美容師の面貸し|美容室・サロンを個人事業主・フリーランス視点の相場やシステム
「サロン・美容師の面貸しとは?」
「面貸しのシステムや相場はどのくらい?」
「実際そんなに儲からないのでは?」
「どんなメリットがあるの?」
本記事ではこのような美容師の方へ向け、「個人事業主・フリーランスの面貸し(めんかし)」について以下の内容で解説していきます。
- 面貸しとは
- 面貸しのメリット・デメリット
- 報酬相場と報酬形態
- 注意点
- 契約書のテンプレート
- 1時間から面貸しできるシェアサロン
面貸しとは、美容室やサロンの一部を借りて働く方法で「ミラーレンタル」とも呼ばれています。
特徴は、経験を積んだ美容師の方が「独立開業したい」と考えた場合、店舗を構える資金や、経営知識に不安なケースでもすぐに独立できる働き方。
現在、都心を中心に増えてきているシステムです。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師の面貸し(めんかし)とは
個人事業主(フリーランスの美容師)の面貸しとは、美容室の空いている、余った席を美容師に貸し出すシステムのこと。
面貸しのシステム
働いた分をお店から給与として受け取るのではなく、
美容師として売り上げたお金は自分のものとなり、
そこから場所代をオーナーに支払うしくみ。
自分で開業は難しくても、場所を提供してもらえれば家賃や経費などを最小限に抑えて仕事ができます。
一方、美容室オーナーは場所を貸し出すことで、以下のメリットがあります。
- お店を有効的に活用できて売上アップ
- 席が埋まることでお店の活気がでる
面貸しサロンは従業員として雇われるのではありません。
あくまでも、店舗の場所を借りる利用者とオーナーとしての関係性になります。
面貸しと業務委託の違い
業務委託と面貸しは以下の共通点・相違点があります。
共通点 | 相違点 |
---|---|
|
|
業務委託では、美容室側が集客を行ってくれますが
面貸しでは、自分の力で集客しなくてはなりません。
SNSや既存のお客様を呼ぶなど、個人の集客力が試される部分でもあります。
こんな美容師の方にオススメ
以下の特徴に当てはまる方は、面貸しのシステムを利用してみるのもオススメです。
- 独立したいが経営の知識や資金面が心配
- 新しい働き方で自分らしい生活スタイルを確立させたい
- 自分自身の集客力を試してみたい
面貸しのシステムを利用してみることで、いきなり独立しないでも、どのくらいお客様を呼び込めるか、売上が立てられるのかを実証できます。
また、自分で時間管理ができるため、お店で働く時間以外を開業に向けての準備に充てることもできます。
また、美容室を経営する際には求人広告などの費用もかかったりします。
美容系求人サイト「リジョブ」の費用については
>>リジョブ掲載料金・成果報酬払わない場合は?で解説しています。
面貸しのメリット・デメリット
個人事業主(フリーランスの美容師)が面貸しで働くメリット・デメリットを2つの視点から解説していきます。
- 個人事業主側
- 美容室・サロン側
個人事業主(美容師)としてのメリット・デメリット
面貸ししてもらう側のフリーランス美容師からみるメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
社員ではないため、そこまで上下関係が厳しくなく、程よい距離感で接する事ができるのでストレス半減できる点がメリットです。
営業後のミーティングや飲み会など、強制的に参加させられることもないので、個人的な関わりが煩わしいと思ってしまう方は特に嬉しいかもしれません。
スケジュール調整など自分で管理するため、都合に合わせて予約時間を調整することで好きなように、時間を作ることもできます。
正社員では必ずでなければならない朝礼も省けるので、余計な時間は短縮されて業務に集中できます。
このように時間にかなり融通がきくので、ダブルワークの方や主婦で家事との両立もしやすいようです。
面貸しの場合場所代さえ払えれば、金銭的な負担がなく開業することができます。
自分でお店をオープンさせて構えるとなると、いくら美容師として経験が豊富であっても資金面での不安がつきものです。
また、正社員ではやってこなかった経費の計算や売上なども自分で行うこととなります。
勉強という意味でも、独立する準備段階の練習として面貸しからはじめてみるのもありなのではないでしょうか。
面貸しでは、あくまでもフリーランス美容師で個人事業主ということ。
そのため、経理業務をすべて自分一人でする必要があります。
