理容師になるにはどんな資格・免許が必要?できないことや合格率・難易度などを徹底解説
「理容師になるにはどのような資格・免許が必要なの?」
「資格・免許を取得する難易度・合格率を知りたい」
このような方に向けて、本記事では「理容師資格・免許」について徹底解説しています。
役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
そもそも理容師とは
理容師とはカット、カラーリング、パーマ、シェービングなどの施術を施してお客様に提供するお仕事になります。
美容師と違うところは男性のお客様の割合が高いのと美容師では扱うことのできないカミソリが使用できる点です。
顔や耳周りの産毛や、髭剃り、形を整えてあげられる資格を持つのが理容師の特徴なのです。
男性のお客様が多い分、刈り上げや短髪のヘアスタイルなどの要望が多く、美容師に比べてミリ単位での細やかな技術が必要とされます。
男性のお客様特有の、薄毛や頭皮の問題に悩むお客様がどうしても多くなります。
そのために必要なカウンセリングや頭皮や毛髪に関しての知識の広さも求められる所です。
昔は「美容室は女性」「理容室は男性」というイメージが根強く残っていました。
しかし近年では、美容室に通う男性も増えたりと美容、理容業界もだいぶ様変わりしてきました。
このように年々、美容師と理容師の垣根は小さくなっている傾向にありますが、資格によって施術できる技術も異なっているので注意が必要です。
理容師になるにはどんな資格・免許が必要?
理容師になるには必ず理容師免許(国家資格)を取得しなければなりません。
理容師免許を取得するためには、厚生労働大臣の指定した、理容師養成施設に入学します。
昼間課程2年、夜間課程2年、通信課程3年を修了し国家試験に合格してはじめて理容師免許を取得することができます。
昼間課程が一般的な王道とされていて時間をかけてしっかりと学べるので一番合格率が高い傾向にあります。
夜間や通信などで働きながら通うと効率はいいのですが、両立などが難しく自分に厳しくしていく覚悟が必要です。
理容師資格・免許がないとできないこと
理容師免許がないとできないことは下記の内容になります。
- カット
- パーマ
- シェービング(顔そり)
- カラー
- スタイリング
このような業務をするにあたって理容師の免許がなくては技術を提供することができません。
お客様に触れることができるのも理容師免許を取得した技術者のみとなっています。
最近では女性のお顔剃りやブライダルシェービングをしてもらえる店舗も増えました。
カミソリを扱うことができるということが理容師の強みの部分です。
エステサロンより理容室の方が安価にシェービングできるので利用する方も多くなりました。
しかし、理容師の免許を持っていたとしても、美容師の業務範囲に入ってしまうヘアセットやメイクなどは施術することはできません。
「理容師は容姿を整える」、「美容師は容姿を美しくする」と定義が少し異なるのです。
理容師資格・免許の国家試験の難易度は高い?
理容師資免許の難易度は特別むずかしいものでもありません。
しっかりと内容を理解して学んでいれば、受かることのできる位の難易度とされています。
国家試験の合格率
理容師の国家試験の合格率は、下記のようになります。
年に2回春と秋に試験は実施されており少し合格率にも差が出ています。
- 春…72.8%、79.8%、75.9%、83.5%、85.0% (第37回〜第45回)
- 秋…62.9%、57.5%、65.0%、70.8%、64.1% (第36回〜第44回)
通信課程の受験者の割合が多くなる秋の国家試験の合格率の方が低くなる傾向にあります。
理容師免許取得には実技試験と筆記試験と2種類の試験を受験しなくてはならず、どちらとも合格基準を満たさなくてはなりません。
得意不得意がわかれる所ではあるのでバランスよく対策していく必要があります。
筆記試験…
・0点の科目がないか
・出題された55問のうち60%以上正解か
実技試験…
・基礎的技術試験の原点が40点以下
・衛生上の取り扱い試験の原点が20点以下
合格するには上記の基準を満たさなくてはなりません。
しかし80%近くの合格率の高さからさほど難易度が高い試験ではない事がわかります。
受験資格
理容師免許を取得するために国家試験を受けなくてはならないのですが、誰でも受けられるわけではありません。
現在ほとんどの理容学校で入学資格として「高等学校卒業以上」と定められているケースが多くなっています。
しかし「高等課程」の認可を受けている学校であれば中卒者や中従者(美容室で働きながら学んでいる中卒者)も入学が認められます。
この理容学校での課程を修了することが国家試験の受験資格となるのです。
理容師資格・免許を取得するまでの流れ
理容師免許を実際に取得するまでの一連の流れを追ってみましょう。
1.高等学校を卒業して理容養成施設に入学する。
2.理容養成施設にて決められた課程を修了する。
昼間課程…2年
夜間 …2年
通信 …3年
3.国家試験受験受付をする。
公益財団法人理容師美容師試験研修センター本部、ブロック事務所、各養成所で配布されている受験願書を提出する。受験願書と必要書類を同封して簡易書留で郵送します。
受験料が
・実技試験、筆記試験受験…25.000円
・実技試験のみ…12.500円
・筆記試験…12.500円
となっています。
4.実技試験
理容師免許の実技試験の課題は下記の通りです。
- カッティング(25分)
- シェービング(15分)
- 整髪(5分)
試験の規定ウイッグを使用して、この時間内で実技を施術しその過程や仕上がりを審査されます。
カットのマニュアルやポイントを事前にしっかりと確認しておきます。
5.筆記試験
理容師免許の国家試験では筆記試験にて、6つの科目を受験しなくてはなりません。
- 関係法規、制度
- 衛生管理(公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術)
- 保険(人体の構造及び機能、皮膚科学)
- 香粧品科学
- 文化論
- 技術理論
この6科目の中から55問出題されます。
そのうち60%以上の正解で無得点の科目がなければ合格基準に達します。
6.合格後免許の申請
国家試験に合格したら、速やかに公益財団法人理容師美容師試験研修センターへ免許交付の申請をしていきます。
- 合格通知書
- 戸籍抄(謄)本
- 精神機能の障害の有無についての診断した医師の診断書(3ヶ月以内のもの)
- 収入印紙(9,000円分)
- 登録事務手数料(5,200円)合格通知に同封されている用紙で払込をする。この受領証やご利用明細。
7.申請から2〜4週間後に免許証が交付されお手元にに届きます。
筆記試験と実技試験の片方が合格でもう片方が不合格の場合は次回の試験に限り合格だった科目の受験が免除されます。
不合格だった科目のみを受験することができるチャンスなので、もし落ちてしまったら次回の試験で必ず合格を目指すことをオススメします。
まとめ
ここまでの話で、理容師になるまでの一通りの流れが想像がついたかと思います。
美容師ともほとんど流れは同じ形になりますが内容や定められている範囲が少し異なっています。
どちらも髪の毛や身だしなみを整えるうえで、欠かすことのできない大切な役割をになっている職業です。
近年では理容師の仕事の幅も広がってきており、美容師免許とダブルライセンスを取得する方も増えてきています。
自分のやりたい業務内容や理想の働き方をよく考えてみて、そのために必要な資格を取得していけるようにこの記事がお役に立てたら嬉しいです。