似合わせカットとは?似合わせカットとカットの違い|美容院・美容師の提案
「似合わせカット」というメニューを提案しているサロンを見かけることがありますね。
お客様の希望に沿って、顔の形や骨格、雰囲気、髪質や毛量、ライフスタイルなど、総合的要素から似合う髪型にカットする施術メニューの呼び名です。
ただし、骨格や髪質に合ったバランスの良いヘアスタイルを提供するのは高い技術とセンスが必要。
似合わせカットが上手い美容師はどのようなことをしているのか知りたいという方は
ぜひ、ここで失敗しないポイントを抑えてお客様の満足度向上にお役立てください。
似合わせカットを成功させるポイントは美容師の技術と「理解度」です。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
似合わせカットとは「最適なヘアスタイルの提案」
最近よく美容室のメニューにもなっている「似合わせカット」とはどんなものなのでしょうか。
ネット上でも「似合わせカット 上手い 東京 インスタ」などと検索されています。
まず、ヘアスタイルでは以下のように「一人ひとり違う特徴」が仕上がりに大きく影響してきます。
- 顔の形
- 頭の形
- 骨格
- 髪質
- 髪色
- 毛量
「似合わせカット」とは、このような個人差のある違いを見極めて、その人に似合う最適なヘアスタイルを提案して形にすることなのです。
好きなヘアスタイルでも、実際カットしてみると、イメージと違いしっくりこない経験をしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その人の好きなテイストを把握しつつ、似合わせるヘアスタイルの提案ができることが、似合わせカットの上手なスタイリストの特徴でもあります。
似合わせカットと普通のカットの違い
「似合わせカット」と「普通のカット」の違いは、以下の通りです。
種類 | 内容の違い |
---|---|
ヘアカット | 長さ、毛量、スタイルなどお客様の要望通りにカットしていくこと |
似合わせカット | お客様一人一人に似合うように髪質や骨格を見極めて、1番似合うヘアスタイルを提案しながらカットしていくこと |
似合わせカットは、一人ひとりに合ったヘアスタイルにカットすることです。お客様の希望するスタイルに付加価値を提供するという意味合いです。
普通のカットは、逆にお客様のご要望通りに、長さやスタイルをカットするだけ、と少し違いがでます。「軽くしたい」「伸ばしたい」「さっぱりしたい」といった希望に沿ってヘアスタイルをカットしていきます。
失敗しない!似合わせカットのポイント
似合わせカットのポイントは、主に以下の5つです。
似合わせカットのポイント
- 顔・頭の形
- 髪質
- お客様のイメージ
- 職業
- ファッション
顔・頭の形
似合わせカットで大切になってくるポイントの一つが、輪郭や頭の形です。
人の顔はみんな同じ形ではなく
- 丸顔
- 卵型
- 面長
- 逆三角
- ベース型
などのように人それぞれ特徴が異なります。
頭の形も同様に違っており
- ハチが張っている
- 絶壁
- 左右対称ではない形
などのように個人差の大きい部分です。
例えばメンズカットで、横から見たシルエットが絶壁だとバランスが悪くキマりません。
レディースのショートカットの際にも、卵型シルエットを基調としたスタイルを意識すると全体としてのバランスが良く髪型のサイズ感がグッと良くなります。
後頭部をふんわりと立体的にカットすることで小顔に見えます。
髪質
髪質も一人一人違ってくるポイントになります。
- くせ毛
- 毛量
- 髪の毛の太さ
- 生え際の形
この全ての要素をしっかりと見極めて、提案するヘアスタイルにうまく反映させていく必要があるのです。
くせ毛といってもゆるいパーマのようなくせ毛から、チリチリでお手入れが大変なくせ毛まで様々です。
下手にカットしてしまうと、扱いが大変になってしまうこともあるため、カット後を見極める力が必要不可欠となります。
お客様のイメージ
いくら似合うヘアスタイルを提案できたところで、お客様が満足しなくては意味がありません。
お客様がどんなヘアスタイルが好きなのか、求めているイメージをしっかりと把握することが大切。
好みと似合うヘアスタイルが異なってしまうこともあるかもしれませんが、好きなヘアスタイルに寄せた提案ができると、納得のいく仕上がりに近づけるはずです。
そのためには、事前のカウンセリングで要望や好みをできる限り引き出しておくと選択肢が広がります。
職業
ヘアスタイルを提案するときに、お客様のお仕事にも気をつけなくてはなりません。
髪の毛を伸ばせない職業や、きちんとまとめることができないといけない職業など、規定はないか確認しておくと安心です。
規定がない場合はいいのですが、ある場合は提案できる範囲が狭ばってしまうので注意が必要です。
ファッション
お客様が普段どんなテイストのファッションを選ぶのかも、ヘアスタイルを決めていくためには必要になってきます。
「カジュアル」「フェミニン」「コンサバ」などざっくりとでも、好きな傾向がわかるとヘアスタイルを決めていくうえで手がかりとなります。
