【美容師国家試験】ワインディングとは?コツや構成・持ち物などを徹底解説
美容師の国家試験の実技であるワインディングについて解説します。
- ワインディングの試験時間などの規定
- 試験に必要な持ち物
- 合格ライン・合格作品
美容師の国家試験の実技、ワインディングの規定やコツなどについて紹介しますので参考にしてください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
ワインディングとは
ワインディングとは、パーマを巻く作業のことを指します。
髪にロッドと言われる細長い棒を巻きつけたり、ステンレスピンや針金を使って巻きつけることもあります。
また国家試験実技課題の1つで、美容師を志す美容学生は誰しも経験する作業です。
綺麗に巻ける技術的なことは勿論のこと、時間内に終わらせることや作業工程の衛生面等も採点基準になる試験になります。
ワインディングの試験の規定
ワインディングの実技試験の細かな内容をお伝えしていきます。
- 試験時間
- ロッドの本数
実技試験はワインディング・オールウェーブ・カットがあります。
美容師国家試験の受験資格・試験課目などの詳細はこちらで、美容師実技試験審査マニュアルも確認してください。
ワインディングの試験時間は28分
ワインディングの試験時間は合計で28分です。
試験時間構成は次のように分けられます。
- モデルウィッグの審査…0分
- ワインディングの準備…7分
- ワインディング試験…20分
- モデルウィッグの顔面拭き取り…1分
- 仕上がり審査…0分
ワインディングの準備とは、巻きつけるウィッグやロッド等を自身が巻きやすいように準備する工程を指します。
モデルウィッグの顔面拭き取りとは、水や切れてしまった髪等の顔面に付着してしまった異物を拭き取る工程になります。
このように試験時間は28分と長いですが、実際にワインディングが出来る時間が20分しかないということをしっかりと確認しておきましょう。
ロッドの本数は50本以上55本以内
ワインディングの試験で使うロッドの本数は、ショートロッドを含め50本以上55本以内という条件があります。
ロットの長さも巻く場所によって規定があります。
審査は
- 全体のバランス
- ステムの角度と方向
- シェープ
- 輪ゴムの掛け方
- 残り毛
- 条件違反
の6項目で審査されます。
減点方式で審査され、50点以下の減点で合格することができます。
ロッドの配置・太さが指定どおりに巻かれていないと一気に40点減点される場合もあります!
他にも巻く方向なども決まっているので、事前に審査内容を隅々までチェックしてください。
ワインディング試験の持ち物
ワインディング試験では数多くの持ち物が必要です。
- 作業衣とマスク
- モデルウィッグ
- ロッド
- コーム
- スプレイヤー
- 器具皿・ピン皿
- 除菌用ウェットティッシュ
- その他
それぞれ細かい規定があるので注意が必要です。
実際にワインディングで使う物はそこまで多くありませんが、衛生面での準備物が非常に多くなります。
試験が上手くいっても、持ち物で減点や失格になってしまう方も少なくありませんので、ここでしっかり確認しておきましょう。
作業衣とマスク
作業衣とマスクは指定されている物を使います。
- 作業衣…白色または淡色の物で、上半身の衣類を全身覆えるサイズ
- マスク…白色または淡色で無地の物
このようになっています。
作業衣は基本的に学校指定の物がありますので、そちらで揃えるのが無難です。
またマスクも淡色は可ですが、白色の無地を用意しておくのが望ましいかと思います。
モデルウィッグ
モデルウィッグとは、パーマを巻きつける頭の人形を指します。
こちらも規定がいくつかあります。
- 作業の目安となるであろう、植毛や染毛、毛髪の切断等の加工がされていない物
- 作業の目安となるであろう、マーキング等がされていない物
このような規定です。
作業を円滑に進める為とはいえ、反則行為はしっかり見られています。
正々堂々と試験に望めるよう、しっかりと準備しておきましょう。
ロッド
毛髪を巻きつける細長い棒のことをロッドと言います。
こちらもウィッグと同じような規定があります。
- 表面に特殊な加工をしていない物
- 太さが10mm〜13mmまでの異なる4種類と短い長さのロッドを含める
このような規定です。
試験を円滑に進める特殊な加工は禁止されており、使用するロッドの形状も明確にあります。
どこをどのロッドで巻くのか予め確認し、万が一に備えて予備を用意しておくのが望ましいかと思います。
コーム
一般的なクシを美容師用語ではコームと言います。
コームは様々な種類が存在しますが、特に規定はありません。
しかし、ワインディングをする為にはリングコームが望ましいです。
他のコームでも巻けないことはありませんが、巻きづらくなりますので、リングコームを用意しておきましょう。
スプレイヤー
一般的な霧吹きを美容師用語ではスプレイヤーと言います。
こちらも特に規定はありませんが、試験会場で水を入れることは出来ません。
予め水を入れてあるスプレイヤーを用意しておきましょう。
器具皿・ピン皿
こちらは使用する器具を置いておく物になります。
2枚用意する必要があり、消毒済みと使用中に分けて使用しなければいけません。
また規定もいくつかあり、
- プラスチック製又は金属製の物
- 不透明で毛髪の付着が容易に確認出来る物
この2点です。
特に器具皿に毛髪が付いているかは入念に確認が必要です。
予め毛髪が付いているようだと、減点の対象となりますので、しっかりと確認して試験に望みましょう。
除菌用ウェットティッシュ
道具を落とした際や、試験開始前に手を清潔にする為にウエットティッシュが必要です。
こちらも規定が明記されています。
- 品質表示にエタノールと明記されており、外見から確認出来るもの
- ペーパーが乾燥していないもの
この2点が注意点です。
