美容室の会話なし無言メニュー|ホットペッパービューティー掲載の美容院とは
美容室で施術を受ける際、「スタッフとの会話がめんどくさい」と感じる人は半数を上回ると言われています。
主な理由として、
- 「スタッフとの話が噛み合わない」
- 「自分が人見知りだから」
などの声が多くを占めます。
そんな中、「会話なし」というメニューがある美容室をご存知でしょうか。
このサービスの誕生にはそのような顧客からのニーズに応えるだけでなく、会話が苦手だという美容師自身の思いを形にしたという背景があるのです。
今回は、近年増加しつつある「会話なし」や「会話少なめ」のメニューがある美容室についてご紹介。
無言メニューの魅力や、美容室でしゃべりたくないお客様の割合やその理由について解説します。
美容師との会話に苦手意識を持つ方や、施術中は何も話さずリラックスしたい方はぜひご覧ください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容室の「会話なし」「会話少なめ」メニューとは
「カット+会話なし」「カット+会話少なめ」。
SNSである美容室のメニューを紹介した美容師の投稿が話題を呼んだのは2022年2月のこと。
その内容は会話が苦手だという友人の美容師が考案した施術メニュー。
「苦手を武器にする天才かよ」と賞賛のコメントとともにメニューの画像が添付され、16万を超える「いいね」を記録するほどの反響を呼びました。
美容室での会話に苦手意識を持つ方からは「こんなサービスを待っていた!」など賛同の声が集まったことで、「話しかけない美容室」という斬新なスタイルが知られていったのです。
投稿:ヒロさん | 人手不足経営(@hiro__shacho)さんのポスト
苦手を武器にした美容師が考案し話題に
そんなメニューを考案したのは、東京・二子玉川の美容室「hair-works-credo クレド」を経営する野口高宏さん。
アシスタント時代は話すことが苦手で、日頃の接客から会話術を勉強してきたと言います。
独立して2011年に店舗をオープンしてから3年経ったころ、イギリスの美容院で「サイレントルーム」というサービスが人気であることを知ったことがきっかけで「会話なし」メニューの導入を検討することに。
「当時は会話なしの美容室なんて前例がなかった」という野口さん。
アシスタントの頃は「美容師はしゃべってなんぼ」と叩き込まれたこともあって、苦手を克服するために日々努力を重ねてきました。
そういった経験をしてきたことから、「会話なし」メニューの導入によって「せっかく得た美容師としてのアイデンティティが壊れるのでは」と葛藤したと語っています。
美容師と話すのが苦手というニーズに応えたサービス
そんな中、SNSで「美容室 会話 嫌い」と検索すると美容室での会話が苦手な人が多数いることを知り、メニューの導入を決断しました。
最初はトーンも控えめに「会話少なめ」から始めましたが、導入月に新規客5名からの予約が入ったことを受け需要があることを確信したという野口さん。
引き続きメニューを残した結果、毎月予約が入ったため導入から一年経って「会話少なめ」から「会話なし」に切り替えたのです。
その結果、2〜3割のお客様が「会話なし」メニューを選択するようになりました。
そこから、前述のSNS投稿が話題を呼んだこともあって、5割程度のお客様が「会話なし」を選択するようになったと言います。
導入前は30〜40代のお客様が多かった店舗も、高校生のお客様が増えました。
そのお客様に理由を聞いてみると、「美容室でどうやってオーダーすればいいかわからず、慣れない場所で緊張する」とのこと。
「会話なし」メニューを導入することによって、営業面でも大きな変化が見られたのです。
その後、コロナ禍で需要が高まったこともあって無言メニューを導入する店舗が大阪などの都市圏を中心に増加。
美容室での新たなサービスとして全国的に広まっていったのです。
美容室で喋りたくないお客様は52.9%
画像引用:ホットペッパービューティーアカデミー
2024年5月に「ホットペッパービューティーアカデミー」が実施した調査によると、「美容室で会話をしたくない」と答えた人が全体の52.4%を記録しました。
理由として最も多かったのが、自分のことやプライベートのことを話したくないというもの。
特に仕事や学校のことを話したがらないお客様が多く、中でも3割を超える女性がこの話題に関する話をしたくないという結果が得られました。
会話を楽しみたいお客様がいる一方で、落ち着いて過ごしたいと感じているお客様がいることも事実です。
