美容師三大職業病・あるあるの病気|腱鞘炎・手荒れ・腰痛で労災や保険は?
「美容師に多い病気ってどんなもの?」
「労災保険は適用される?」
このような疑問をお持ちの美容師さんに向けて「美容師の三大職業病あるある」について以下の内容を解説します。
- 美容師の三大職業病
- 原因と対策
- 労災認定される条件
- 職業病を理由に辞めた美容師の声
- 美容師の職業病に関するFAQ
結論、美容師がなりやすい病気では「腱鞘炎・手荒れ・腰痛」の3つが主に挙げられます。
これは、美容師が仕事中に行う作業の繰り返しによって負担がかかりやすい箇所であるからです。
その症状はどれも、美容師の仕事をするうえで支障が出てしまうことも多いでしょう。
ただし、改善できる可能性も十分あるため、自分に合った方法で向き合っていくためのメソッドをご紹介していきます。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師の三大職業病「原因と対策」
美容師の三大職業病ともいわれる、ありがちな病気・辛い症状は以下のとおりです。
症状 | 原因 | 対策 |
腱鞘炎 | シザー開閉 シャンプー ロッドを巻く | サポーター テーピング ストレッチ 形成外科 鍼治療 |
手荒れ | お湯 薬剤 | ゴム手袋 保湿ケア 水気を拭き取る |
腰痛 | 長時間労働 立ち仕事 施術中の姿勢 | サポーター 正しい姿勢 ストレッチ 形成外科 鍼治療 |
この3つの症状は、場合によっては美容師を辞めなければならないほど、深刻な問題としても挙げられているほど。
それでも、原因をできる限り取り除き、正しい対策をとることで、美容師の職業病を改善・軽減させることができます。
では、具体的にその「原因と対策」を見ていきましょう。
腱鞘炎
原因 | 対策 |
カットシザーの開閉 シャンプー パーマのロッドを巻く | サポーター テーピング ストレッチ 形成外科 鍼治療 |
腱鞘炎とは主にバネ指・ドケルバン病の2つに分けられます。
バネ指:手のひらの指の付け根に痛みや違和感が生じる
ドケルバン病:手首の親指側に痛みや違和感が生じる
美容師が腱鞘炎になる原因は、カットなどの施術作業によるものです。
なぜなら、美容師が行う施術は手や指を使いすぎる作業となるから。
例えば、カットシザーは親指だけを動かす構造で負担がかかりやすいため、腱鞘炎に悩むスタイリストがとても多いです。
ほかにも、指を動かす回数が多いシャンプーやパーマのロッドを巻く作業でも腱鞘炎の発症リスクが伴うため、アシスタント美容師にも多くいます。
腱鞘炎対策に有効なのは、サポーターを着けること。
それは、関節が固定されることによって負担が軽減され、違和感や不快感を抑える働きがあるから。
また、テーピングで固定するのも同様の効果が期待できます。
その他では、仕事以外では手を休めることや、こまめなストレッチを心がけることも効果的です。
サポーターを使用する際の注意点
長時間の圧迫などによる皮膚障害や血行障害などを起こすおそれがあるため、就寝時の着用は避ける
手荒れ
原因 | 対策 |
お湯 薬剤 | ゴム手袋 保湿ケア 水気を拭き取る |
手荒れの原因は、カラーやパーマで使用する薬剤やお湯に触れる頻度が高いこと。
なぜなら、お湯に触れることによって皮脂膜という肌のバリア機能が取れてしまい、薬剤の刺激を受けやすくなるからです。
手荒れ対策に有効なのは、ゴム手袋をすること。
それは、水分や薬剤に直接触れないようにすることで、手荒れリスクを軽減できるためです。
また、お湯や水を扱う前後にはハンドクリームやオイルなどを塗って肌を保護することも大切。
腰痛
原因 | 対策 |
長時間の立ち仕事 施術中の姿勢 | サポーター 正しい姿勢 ストレッチ 形成外科 鍼治療 |
腰痛は主に以下の6種類に分けられます。
- 筋性腰痛
腰周りが筋肉痛のような状態 - 椎間板ヘルニア
背骨の腰椎を挟む椎間板の髄核が突出して背骨の神経を圧迫する痛み - 脊柱管狭窄症
背骨の神経を囲む脊柱管が狭まることで神経に接触・圧迫する痛み - ぎっくり腰
