【オールウェーブ国家試験】オールウェーブセッティングとは|やり方・注意点を解説
「オールウェーブセッティングの合格ラインは?」
「やり方のコツや注意点は?」
「オールウェーブ上達のコツやポイントは?」
このような疑問を抱えている美容学生の方に向けて、以下の内容について徹底解説していきます。
- オールウェーブの意味
- オールウェーブ完成までの手順
- 上手くなるコツや合格できるためのポイント
- 廃止の可能性
- よくある質問
また、2023年時点でオールウェーブが時代遅れと言われている理由や廃止の可能性についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
オールウェーブとは
オールウェーブとは、頭全体をウェーブにしたヘアスタイルの事です。
ウェーブの強弱でヘアスタイルの印象が変わり、ウェーブの滑らかさで、より綺麗なオールウェーブスタイルへと変化します。
マリリン・モンローなど、50〜60年代のアメリカ女優がしていたクラシカルなヘアスタイルのイメージが強いでしょう。
オールウェーブは、美容師国家試験の実技試験「第2課題」として出題されることがあります。
第2課題はオールウェーブ・ワインディングいずれかの2種からランダムに選ばれ、国家試験開催年の前年11月頃に発表となります。
出題項目 | 内容・特徴 |
---|---|
オールウェーブ | パーマの一種、髪の毛全体がウェーブ状になるヘアスタイル。 髪全体にローションを塗り、セットする。 |
ワインディング | パーマをかけるためのロッドを髪に巻くこと。 国家試験では4種類のロッドを50本以上55本以内で巻かなければならない。 |
【美容国家試験対策】オールウェーブのやり方・上手くなるコツ
引用元:携帯配信型美容学校
次に、美容師国家試験のオールウェーブセッティングの規定について理解しておきましょう。
国家試験では、筆記試験と実技試験に合格する必要があります。
実技がオールウェーブである場合、条件は「ノーパート7段構成」です。
オールウェーブのノーパート7段構成とは、フィンガーウェーブ・ピンカールによって構成されます。
オールウェーブのチェックポイント
- フィンガーウェーブ
- ピンカール
- ピニング
また、オールウェーブの全体的なバランスも重要な審査対象となっています。
上達させるためのコツは以下の点に注意することです。
上手くなるコツ
以下の内容を自分でチェックしながら練習するのがポイント。
- フィンガーウェーブは頭部の左右縦1/3ずつになっているか
- ウェーブ幅のバランスが取れているか
- 耳上部のウェーブが耳にかかっていないか
フィンガーウェーブ
オールウェーブの実技試験で1番のポイントは、フィンガーウェーブの技術です。
フィンガーウェーブとは、頭部の左右にウェーブを付ける技術の一つで、セットローションで頭髪全体を濡らし、コームと指でカールを付けていきます。
やり方
- 利き手の逆手の中指と人差し指で髪を抑える
- 利き手で持っているコームでシェープ
- うねらせながらウェーブを作る
頭の形を理解して地肌から45度でシェープをし、フィンガーウェーブの形が崩れずに綺麗に収めることが出来れば、国家試験の合格へ近づきます。
ピンカール
オールウェーブは7段構成で作るため、各段に指定された4種類のカールを作ってピンで留めます。
4種類のカール
- スカルプチュアカール
- リフトカール
- メイポールカール
- クロッキーノールカール
①スカルプチュアカール
スカルプチュアカールはフラットカールの一種。
やり方
- 1段目に、ウェーブ幅の2/3サイズのカールを5つ作る。
- 1つ目はループの1/3程度が額にかかる位置。
- 残り4つも規定通りに配置。
- 3段目にも真ん中に5つのスカルプチュアカールを配置。
カールのコツは、カールスペース(ピンカールのループとループの間)を意識して調節しましょう。
②リフトカール
リフトカールとは、頭皮から立ち上がったボリュームを出すカールのこと。
地肌から45度で立ち上がるようにステムを作ります。
やり方
- 4段目中央に右リフトカール。
- 5段目中央に左リフトカールを配置。
- ループ同士をつなげるようにピニング。
ポイントは、スライス線(スライスでつけた分け目)より下がらないように収めることです。
③メイポールカール
メイポールカールとは、毛先がループの外側になるように根元から巻き上げて作るフラットカールの一種。
やり方
- 6段目の中央に3つ作る。
- オニピンとボビーピンでクロスピニング。
④クロッキーノールカール
クロッキーノールカールとは、指の根元から指先にかけて投げ縄のようにひと巻きで作り上げるカールのこと。
やり方
- 毛先が内側に入る強いカールを巻いていく。
- オールウェーブの仕上げとなる7段目に配置。
ループは毛先が内側になるようにつくることがポイント。