お客様は美容室に行くときに気合を入れてしまって、いつもと違う服を選ぶこともあるため、いつもの雰囲気を聞いておくと確実です。
似合わせカットでは顔の形によって決めるが良い
様々な似合わせカットのポイントをご紹介しましたが、その中で一番重要なのが「顔・頭の形」に合わせたカットです。
雰囲気やテイストはヘアアレンジで変えることができますが、顔や頭の形に合わせたカットはここでしかできないから。
そこで、顔の形別にオススメの似合わせカットをご紹介させていただきます。
丸顔の方におすすめの似合わせカット
丸顔の方は顔の縦と横のバランスが同じくらいで、丸みのある頬の柔らかい印象が特徴。
頬が丸みをおびているため、顔が丸く見えたり幼く見えたりする形です。
丸みがコンプレックスになりやすいので、頬をカバーできる長さにしたり、サイドバングでカバーしてあげるとスッキリします。
ショートが似合いやすいのも丸顔の方の特徴で、顔周りの毛の長さに気をつければ、小顔効果も期待できるのです。
面長の方にの方におすすめの似合わせカット
面長の方は縦が長めの形で、少し大人っぽい印象が特徴の輪郭。
同じ面長タイプでもおでこが広い方、あごが長く見える方など個人差もあります。
面長をカバーするためには、前髪や顔周りの髪の毛が重要に。
似合わせ小顔カット
印象を左右する顔周りカットで小顔効果を演出できます♪
パッツンとした前髪では馴染みにくいケースが多いので、長めの前髪を作り片側に流すとキレイにバランスが取れ、面長を目くらましできる効果が期待できるのです。
顔周りやトップにレイヤーを入れてあげることによって、間延びした印象の面長をひし形に見せてくれるのでバランスが整います。
ストレートロングなどのヘアスタイルは、面長を一番強調させてしまうので避けるのが無難です。
逆三角形の方におすすめの似合わせカット
逆三角形の方は、ハチが張っていてアゴが細く少しキツめの印象が特徴の輪郭です。
アゴがシャープなのでスッキリとしているのですが、ヘアスタイルによっては頭でっかちに見えがちなので注意が必要となります。
逆三角形の方は丸みのあるシルエットがオススメです。
アゴ下位の長さをベースに少し重みを残しながら、丸みがでるようにカットすることでハチを目立たせずにスッキリと見せることができます。
顔周りにふんわりとエアリー感が出ることで、ハチの張りが目立ちにくくなり柔らかい印象に近づきます。
似合わせカットは「理解度を高める」カウンセリングも重要!
美容師は頭の形や顔の形で、似合う似合わないなどわかりますが、お客様自身ではわからないことがほとんどです。
そのことをわかって当たり前のような態度でカウンセリングしてしまうと、お客様も否定された気分になってしまいます。
その部分を踏まえて、わかりやすいように丁寧に説明しながら代案を提案し、できる限り要望に寄り添ったスタイルにできるとお客様も理解しやすいはずです。
カウンセリングでなるべく多くの情報を引き出すことで、好みのヘアスタイルを把握しやすくなり提案もしやすくなります。
似合わせカットを最大限にするためには「より具体的なオーダー」
たとえお客様に「おまかせで」と言われても、具体的なリクエストを引き出す質問をして共有することが、その人を最大限輝かせるスタイルにカットできる方法なのです。
そうすることで、認識のズレが防げるからです。
お客様の好みを似合う髪型にアップデートするのが美容師の仕事です。
似合わせカットの頼み方
お客様がに似合わせカットをオーダーする場合は、以下のような伝え方をすると理想の髪型に近づけるでしょう。
お客様が明確に伝えることができない場合は、美容師さんのフォローで確認してあげられると良いですね。
オーダー時のカウンセリングは、似合わせカットでどこまで理想の髪型に近づけるかのカギになります。
頼み方の例
- 写真を見せる
- 毛先は3㎝カットする
- 前髪は眉毛のラインと同じに揃える
- レイヤーは顔まわりだけ
特に初めていくサロンでは、お互いの感覚や好みが定まっていません。
そのため「この辺ぐらいまで〜」などといった曖昧な表現はNG。
言葉で伝えるのが苦手な方は、写真を見せると相手にイメージが伝わりやすいですね。
また、レイヤーやシャギーカットなどで毛量調節をしすぎると、全体のバランスや髪の毛の質感に悪影響を与えることにもなるため、あえて初めに確認しておく・念押ししておくことも場合によっては必要でしょう。
まとめ
これで「似合わせカットって何?」と聞かれたら、カットと似合わせカットの違いとして、
似合わせカットは様々な要素を考慮したスタイル提案であることが説明できるようになりましたね。
お客様のカウンセリング時に、どれだけ好みを把握できるか、お客様の骨格や髪質を見極められるかが重要になってくるということ。
また、その提案を形にする技術力も必要になるため、実現するにはスタイリストの腕が試されるという高度な施術。
毎日積み重ねていく経験や学びが必要不可欠ですが、似合わせカットができるようになるとお客様の満足度の高められ、自分の力にもなります。
似合わせカットが得意なスタイリストを、目指してみるのもいいかもしれません。