お客様の価値観は多種多様であるため、美容師にはそのニーズに寄り添った接客を行うことが要求されています。
無言メニューの魅力
「会話なし」や「会話少なめ」のメニューを受けることで、お客様が施術中も自分の時間を過ごすことが期待できます。
理由は相手に気を遣う必要がないだけでなく、美容師側も施術に集中することで高品質の仕上がりを提供することができるからです。
会話を最低限に抑えることによってお客様も静かな時間を過ごすことができ、リラックスした空間を作り出すことができます。
ここでは、無言メニューの魅力として挙げられるものを数点紹介します。
- 気まずくない
- リラックスできる
- プライベートな話をせずに過ごせる
- 施術に集中できる
- 顧客満足度アップにつながる
気まずくない
無言メニューは「会話が長続きしない」など気まずさを感じずに施術を受けることができます。
会話がしたい美容師と話したくないお客様の間でのミスマッチによって会話がすぐに途切れてしまうと、施術中の雰囲気にも影響します。
美容師に「話しかけないでください」と伝えるのは勇気が必要ですが、最初から話す必要がないことがわかっていると気が楽です。
無言メニューでは予約の段階で要望を聞き出す美容院が多く、美容師はその内容に従って施術を進めます。
リラックスできる
無言メニューはリラックスすることができ、自分の時間を過ごすことが可能です。
会話がないため施術中に雑誌を読むことも、スマホを触るのも自由。
気を遣う必要がないのでリラックスした時間を過ごすことができます。
会話をすることなく落ち着きたいお客様にとっては、リラックスの効果はさらに高まることが期待できます。
プライベートな話をせずに過ごせる
無理にプライベートの話をせずに済むことも無言メニューの魅力です。
無言メニューでは、あらかじめ記入してもらったお客様からの要望通りに施術が進みます。
カウンセリングなどを除き美容師から必要以上に話しかけることはなく、会話をしたくない理由の上位を占めるプライベートの話をする必要もありません。
施術に集中できる
無言メニューを提供する美容師も施術に集中することができます。
理由は美容師の仕事は時間との戦いでもあるためです。
施術のスケジュールが詰まっている中、作業効率を高める必要があると考えている美容師もいます。
次の予約が控えている中、適切にオペレーションを実行して時間を管理する必要があります。
顧客満足度アップにつながる
無言メニューによってお客様にリラックスの時間を提供し、高クオリティの仕上がりを提供することで顧客満足度の向上につながります。
施術を受けたお客様に満足してもらうことができると再来店の確率も上がるため、リピーターの確保も可能です。
また、口コミで評判が広がることも期待でき、会話を控えたい新規の顧客を獲得できるチャンスも高まります。
会話なしだからこそ「配慮」「丁寧さ」が重要
「会話なし」メニューの考案者である野口さんによると、施術中の会話がないぶんお客様の表情を見て気持ちを汲むことを心がけたと言います。
会話がないメニューでは、表情や目線を読み取ることで相手への気配りに一層注意を払う必要があります。
また接客業という業種でもあるため、丁寧な言葉遣いや接客マナーを心がけなければなりません。
会話に頼らずとも、お客様が快適に過ごすことができるように行動することが重要となるのです。
お客様のニーズに合わせて寄り添うことはもちろんですが、店舗での時間を快適に過ごしてもらうことができるようお客様に配慮することがより一層求められます。
まとめ
美容室の無言メニューは、「施術中に会話をしたくない」というお客様の声に応えて誕生したサービスです。
- 施術中も自分の時間を過ごすことができる
- 沈黙が続くことによる気まずさを感じなくても済む
- 会話が苦手な人でも緊張することなく来店できる
- プライベートの話をしなくてもいい
- 作業の効率化につながり、品質の高い仕上がりの提供が可能
主な魅力として挙げられるのは以上の5点です。
普段から会話が苦手だという方や、美容室では緊張してしまうなどという方におすすめできます。
美容師にとっても限られた時間の中で効率化を図り、適切にオペレーションを進行させることで施術に集中することができるというメリットがあります。
お客様の価値観は十人十色であり、美容室でも静かに自分の時間を過ごしたい人もいます。
そのように考えている方は一度、お近くで無言メニューを取り扱っている店舗を探してみてはいかがでしょうか。
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