なぜなら「ループが浮いている、壊れている」「ループから毛先が出ている」となる場合は、減点対象となってしまうからです。
ピニング
同じ列のカールにおいては、同じ方向にそろえてピニングします。
また、チェックポイントとしては
「ピンカールはボビーピン1本で留まっているか」
「メイポールカールのクロスピニングがしっかりとできているか」
が挙げられます。
オールウェーブの注意点
美容師の国家試験では、筆記試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。
そこで、オールウェーブが第2課題になったときの注意点やポイントをお伝えします。
注意点
- 制限時間
- 衛生面
- 規定通りの道具を使用
制限時間
実技試験にも制限時間があります。
オールウェーブの制限時間は25分で、時間内にすべて仕上げることが必要です。
オールウェーブの時間は、ワインディングと比較して5分余裕があるのが特徴といえます。
項目 | タイム |
---|---|
オールウェーブ | 25分 |
ワインディング | 20分 |
実際の試験では音声でタイムの読み上げがあるので、タイマーを設置することは出来ません。
早く、かつ完成度の高い仕上がりを前提としたペース配分に慣れておきましょう。
衛生面
美容師国家試験の実技試験は技術力だけではなく、衛生面もとても重要視されます。
例えば、
「事前の準備段階で毛クズが付いていないか」
「物を落としてしまった時の対応は最適か」
なども重要な審査基準になっています。
技術に自信がある方でも、当日のケアレスミスが合否に直結してしまうのが、衛生面。
規定通りの道具を使用
以下の内容で、モデルウィッグや使う道具が規定通りである必要があります。
【試験規定】
用具名 | 数量 | 詳細 |
---|---|---|
モデルウィッグ | 1体 | ・ウィッグの頭部等に、作業を有利にすると思われるマーキングがないもの ・ウィッグの頭部や台座等の表面または裏面に氏名、学校名、店名等の記入がないもの |
ピン | 適量 | ボビーピン(アメリカピン) |
オニピン | 適量 | |
ピン皿 | 2枚 | 「消毒済」・「使用中」の表示が必要 |
コーム | 1本 | |
セットローション | 1本 | ローションの濃度は自由とし、アプリケーター又はスポイトに入れて持参 |
乾燥タオル | 2枚 | ・「消毒済」表示で透明ビニール袋に入れる ・白色、淡色のもの、氏名、学校名、店名等の記入がないもの |
オールウェーブは時代遅れの技術・廃止の可能性
美容師国家試験の実技課題であるオールウェーブは実は時代遅れと言われています。
その大きな要因として、以下のことが挙げられます。
- 戦後〜1960年代に流行したヘアスタイル
- パーマ技術は主にワインディング技術を使ったパーマが主流であるということ
- 美容学校を卒業し、現場ではほとんどの方が使わない技術であるということ
現在の美容業界ではパーマ薬剤も進化しているので、このような技術をやる必要がないということと同時に、現実的に要望が少ないというのが実情。
令和5年に向けては、「廃止の検討」も進められています。
その一方では国家試験課題である限り、美容学生は全員習得しなければいけないということになります。
この構造が離職率を高めている
オールウェーブに限らず、美容学校で学んだことのほとんどは現場では活かされません。
髪を切れるようになるのも、シャンプーが出来るようになるのも、カラー・パーマを出来るようになるのも、ほぼ就職先の指導によるものです。
そのため、2年間も学校へ通い、平均的に3〜5年はまた就職先での修行期間になります。
そんな労働環境では、いつになったら髪を切れるのかという先の見えない毎日に追われ、離職するということが多いです。
もしも美容学校で教わったことが、そのまま現場でも活き、就職した直後に即戦力となれれば、美容学生も就職先も全員が良い方向へと進むのかもしれません。
現在、JABSが国に提言中
JABSとは日本美容サロン協議会という団体で、行政・サロン・学校を繋ぐ連絡機能としての役割を担っています。
そんなJABSが国に対して、美容師国家試験のあり方や授業カリキュラムについての提言中のようです。
オールウェーブを廃止するといった具体的な内容ではないようですが、美容学校のあり方を全体的に協議をしている段階です。
その中にはまつ毛エクステンションを代替の国家試験とするような議題もあったようですので、これからの美容学生はより有意義な2年間を過ごすことが出来るのかもしれません。
美容学校で学んだことが、そのまま就職先に活きて、美容師を志した方が途中で挫折しにくい環境になればとても嬉しいこと。
まだ未確定な要素が多いですが、これからに期待をしてみましょう。
美容師国家試験・オールウェーブに関するFAQ
美容師の国家試験・実技である「オールウェーブ」に関してよくある質問を、FAQ形式にまとめましたので参考にご覧ください。
- オールウェーブはいつなくなる?
