメリット・デメリットを比較すると以下のとおりとなります。
デメリット | メリット |
事故などのリスク 夕方の依頼がほぼない キャンセルの影響 | コストを抑えられる 社会貢献になる 利益率が高い 需要が高い やりがいを感じる 多様な働き方ができる |
デメリット
もっとも避けたいデメリットは、事故などのリスクです。
実際に2017年7月にはホームでの死亡事故が発生しています。
愛知県東郷町の特別養護老人ホームで「出張理美容」専用車輌に、入所者の60代男性が乗り込む際、自動昇降リフトから車椅子ごと転落し、その後、死亡する事故が起きた。
引用元:理美容ニュース
お客様は体が不自由である場合や、じっとしていられないケースもあります。ハサミが当たって怪我をさせてしまうリスクもないとは言い切れません。
対策としてできることは、安全対策を怠らないのはもちろんのこと、万が一に備えて保険への加入が必須です。
また、訪問美容で依頼が多い時間帯は午前中〜14時までがピークです。
通常のサロンで忙しくなる夕方の時間帯には、ほとんど予約は入りません。
その分、うまくスケジュールを組んで、突然のキャンセルが出てしまっても収益が出せる工夫をする必要があるでしょう。
メリット
実店舗を構える必要がない訪問美容師。
コストを抑えられる点や、利益率が高いのが最大の魅力です。
なぜなら初期費用はかかるものの、ひと通りの道具が揃えばあとはガソリン代やカラー剤、シャンプーなどの材料費といった経費を差し引いた金額が全て収益となるからです。
需要が今後も減る可能性は低いと考えられ、喜んで必要とされるやりがいや充実感が得られます。
少子高齢化に貢献できる多様な働き方を、自分次第で実現できる可能性が広がります。
訪問美容師のよくあるトラブルや失敗例
訪問美容でありがちな失敗やトラブル例は以下のとおりです。
失敗&トラブル例
- 忘れ物をする
- 道に迷って遅れる
- 予約日時を誤る
- 床や壁に道具などでキズを付けてしまう
- タンクのお湯をこぼす
- 道具が家に入らない
- 道具が重すぎて運ぶ際にぎっくり腰になる
- トイレに行きたくなる
【注意点】美容師の出張が違法になるケース
原則、美容師・理容師は届出をしている場所以外でサービスを提供することはできません。
理由は、衛生面での基準が保てないからとしています。
ただし、厚生労働省により「事情があって美容室などへ行けない方」に対して、例外が認められています。
うっかり、違法となるケースに該当しないよう、以下の内容を把握しておきましょう。
美容師の出張が違法になるケース
- 訪問先が訪問美容対象外
- 届出ができていない
- 美容師免許を持っていない
訪問先が訪問美容対象外のケース
訪問先で施術を受けるお客様が訪問美容の対象者ではないケースは「違法」となってしまいます。
訪問美容の対象者とは、以下の内容に当てはまる方です。
訪問美容の対象者
- 要介護認定で来店が困難な場合
- 育児や介護で来店が困難な場合
- 山間部地域で理美容室がない場合
- イベント・芸能関係のヘアメイク
届出ができていないケース
訪問先の地域によっては、保健所への届出ができていなければ、訪問美容は違法になります。
美容師免許を持っていない
訪問美容は美容業務に該当するため、美容師免許が必ず必要です。
免許なしに訪問美容をしてしまうと、以下の定義・法令に反したこととなり、違法営業となってしまいます。
1定義
美容師は「美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。
美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。
美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている。美容師がコールドパーマネントウェーブ等の行為に伴う美容行為の一環としてカッティングを行うことは美容の範囲に含まれる。
また、女性に対するカッティングはコールドパーマネントウェーブ等の行為との関連を問わず、美容行為の範囲に含まれる。染毛も理容・美容行為に含まれる。業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。また、美容師が美容を行う場合には器具やタオル等を清潔に保たねばならない。
(無免許営業の禁止)
第六条 美容師でなければ、美容を業としてはならない。
引用元:美容師法概要
引用元:美容師法
訪問美容に必要な資格は理・美容師免許のみ
訪問美容で必要となる資格は理容師免許、または美容師免許のみです。
ただ、あるとさらに良いのは訪問福祉理美容師という資格。
「訪問福祉理美容師」とは、国家試験に合格した理容師・美容師がお年寄りや身体が不自由で寝たきりの方、車いすで生活されている障害者の方、老人福祉施設や療養施設に入所されている方、在宅で病気療養中の方、その他諸事情などで美容室に行くことが困難な方々のご自宅や施設へ訪問して、健常者や若年層と同様に安全で快適な美容を施せる技術、基本知識を有することを一般社団法人日本訪問福祉理美容協会(JVBWA)が証明する認定資格です。