- 売上管理
- 経費の計算
- 確定申告など
面貸しでは、自分のお客様は自分で集客することになります。
美容室に来るお客様とは別、それはスペースを借りているだけだからです。
ほとんどのサロン予約サイトでは、お客様の目に留まるように広告費用をそれなりにかけています。それが個人で集客するとなると、そこまで多く経費をかけられないのが現実。
ある程度の固定客がついてから面貸しするなどの工夫が必要となります。
面貸しでフリーランス美容師の場合、売り上げと収入が直結します。
ここが雇用されているのとは大きく違う部分です。お客様が来なければ、収入はゼロになってしまう可能性も。
裏を返せば、顧客を増やし売り上げを伸ばすことで、雇用されるよりも収入を増やせるということです。
個人事業主としての働き方になるので、自分次第で収入面に変動があるという不安定さがあります。
美容室としてのメリット
次に、貸す側である美容室・サロンからみたメリット・デメリットは以下の内容です。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
面貸しの場合、雇用した際に支払うべき人件費が削減できる点がサロンにとって有益な仕組みと言えます。
正社員を雇う場合だと、美容室側としては負担が大きくなります。
例えば、暇な時間帯でも給料が発生し、社会保険料や雇用保険などの固定費を支払わなくてはなりません。
面貸しすることによって席が埋まると売上も上がります。
理由は、面貸しの美容師のためにあけるのではなく、空いている席を貸すので店舗の売上自体下がることはないからです。
その隙間をうまく利用したのが面貸しの利点なので余った部分で売上を作り出すことができます。
また、席が埋まった美容室のほうが活気が出て、お客様にとっても安心感が与えられます。
お店のオーナーは、面貸ししている美容師に対して、勤務時間や料金設定についてなどに疑問を持ったとしても法律上は口出しできません。
なぜなら、美容室とフリーランス美容師は雇用関係ではないからです。
お客様から見ると同じお店でも、美容師個人の働き方となり、お店のサービス内容や料金設定とは異なる場合がほとんど。
この差によって、顧客の混乱を招いてしまうことも。
美容師の働き方に対して意見できないことによって、固定客への影響がでてしまう可能性を含んでいる点は美容室にとってのデメリットでしょう。
面貸しのフリーランス美容師と、その美容師が担当するお客様との間で何かトラブルがあった際には美容師個人で解決するため、店舗に責任はありません。
それでもお客様によっては、面貸しについて理解していない場合も。
美容師が起こしたトラブルはお店で起こったことと認識されてしまうケースも考えられます。
そのことでお店全体に対して、一方的にマイナスイメージを持たれる可能性もあるでしょう。
面貸しは儲からない場合も|報酬相場と報酬形態
このようにメリットがたくさんあるフリーランス美容師の面貸しですが、なかなか儲からないといったケースも耳にします。
理由は報酬システムが合致していない場合が多いと言えます。
面貸しの報酬のシステムは大きく分けて以下の3パターンです。
報酬システム
- 完全歩合制
- 時間制
- 月額制
完全歩合制の面貸しで貰えるパーセント
面貸しの完全歩合制とは、自分の売上に対して契約で決められた割合をサロンオーナーへ支払う仕組みのこと。
歩合の相場は店舗によっても異なりますが、40〜60%とされています。
例
50%の歩合契約で、10,000円売上げた場合
- 自分の報酬:5,000円
- オーナーへの支払い:5,000円
時間制の面貸しで貰えるパーセント
時間制とは、席を利用した時間の分だけレンタル費用を支払う仕組みです。
時間制の相場は1時間につき、1,500〜2,500円が一般的です。
カットや短時間での施術が得意な方には有利になる場合もありますが
自分のペースでゆっくりと施術したい方には売上が下がってしまう可能性もあります。
こだわったカラーやパーマ、時間のかかるヘッドスパやトリートメントなどのお客様が多い場合は不利にならないようしっかりと計算してからの契約をオススメします。
月額制の面貸しで貰えるパーセント
月額制では、場所代を1か月分定額でオーナーに支払うシステムです。
毎月決まった額になるため、見通しが立てやすいメリットがあります。
月額制の相場では立地や店舗によっても大幅に異なりますが、1か月5〜15万円ほどとされています。
売上が良くも悪くも支払い額は一定なので、低いときには厳しい状況にもなり得ます。
契約書における注意点
