美容師が理容師免許とるには|美容師と理容師の違い・ダブルライセンス取得
美容師が理容師免許を取るには、夜間課程・通信課程で理容師の国家資格の取得を目指す必要があります。
平成30年の制度改正により、片方の資格がある場合はもう一方の免許が取得しやすくなりました。
制度の改正によりそれまで4年間から3年間に取得期間が短縮され、ダブルライセンスに対応している専門学校も増えています。
美容・理容両方の業界で活躍できるので、就職の幅が広がります。
解説内容
- 美容師と理容師との違い
- 両方受験する場合は履修科目の一部免除あり
- ダブルライセンスのメリット・デメリット
- ダブルライセンスの取得方法と費用
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
なぜ分ける?美容師と理容師の違い
美容師と理容師では、厚生労働省の管轄の元でそれぞれ定義や業務内容が規定されています。
美容師は「美容師法」、理容師は「理容師法」とそれぞれ異なります。
美容師・理容師として仕事をするのには、それぞれの国家資格が必要になります。
それぞれできる事、できないことを確認しましょう。
美容師は「顔そり」ができない
美容師とは、「美容」を目的としてヘアカット・パーマ・カラーなど見た目をきれいにすることを仕事としている人です。
美容師は「美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。
美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。
美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている。美容師がコールドパーマネントウェーブ等の行為に伴う美容行為の一環としてカッティングを行うことは美容の範囲に含まれる。
また、女性に対するカッティングはコールドパーマネントウェーブ等の行為との関連を問わず、美容行為の範囲に含まれる。染毛も理容・美容行為に含まれる。業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。また、美容師が美容を行う場合には器具やタオル等を清潔に保たねばならない。
美容師の主な仕事内容は以下です。
- ヘアカット
- 染毛
- まつ毛エクステンション
- ヘアセット
- メイク
- 着付け
などの業務内容が認められています。
美容師としての仕事をするのには、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得る必要があります。
美容師はヘアカットやパーマの施術が行えますが、理容師にはできる「顔そり」など刃物を使うことができません。
美容師が顔そりができないことについては>>美容師の顔そりの記事で、美容室の顔剃りは違法なのか理容師との違いについて取り上げています。
理容師は「メイク」「着付け」「まつエク」ができない
理容師は「理容」を仕事とする人で、美容師と同様に専用の免許が必要です。
理容とは、頭髪の刈込・顔そり等の方法により容姿を整える事です。
理容師は「理容を業とする者」をいい、理容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。理容師の免許を持たないものは理容を業として行うことはできない。なお、業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。
理容とは「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」とされており、染毛も理容行為に含まれる。なお、理容師がパーマネントウェーブを行うことは差し支えない。
また、理容師が理容を行う場合には器具やタオル等を清潔に保たねばならない。
理容師の仕事内容は以下です。
- ヘアカット
- シャンプー
- 染毛
- パーマ
- シェービング
剃刀を使ったシェービングは理容師のみが行えます。
一方で「メイク」「着付け」「まつエク」は理容師は行えません。
美容師と理容師の違いは>>美容師と理容師の違いの記事でも資格取得や仕事内容を紹介しています。
両方受験する場合は筆記試験の一部免除あり
美容師・理容師の両方取得する(ダブルライセンス)ために受験する場合は、履修科目の一部免除があります。
国家試験で、理容技術理論または美容技術理論を除く筆記試験を免除されるからです。
美容師・理容師として仕事をするためには、ともに厚生労働省が指定した専門学校や養成施設を卒業して国家試験に合格する必要があります。
それぞれ履修内容や試験の合格に必要な技術が異なります。
ですが、平成27年の「規制改革実施計画」によって平成30年4月より理容法・美容法が改正されました。
それまでダブルライセンスの最短期間は、美容師課程で2年間・理容師課程で2年間の合計4年間でした。
制度改正されたことで、美容師免許・理容師免許のどちらかを取得している場合、もう一方の免許を取得する課程を1年間で取得することが可能になったのです。
最短3年間でダブルライセンスを取得できるので、時間と費用が大幅に削減されると期待されています。
参考:理容師法施行規則等の一部を改正する省令等の施行について
参考:理容師国家試験及び美容師国家試験
美容師と理容師のダブルライセンス取得する人の割合はまだ少ないです。
仕事の幅が広がったり、就職や転職に有利になることが期待できそうですね。
ダブルライセンス取得のメリット・デメリット
美容師免許保持者が理容師免許を取得する、ダブルライセンスのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