腰の筋肉が炎症を起こしてしまい激痛が生じる急性腰痛 - 坐骨神経痛
腰から足にかけて伸びている「坐骨神経」が圧迫・刺激されることで痛みやしびれが生じる - 腰椎すべり症・分離症
腰椎への伸展・回旋ストレスを原因とする関節突起間部の疲労骨折
美容師が腰痛になる原因のほとんどは、長時間の立ち仕事や施術時の姿勢によるものです。
それは、人によって腰に大きな負担がかかってしまうため。
例えば、中腰で作業を続けるシャンプーは、1日に繰り返し無理のある体勢を取る必要があるため、腰を痛める要因の一つです。
腰痛対策に有効なのは、サポーターをしたり正しい姿勢をとること。
それは、患部を固定することで負担が軽減され、違和感や不快感を抑える働きがあるためです。
また、ストレッチで腰や体全体を伸ばすのも効果的です。
シャンプーやカットなどの作業を座ってできるようにするなど、サロンでの工夫ある取り組みが求められますね。
他にも美容師によくありがちな共感できるネタ・職業病などについてまとめた以下の記事も参考にご覧ください。
>>美容師あるある100個
>>美容師アシスタントあるあるとは
【美容師の職業病】は労災認定されにくい
美容師の三大職業病とされる「腱鞘炎・手荒れ・腰痛」では、労災認定されにくいケースが多いといわれています。
なぜなら、腱鞘炎、腰痛、手荒れなどの症状は、日常生活の中でも起こりうることだからです。
これらの症状は「業務」との関連性を証明するのが難しいため労災と認定されにくいもの。
では、具体的にどういった場合に労災認定されるのかを見ていきましょう。
労災認定される条件
労災保険が認定される条件は、「業務遂行性」と「業務起因性」という2つの関連性から判断されます。
それは、労働者がケガや病気をした際に、労働契約に基づき、事業主の支配下にある状態で業務をしていたかどうかが判断基準となるためです。
労災認定される病気や怪我の例
労災認定される病気や怪我の例として、以下のような内容が挙げられます。
- お客様への施術・カット中にハサミで指を切った
- 営業終了後に強制参加のカット練習中けがをした
- 勤務中に重い荷物を持ったらギックリ腰になった
- 新たに導入したシャンプー・パーマ剤などの使用後に突然ひどい手荒れ
労災保険の手続き・流れ
手順
- 労災指定病院を探す
- 窓口で保険証は提出せず「労災扱い」を申し出る
- 労災給付の申請書作成・病院へ提出
労災保険を利用する場合、上記の流れで進めるのが一般的です。
また、他にも自分で加入している民間傷害保険などを確認することもお忘れなく。
【美容師の職業病】を理由に辞めた・辞めたいという声
症状の重さによっては、腱鞘炎や手荒れ、腰痛が原因で美容師を辞めるというケースも少なくありません。
ここでは、実際に「美容師三大職業病」によって美容師の仕事を辞めた、辞めたい、という声を見ていきます。
腱鞘炎が悪化して辞めた
美容師をしています。
10年程前に左手が腱鞘炎に、その後右手もなってしまい、継続するのが困難となり美容師を辞めました。
1年前に美容師に復帰し、最近また両手が痛み出しています。
仕事中に痛みを感じることが増え、整形外科を受診してもあまり効果は感じられず、他の治療を検討しています。
引用元:Yahoo知恵袋
腱鞘炎でかなり辛い思いを経験しました。
整形外科受診後に、鍼灸院で鍼治療するようになってから徐々に痛みも軽減していき、現在は腱鞘炎の再発なく美容師を続けています。
引用元:Yahoo知恵袋
手荒れがひどくて転職
サロンで扱う薬品のよるアレルギー症状で苦しむ美容師の一人でした。
皮膚科で処方されるステロイドも効かなくなっていき、医師にも「美容師を辞めない限り治らない」とまで言われました。
美容師の仕事は好きで続けたかったのもあり、ブライダル関係の仕事に転職。
ブライダルは好きな美容師の仕事をしながら、シャンプーやカラーはしなくて良いので手荒れのストレスがなく出来ます。
手荒れが辛く悩んでいて、美容師の仕事を続けたいという方にはブライダルへの転職、オススメです!