フリーランスの美容師は雇われ社員とは違い、すべて自分で責任を持つ必要があります。
契約書にはしっかりと目を通して確認しなくてはいけません。
注意点
- 契約書の書面化
- テナントオーナーの又貸し
あとから「こんなはずじゃなかったのに…」とトラブルにならないように、注意点を見ていきます。
契約書を書面化する
面貸しの美容室といっても決まりごとや形態は店舗によって様々です。
契約の面談の段階で内容をしっかりと書面化してもらいます。
主にお給料面、勤務形態、シフトについてや材料費についても個人負担なのかアシスタントの使用についてなど詳しく決めておく必要があります。
テナントオーナーの又貸し
事前にテナントオーナーには話を通しておき、安心して働ける環境を整えておくことがポイントです。
面貸しでは問題になることも多いテナントオーナー問題。美容室はどこも賃貸契約で店舗を借りている場合がほとんど。
その賃貸で借りている場所を又貸しするのは禁止されており、契約違反で契約を解除されてしまう可能性があるのです。
面貸しで違法となるケース
美容室の面貸しで違法となるケースもあるため、以下の内容には注意が必要です。
違法なケース
- 美容師が社員として扱われてしまう
- 無免許の美容師を雇っているサロン
- 保健所への必要な届け出がない
美容師が社員として扱われてしまう
美容室の業務全般または一部を任されたり、指示される場合には注意が必要です。
あくまでもフリーランスの美容師は個人事業主となる扱い。
そのため、面貸しをしている美容師に美容室の仕事をさせるのはNGです。
無免許の美容師を雇っているサロン
なかには美容室・レンタルサロン側が、美容師免許のない美容師を雇っているケースもあります。
その場合、急にお店が業務停止となり働けなくなることがあるので注意が必要です。
保健所への必要な届け出がない
美容室では面貸しをする際、保健所への届け出が必要です。
サロンオーナーは面貸しの契約を美容師と交わしたら、以下の必要書類を届け出ます。
- 届出事項変更届
- 理容師免許証・美容師免許証の原本
以上を踏まえて、法律違反やトラブルを事前回避しなければ大変なことになりかねません。面貸しでは美容室側、美容師側の双方が気を付けるようにしましょう。
契約書のテンプレート
面貸しの契約をする際に、参考となるテンプレートです。
基本的には以下の内容を記載するようにします。
- 契約の目的
- 開業届や確定申告をする誓約
- 代理人(再委託)の禁止
- 設備(共有物)の使用方法、店舗の衛生管理
- 独立出店やスタッフ引き抜きの制限
- 反社勢力の排除
- 違約金
- 交通費や必要経費の扱いについて
- 紛争解決手段
以下は、面貸しの契約書をつくる際のポイントです。漏れがないようチェックして万全な体制を整えましょう。
契約書をつくるポイント
- 金銭トラブルを避けるために細かく記載する
- なるべく分かりやすく契約事項を記載する
- 利用時の注意事項も細かく記載する
- 契約書は行政書士、弁護士に相談の上つくると安心
たとえば、行政書士事務所では美容院・美容室用各種契約書の販売をしています。
1時間から面貸しできるシェアサロン・美容室
美容室の面貸しはやってみたいけど、まだまだ不安…という方は、1日だけでもお試しできるサロンを探してみてはいかがでしょうか。
当日の空き状況を簡単に確認して、レンタルシェアサロンが利用できます。
個人事業主(美容師)と美容室の両者におすすめの求人「JOB VR」
「フリーランス美容師として働きたいけど、どのお店がいいのかわからない‥」
「面貸しで誰か働いてくれないかな…」
このようなフリーランス美容師と美容師を探している美容室を結んでくれるのにオススメなのがJOB VRです。
厳選された店舗が搭載されているため、新たにフリーランス美容師として一歩踏み出そうとしている方にはとても役に立つと思います。
面貸しでの店舗も探しやすいので一度みてみるのもオススメです。
美容業界専門リクルートマッチングアプリ
🔽 JOB VR 🔽
美容師専門の無料求人サイト
「優秀な美容師を雇いたい、、」
「人気の美容室で働きたい、、、」
上記のようにお考えの「美容師や美容学生」「美容室オーナー」は、ぜひアプリを登録してみてください。
まとめ
今回は美容師がフリーランス・個人事業主として働く「面貸し(めんかし)」について解説しました。
近年では、美容師の中でも様々な働き方が選べる時代になってきました。
正社員、派遣、面貸し、パートなどそれぞれ特徴が違います。
より自分に合った働き方で輝ける場所が見つかるといいですね。