美容・理容両方の業界で活躍できる 新業態での起業のチャンス | 時間と費用がかかる 仕事しながらでは難しい |
美容師・理容師のダブルライセンスについては>>美容師・理容師ダブルライセンスのメリットや違いも参考にしてくださいね。
メリット
ダブルライセンスを取得することのメリットは以下です。
- 美容・理容両方の業界で活躍できる
- 新業態での起業のチャンス
片方のライセンスだけではできなかったことが、同一店舗で行えるようになります。
詳しく紹介します。
美容・理容両方の業界で活躍できる
ダブルライセンスのメリットとして、美容・理容両方の業界で活躍できることがあげられます。
これは、片方のライセンスではできなかったサービスが行えるようになるからです。
理容師の資格があると、ブライダルサロンやシェービングサロンでも働くことができます。
シェービングはブライダル業界ではブライダルエステに組み込まれていることが多いので、理容師の資格があるのは有利です。
新業態での起業のチャンス
新業態での起業のチャンスにもなるでしょう。
ダブルライセンスを持っていることでライバルに差をつけることができるからです。
例えば、
- 美容院でシェービングを行う
- 理容室でヘアセット・まつエクを行う
などです。
条件が厳しいですが、提供するサービスの幅を広げることで新たな集客につながることが期待できます。
独立した時に、今までの店舗では行えなかったサービスを提供することができます。
理容美容一体型のサロンはブライダル業界でも活躍できるかもしれません。
デメリット
ダブルライセンスのデメリットも確認しておきましょう。
- 時間がかかる
- 仕事しながらでは難しい
時間がかかる
ダブルライセンスのデメリットは時間がかかる事です。
制度改正により、4年が3年に短縮されたとはいえ、片方だけよりは確実に就職できる時期は遅れてしまいます。
同期よりも就職のタイミングが遅れることに焦りを感じるかもしれません。
両方の資格が取れるダブルライセンスコースが設置されている専門学校も増えて来ました。
両方の資格取得得を目指す場合は、ダブルライセンスのカリキュラムのある学校を選択することが近道になります。
仕事しながらでは難しい
仕事をしながらでは、ダブルライセンスの取得が難しいこともデメリットとしてあげられます。
美容室や理容室に勤務しながら、通学するのは難しいという方は多いでしょう。
働きながら資格を取得するなら、働き方を替えたり夜間の学校を選択することを検討しましょう。
>>美容師の通信制の記事で、美容師免許を働きながら取得できる通信教育・美容専門学校についてご紹介してます。
ダブルライセンスの取得方法と費用
ダブルライセンスの取得方法と費用を確認しておきましょう。
美容師の免許を持っている人は、履修内容に免除があるので最短1年半で理容師免許の受験資格を得ることができます。
取得方法 | 対象 | 費用 | 期間 |
---|---|---|---|
ダブルライセンスコースのある学校に通学する | まだ資格がない人 | 150万円~300万円 | 3年 |
夜間課程を履修する | どちらかの資格があり仕事をしている人 | 150万円~300万円 | 2~2年半 |
通信課程を履修する | どちらかの資格があり仕事をしている人 | 55万円〜80万円程度 | 1年半~3年 |
理容師の免許の取得には最短でも3年かかります。
美容師の免許を取得していれば1年半で取得でき費用も抑えられますね。
取得方法は2つ
ダブルライセンスの取得方法は2つあります。
まだ資格を持っていない人は、ダブルライセンスコースのある学校に通学するのがおすすめです。
すでにどちらかの資格があり、働きながらもう一つの資格取得を目指すなら、夜間家庭・通信課程を履修すると良いでしょう。
ダブルライセンスコースのある学校に通学する
資格をこれから取るという人は、ダブルライセンスコースのある学校に通学しましょう。
ダブルライセンスコースでは、片方の資格のみを取得する場合とさほど変わらない費用で両方の取得を目指せます。
片方よりは1年長く通学することになりますが、効率的にダブルライセンスの取得がかないます。
夜間課程・通信課程を履修する
働きながらダブルライセンスを目指すなら、夜間課程・通信課程を履修しましょう。
仕事と勉強を両立することができます。
通信課程の場合は、通学よりも長くかかりますが働きながら自分のペースで勉強を進めたい人にはおすすめです。
費用は150万円~300万円程
ダブルライセンスにかかる費用は150万円~300万円といわれています。
これは片方の資格を取る費用とさほど変わりません。
学校 | 費用 |
---|---|
専門学校通学(美容師・理容師片方のみ) | 150万円~300万円 |
専門学校(通信) | 55万円〜80万円程度 |
ダブルライセンスコースのある専門学校通学 | 150万円~300万円 |
すでに片方の資格を取得している場合、履修する科目が免除されるので安く費用を抑えられます。
働きながらダブルライセンスを目指すなら>>美容師の資格を働きながら容師免許を通信課程で取得!もチェックしてみてください。
具体的な履修内容や学習方法を紹介しています。
まとめ
美容師と理容師ではできる業務範囲と定義が異なります。
両方の資格を取得するダブルライセンスによって、幅広いニーズに対応できる人材の育成が期待されています。
制度の改正によって、ダブルライセンスにかかる費用は抑えられ、時間も短くなりました。
ダブルライセンスを取得することで、活躍の場を広げることができるでしょう。
自分の理想のキャリアのために、ダブルライセンスも選択肢の一つとして検討してみてくださいね。
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