引用元:一般社団法人日本訪問福祉理美容協会
訪問美容師としてアピールできる専門的な知識が得られ、施設などからも安心して依頼してもらえるようになります。
今後、訪問美容師として活躍したいと考えている方におすすめです。
訪問美容師の料金・給料の相場
訪問(出張)理容師・美容師としての個人料金は、以下の金額が相場となっています。
メニュー料金表 | 施設等 | 自宅訪問 |
カット | 2,000 〜 4,000円 | 4,000 〜 6,000円 |
カラー(シャンプー・ブロー込み) | 6,000 〜 8,000円 | 8,000 〜 10,000円 |
パーマ(シャンプー、ブロー込み) | 6,000 〜 8,000円 | 8,000 〜 10,000円 |
カット+カラー | 8,000 〜 10,000円 | 11,000 〜 15,000円 |
カット+パーマ | 8,000 〜 10,000円 | 11,000 〜 15,000円 |
シャンプー | 2,000 〜 3,500円 | 3,000 〜 5,000円 |
出張費 | 0 〜 2,000円 | 0 〜 3,000円 |
料金設定は一度決めると、あとから何度も変えない方がいいため、目標設定をあらかじめしておいて、逆算して出しておくのがオススメです。
- 希望する稼働時間
- 希望する収入
例えば、以下の内容で設定すると…
稼働したい時間:週5日(20日/月)
目標月収:50万円
25,000円/日 1日に2件とすれば、カット+カラーで12,500円
となります。
給料の相場
訪問美容師の給料を相場でみると、以下の通りです。
訪問美容の雇用形態 | 時給/月収 |
パート・アルバイト | 1,500円~1,800円 |
正社員 | 23万円〜38万円 |
雇用される場合とは異なり、独立・開業しているケースでは、経費としてかかるガソリン代、材料費などを差し引いた金額がそのまま収入となります。
また、訪問美容を検討している方に向けて、新たなビジネスとして稼げるのか解説している
>>訪問美容は儲からない?も参考にご覧ください。
訪問美容師の始め方
訪問美容師として個人で活動を始めるためには以下の手順で計画、実行する必要があります。
始め方
- 申請手続き
- 事業計画
- 資金調達
- マーケティング戦略
今後拡大していくであろう市場で、自由度の高い働き方が実現できる魅力がある一方、顧客満足度の高いサービスを提供するため、スキルだけでなく経営面における知識も必要不可欠となってきます。
申請手続き
まずは、独立の際に必要となる以下の申請手続きをする必要があります。
- 開業届の提出
- 国民年金の加入
- 国民健康保険の加入
- 確定申告の実施
また、訪問美容師として活動する地域によって「各自治体への届け出」が必要なケースもあります。
事業計画
ビジネスの方向性を決める重要な第1ステップとして、事業計画書を作成しましょう。
- サービス内容
- 価格設定
- エリア選定
- 競合優位性
事業を成功させるための要素を整理することで、具体的な事業内容を明確化でき、自社の強みや差別化を図る戦略を練ります。
ネットで検索するとテンプレートや見本などの情報がたくさんあるので、そんなに難しく考える必要はありません。
助成金・補助金について詳しい内容は>>訪問美容は儲からない?をご覧ください。
資金調達
次に事業を始めるための資金調達方法を明確にします。
訪問美容事業を始めるにあたっては、主に以下の内容が必要となります。
- 事業開始費用
- 運転資金
- 初期投資
資金調達の方法は、自己資本とあわせて外部資金も視野に入れましょう。
例えば、銀行からの融資、クラウドファウンディング、スポンサーなど。
また、同時に返済計画も立てておくことが大切です。
マーケティング戦略
SNSやウェブサイトなどのデジタルマーケティングを活用した「マーケティング戦略」を行うことも必要です。
広報活動として、Webサイトの運用や地域のイベントやメディアとの交流をはかることも有効に活用しましょう。
また、介護施設などへの営業も欠かせません。
その際にお渡しする名刺やチラシの作成も必要となります。
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まとめ
今回は、「訪問美容師」について解説しました。
今後さらに少子高齢化が進んでいくなか、訪問美容はスタンダードな美容サービスとして確立していくことでしょう。
訪問美容は、美容師として活躍する新たな場としてふさわしいと言えます。
先を見据えた、早めの行動が良さそうですね。
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