- オールウェーブで落ちる基準は?
- オールウェーブでリッジが割れる原因は?
- ローションの馴染ませ方のコツは?
- 美容師国家試験の際にする髪型はどんなものが適切?
オールウェーブはいつなくなる?
現在、令和5年に「オールウェーブ廃止」と「まつげエクステ必修化」が検討されています。
オールウェーブで落ちる基準は?
美容師国家試験での「オールウェーブ」に関するチェック項目は主に以下の内容です。
- 加工・マーキングがされていないこと
- 使用する用具類の規格に適合していること
- 処置状況と完成度
- 全体のバランスと構成
- ピニングの良否
詳しくは審査マニュアルを参考にご覧ください。
オールウェーブでリッジが割れる原因は?
ローションの量が少ないと、施術する間に乾いてしまって割れる原因となります。
ウィッグ全体にしっかりと馴染む「少し多め」くらいの調整をはかりましょう。
ローションの馴染ませ方のコツは?
ローションをウィッグの根元からしっかりとつけましょう。
また、シャンプー・トリートメントを丁寧にすることで、ローションがよく馴染んでツヤ感ある仕上がりにできます。
美容師国家試験の際にする髪型はどんなものが適切?
作業しやすくモデルウィッグに髪がかからないよう、スッキリとまとめた清潔感ある髪型が好ましいと言えます。
前髪が長く目にかかるなどの場合は、ジェルやワックスで固定するかピンなどで止めておきましょう。
美容国家試験の準備をしながら、バイトで技術力を磨こう
オールウェーブとはどんな技術なのか、現場ではどのように使われているのか、全体像がお分かり頂けたかと思います。
美容学生になったからには、国家試験の合格が最優先というのは間違いないですが、実践的な技術も美容学生のうちに習得していくことがおすすめです。
そんな時に活用出来るのが、美容室でのバイトになります。
もちろん、お客様に携わる仕事は出来ませんが、掃除や美容師へのヘルプ等は学生でも雇ってもらえる可能性があるのです。
直接的に技術指導をしてもらえたり、現場の雰囲気を実際に学生のうちから経験出来るのはかなり魅力的かと思います。
美容学生としての学業がしっかり出来ている方は、こんな方法で実践的な技術を学生の内から身につけておくことをおすすめ致します。
美容室バイトの求人をお探しの方におすすめのアプリ「JOB VR」
美容室でバイトしようと思っても、中々求人が見つからないのが大変なところです。
そんな時に、おすすめなのが「JOB VR」というアプリです。
JOB VRは美容室内の求人に特化したアプリとなります。
特にアルバイトの求人も多く、美容学生にはとてもメリットのあるアプリになっていますので、美容室のバイトを探している方はJOB VRから始めてみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
オールウェーブについての理解が深まり、国家試験の参考になれば幸いです。
また美容師業界が今後より一層、働きやすく、離職率も低い業界になれば皆様が輝ける環境が多くなります。
そのためにも、少しでも知識を付けて、美容師業界へ一歩踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。