使用途中のウェットティッシュは乾燥しやすくなりますので、当日は確実に新品の物を用意するのが望ましいでしょう。
その他
上記の他にもいくつか必要な物がありますので、まとめてご紹介致します。
- モデル用取付金具…クランプと言われるウィッグ固定器具
- 敷物…ビニール製で床が汚れないように使用する物
- 雑巾…床を拭く為に使用
- 汚物入れ用透明ビニール袋…試験中に出たゴミを入れる袋
- 救急絆創膏
- ワインディング用ペーパー…髪とロッドを巻く為に使用
- 輪ゴム…髪とロッドを固定する為に使用
- 乾燥タオル…ビニールに入れて、封をしている綺麗な物を用意
こちらがワインディング試験に使用する全てです。
試験当日に忘れ物がないように入念に確認しておきましょう。
【美容国家試験対策】ワインディングの合格ライン・コツ
ワインディング試験の全体像がお分かり頂けたかと思いますので、次にワインディングのポイントやコツも解説させて頂きます。
ワインディング試験は減点方式になっていて、マイナス30点以下が合格ラインです。
審査基準も明確になっており、
- モデルに対する禁止事項の有無…合計50点
- ワインディング技術用用具の有無及び規格…合計50点
- 作業終了後の処置状況…合計10点
- 仕上がり状態…合計50点
- 技術の条件の適合状況…合計50点
大まかにこのようになっています。
一発で失格になるケースは
こちらがマイナス50点になりますので、このミスだけは絶対にしないように練習しておきましょう。
ブロッキングのコツ
ワインディングでは巻く作業よりもブロッキングが大切です。
なぜならブロッキングを綺麗にすることで、ロッドを収める位置の目安になったり、綺麗に巻くことができるからです。
ブロッキングとは予め巻く範囲を分けておくことですが、コツがいくつかあります。
- 目線での作業をすること
- 身体を使って、手先だけの作業にならないこと
- 身体から離して作業をすること
この3つがポイントです。
目線で作業する事により、見え方が正確になります。
身体の重心移動を使って作業することにより、真っ直ぐブロッキングが取れます。
そして身体から離してウィッグを見ることで、ブロッキングが曲がっていないか確認ができるのです。
もし一つでもできていないポイントがあるようでしたら、見直してみるとより技術が上達するかもしれません。
タイムを縮める方法
タイムを縮めるコツは
- どんなに汚い仕上がりでも制限時間内に入れる
- やり直してしまう工程があれば、一発で決めることを意識する
- ワインディングの作業道具の配置を見直す
この3点がポイントです。
なぜならいくら綺麗に巻き終わっても、制限時間内に終わらなければ、その作品は0点になってしまうからです。
制限時間内に入らない方の特徴として、綺麗に巻こうとし過ぎている事が挙げられます。
国家試験はコンテストではありませんので、あくまでも試験に合格する事が目標です。
丁寧な方であれば、汚い仕上がりだと思っていても、試験の合格基準に達している場合もあります。
一度、とにかく制限時間内に終わらすことを目標にやってみて下さい。
また、納得いかずに何度も同じ工程をしてしまう方も一発で決める作業を練習すれば、自ずとタイムは縮まります。
そして、最後の最後は自身がワインディングをやりやすい環境にしているかというのも重要です。
巻きやすい道具の配置を考えて、自分流にアレンジ出来る範囲は整えてみましょう。
これを守ればきっとタイムも縮められるかと思います。
不合格作品の例
2022年の美容師国家試験(第45回)での合格ラインに不合格だった作品の事例が公開されています。
公開された情報から一部未到達技術の事例を抜粋しました。
国家試験はコンテストではないので、きれいに巻けていなくても課題をクリアできていれば合格となります。
- 巻いたロッドが毛先から出ている
- シンメトリでない
- 残り毛が著しく残っている
などのミスがなく課題がクリアしていれば大丈夫でしょう!
美容国家試験の準備をしながら、バイトで技術力を磨こう
上記で解説させて頂いたように、数多くの準備が国家試験には必要です。
おすすめなのが、美容室でのバイトです。
なぜなら学校の練習時間では足りないという方もいらっしゃると思うからです。
勿論、お客様に触れるような施術はできませんが、現役美容師の仕事を生で見ることができ、アドバイスをもらえることもあります。
また営業後にはお店で練習させてもらえるチャンスもあるかもしれません。
美容学生にとっては、とてもメリットのあるバイト先です。
技術を磨きたいと考えている方は、是非美容室でのバイトを検討してみて下さい。
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美容室でバイトしようと思っても、中々求人が見つからないのが大変なところです。
そんな時に、おすすめなのが「JOB VR」というアプリです。
JOB VRは美容室内の求人に特化したアプリとなります。
また他の求人サイトと違い、美容室と美容師や美容学生のマッチングアプリとなっていますので、美容学生からしても、気軽に職場の雰囲気を体験出来る事がメリットかと思います。
特にアルバイトの求人も多く、美容学生にはとてもメリットのあるアプリになっていますので、美容室のバイトを探している方はJOB VRから始めてみましょう。
まとめ
ワインディングの実技試験の規定やコツ・合格ラインなどについて解説いたしました。
ワインディングについての理解が深まり、試験に対してのやるべきことも明確になったのではないかなと思います。
美容師の国家試験は合格率が高い試験ではあります。
しかし、準備を怠ってしまうと簡単に不合格になってしまいますので、今のうちからしっかりと準備して試験に望むよう心掛けましょう。
皆様の国家試験対策に少しでも役立てて頂けたら幸いでございます。
最後までご覧頂きありがとうございました。