【美容師国家試験】カット課題を解説|審査ポイント
「美容師の国家試験課題はどんな感じなの?」
「国家試験の流れはどうなっているの?」
「審査の基準が知りたい」
このような方に向けて、本記事では「美容師国家試験」について徹底解説していきます。
美容師の国家試験について詳しく知りたい方のお役に立つ内容になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
美容師国家試験で出題される内容
美容師は美容師免許を取得している人でないと、お客様への施術が禁止されています。
そのため美容師を目指すにはまず、美容師国家試験に合格することからはじめなくてはなりません。
- 春期(1月下旬~2月上旬に実技試験、3月上旬に筆記試験)
- 秋期(7月下旬~8月上旬に実技試験、9月上旬に筆記試験)
毎年2万人越えの人が受験しており、春期で8〜9割秋期で5〜6割の合格率となります。
この試験は筆記試験と実技試験にわかれており、どちらにも合格しなくてはなりません。
筆記試験の合格基準が60%の正解率と空白欄がないことが条件になります。
また、各項目で0点の項目が一つもないことも条件とされています。
- 公衆衛生・環境衛生
- 関係法規・運営管理
- 感染症、衛生管理技術
- 皮膚科学
- 香粧品科学
- 文化論
- 人体の構造および機能
- 美容技術理論
実技試験の内容「カット」と「セッティング」
実技試験では衛生実技審査と美容技術審査があります。
美容技術審査の第一課題が「カット」、第二課題が「ワインディング」か「オールウェーブセッティング」の両方で審査されます。
毎回第二課題は「ワインディング」「オールウェーブセッティング」のどちらかが課題として選ばれるので、受験する年によって内容が少し変わる仕組みになっているのです。
衛生実技審査は少し注意が必要で、使用する道具や試験中の行動などを審査員がチェックして技術と関係ないところで減点されかねないのです。
審査項目は技術的なものではなく、衛生面に関するチェックポイントなのできちんと対策しておくことで減点は避けることができます。
【美容師国家試験】実技試験の合格基準
実技試験の採点は減点方式で行われます。
- 衛生上の取り扱い試験…減点20点以下
- 第一課題…減点30点以下
- 第二課題…減点30点以下
カットの合格基準は8つの項目がチェックされ、減点が30点以下である必要があるのです。
第二課題と衛生上の取り扱い試験の項目も同時に合格点を取らなくてはなりません。
【美容師国家試験】実技試験の流れ
カットの試験では下記のような流れで試験を進めていきます。
- モデルウイッグの審査
- カット準備 (7分)
- カット試験 (20分)
- モデルウイッグの顔面ふき取り (1分)
- 完成度の審査
ワインディングの試験では下記のような流れになります。
- モデルウイッグの審査
- ワインディング準備 (7分)
- ワインディング試験 (20分)
- モデルウイッグの顔面ふき取り (1分)
- 完成度の審査
どちらも衛生面に気を付けながら、今まで習った技術をきちんと発揮することが求められます。
特別な技術が必要なのではなく、美容師として備えておくべき技術や知識を習得しているかどうかをチェックされる試験なのです。
【美容師国家試験】課題内容
実技試験の課題の内容や道具まで少し詳しく見ていきます。
1.カッティング
第一課題のカットは既定のモデルウイッグをレイヤースタイルに仕上げていく試験となります。
・前髪6cm
・もみあげ、ネープ10cm
の長さの指定があります。
レイヤーカットは段差をつけたカットのスタイルのことです。
前髪からもみあげのヘムラインのつながりや、左右のバランスが重要になってきます。
準備するものが
- 作業着(白衣)
- モデルウイッグ(標準仕様適合シールの貼ってあるもの)
- カッティングシザーズ
- コーム
- ダックカール
- 器具皿
- 除菌用ウエットティッシュ
- タオル
- ビニール袋
- ビニールシート
- ばんそうこう
- スプレイヤー
合格のためには次の8つの項目に気を付けなくてはなりません。
1.モデルウイッグ規定適合状況(50点)
準備したモデルウイッグに標準仕様適合シールが貼ってあるか、確認します。
2.モデルウイッグに対する禁止事項のチェック(50点)
モデルウイッグに事前処理作業がされていないかチェックされます。
事前にカットされていたり、整髪料がつけられていたりすると減点対象となるのです。
3.カット技術用用具類の有無、規定(50点)
カットの試験で使用する用具や数量の規定適合状況がチェックされます。
用具の不足や使用不可の用具類があると減点となります。
4.仕上がり
最後まで完成されているか、確認されます。
切り残し(50点)
毛髪や水滴の付着(10点)
ダックカールの取り忘れ(10点)
5.毛髪の長さ(50点)
既定の長さであるかのチェックです。
決められた長さ2cm以上の誤差は減点となります。
6.ヘムラインのつながり(20点)
フロントとネープにかけて2cm以上の段差がないか、キレイにつながっているかチェックされます。
7.カットラインのつながり
カットラインから切り残しや、長い毛がないかチェックされます。
フロントからネープ(30点)、トップからサイド(20点)、トップからバックサイド(20点)2cm以上の誤差があると減点となります。
8.左右シンメトリー
サイドとバックサイドが左右対称になっているかチェックされます。
サイドが左右非対称(20点)、バックサイドが非対称(20点)
2.ワインディング
第二課題のワインディングは髪の毛をブロッキングしてパーマ用のロッドを用いて、オールパーパスにタイム内に巻いていく技術になります。
ワインディングは美容師の技術の中でも基本的な技術となり、実務でも使用する機会の多い作業です。
ワインディングの規定は下記のようになります。
・4種類のロッドの使用(10㎜~13.5㎜)
・ロッドの本数(50本以上55本以内)
準備する持ち物
- 作業着(白衣)
- モデルウイッグ(標準仕様適合シールが貼ってあるもの)
- ロッド
- ペーパー
- コーム
- 輪ゴム
- スプレイヤー
- 器具皿
- 除菌ウエットティッシュ
- 雑巾
- ビニール袋
- ビニールシート
ワインディングを巻き終わったらウィッグの顔面をキレイにふき取り、髪の毛や水滴が残らないように注意が必要です。
全体的に巻き残しやゴムかけがきちんとできているか、チェックされます。
ロッドの順番や配置、頭の形に沿って巻き納められているかなど各項目をチェックされて、点数が決められていきます。
資格試験の練習と一緒に実務で技術を磨こう
美容学生でこれから美容資格を取得しようと考えている方は、国家試験の勉強と共に実務経験を積んで行くことをオススメします。
美容室でバイトしながら実務を経験できることで、就職したあとの進みもはやくなります。
そして、美容室には国家試験に合格した先輩がたくさんいるので、技術的にもコツやポイントを教えてもらうことができるのです。
働く美容室の探し方がわからない方にオススメなのが、JOB VRです。
JOB VRを使うことで、美容室オーナーと直接やり取りができて条件のすり合わせがしやすくなります。
お試しで働いてみることもできるので、自分に合ったお店を探しやすくなります。
まとめ
美容師の国家試験はカットだけではなく、ワインディングやオールウェーブなどほかの技術の対策も必要になってきます。
試験はきちんと規定が設けられているので、基本的な衛生面や技術を習得すればそこまで難しいこともないはずです。
事前に項目の確認をして準備することで合格に近づくことができるので、念入りに対策を見直してみてください。