引用元:Yahoo知恵袋
美容師アシスタント半年目。
仕事自体すごく楽しいし、スタッフも良い人ばかりですが、 酷い手荒れで離職を考えています。
手を掻きすぎて変な汁が出てきて、しかも臭い
指もぶくぶくに腫れ女子の手ではない
かゆすぎて明け方に目が覚め常時寝不足
かゆみに全神経がいってしまい、何も集中出来ません。
引用元:Yahoo知恵袋
腰痛がつらくて辞めた
元美容師。
46歳になるのですが、この一年、休職してます。
理由は、腰痛の悪化です。
腰椎の軟骨がゼロに近くなり、シャンプーが辛くて辞めてしまいました。
今は接客の仕事を派遣でしていますが、やはり、物足りないです。
腰痛をなおして、また一年振りに復帰するか、違う業界に転職してきっぱり美容師を辞めるか悩んでいます。
引用元:Yahoo知恵袋
美容師として5年間根性で続けてきましたが、ついに腰痛が悪化したのをきっかけに転職を決意しました。
今では事務職なので座り仕事がメインです。
一日座り続けているのも腰に負担がかかりますが、立ち仕事で長時間労働&腰を曲げる作業が続く美容師時代と比較するとだいぶ楽になりました。
美容師の仕事は楽しかったけど、年齢や体のことを思えば辞めてよかったと思います。
引用元:Yahoo知恵袋
美容師の職業病に関するFAQ
最後に「美容師の職業病」に関するよくある質問をまとめました。
- 三大職業病の他でなりやすい病気は?
- 美容師は短命と言われるのはなぜ?
- 美容師は癌になりやすい?
美容師の三大職業病の他にもなりやすい病気や怪我は?
美容師という仕事柄、なりやすいとされている怪我や病気などの症状は以下の内容が挙げられます。
- むくみ
- 肩こり
- 腕のしびれ
- 火傷
- 膀胱炎
長時間労働や接客、施術により発生する可能性が高いとされる症状が特徴です。
美容師は短命と言われるのはなぜ?
美容師の寿命が短いといわれてしまう理由には以下の内容が挙げられます。
- 不規則な生活
- 長時間労働
- 過度な疲労
- ストレス
このような働き方によって、さまざまな病気を引き起こす可能性があると示唆されているためです。
ただ、美容師の平均寿命などの「短命」に関する正確なデータは存在していません。
美容師は癌になりやすい?
美容師に関わらず、日本人が一生のうちにがんと診断される(がんに罹患する)確率は、男性で2人に1人、女性で3人に1人といわれています。
- 男性49%
- 女性37%
まとめ
今回は「美容師の三大職業病あるある」について解説しました。
美容師の三大職業病
- 腱鞘炎
- 手荒れ
- 腰痛
それぞれの原因や対処法を知ることで、改善や軽減することもでき、万が一治らない場合でも、自分にとって最善の行動へ移す決断はできるようになります。
何を試しても改善されないなど、場合によっては環境を整える為の転職もアリかもしれません。
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