美容師の資格を働きながら|美容師免許の通信課程・美容専門学校の取得費用

これから美容師を目指して、働きながら資格を取る!という方も増えてきています。
それは、仕事をしながら美容師を目指す方法として、通信過程を利用するという選択肢があるからです。
近年「リスキリング」という言葉が普及し、働きながら学び、キャリアの幅を広げる方も増えています。
新しいキャリアとして美容師やアイリストを考えている社会人の方も多くいますが、仕事しながら美容師免許を取るには具体的にどうすればいいのか。
今回は、社会人が働きながら美容師資格を取得するための学び方、必要な費用などをわかりやすく解説していきます。

この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師になるには「美容学校の卒業」と「国家試験の合格」が必須!

美容師になるためには国家試験の受験資格を得られる学校を卒業すること、そして美容師国家試験に合格することが必要です。
美容師免許の取得を目指せる学校には大きく分けて通学課程(昼間・夜間)と通信課程の2種類があります。
ではこの2種類に分けて美容師免許取得までの流れを見てみましょう。
通学過程(昼間・夜間) | 通信過程 |
4月に入学 | 4月または10月に入学 |
2年間在学 | 3年間在学 |
卒業資格を得て国家試験を受験 | 卒業資格を得て国家試験を受験 |
国家試験合格→免許取得 | 国家試験合格→免許取得 |
美容師免許の取得要件
先ほど美容師免許の取得には学校を卒業することと、美容師国家試験に合格することが必要と説明しましたが、より詳しく説明すると、
- 厚生労働大臣指定の美容師養成学校で必要課程を修了し国家試験の受験資格を得ること
- 美容師の国家試験を受験し、合格すること
- 合格後、免許の申請を行うこと
これらを満たすことで美容師免許を取得することができます。
>>美容師が理容師免許とるにはでは、美容師と理容師の違い・ダブルライセンス取得についてご紹介しています。
美容師国家試験の内容
美容師国家試験は公益財団法人 理容師美容師試験研修センターで年2回行われます。
試験は筆記試験と実技試験の2種類あり、毎年2月と8月、筆記試験は3月と9月に行われます。
筆記と実技どちらにも合格してはじめて美容師の国家資格が与えられます。どちらか一方にのみ合格した場合は、次回受験した際に合格した方の試験は免除されます。
実際にどのような試験を行うのか詳しく見ていきましょう。
種類 | 内容 | 合格基準 |
第1課題 (実技) | カッティング | ・衛生上の取扱試験:減点が20点以下であること ・礎的技術試験:①、②の条件を満たしていること ① 第1課題 カッティングの減点が30点以下であること ② 第2課題 オールウェーブセッティングの減点が30点以下であること |
第2課題 (筆記) | ・ワインディング ・オールウェーブセッティング どちらか一方を出題 | 以下①、②の条件を満たしている場合を合格とする ①54問中32問以上の正答数であること(問題33を除く) ②関係法規・制度及び運営管理、 公衆衛生・環境衛生、 感染症、 衛生管理技術、 人体の構造及び機能、 香粧品化学、 文化論及び美容技術理論 のいずれの課目においても無得点がないこと(皮膚科学を除く) |
まず、実技試験では第1課題としてカッティングの試験が行われ、第2課題はワインディング、オールウェーブセッティングのどちらかが行われます。また、衛生上の取り扱いについても実技試験の課題に含まれています。
実技試験は減点方式で評価され、「衛生上の取扱試験」の減点が20点以下、かつ「基礎的技術試験」の減点が第1課題、第2課題ともに30点以下で合格となります。
筆記試験では、55問の問題が出題され、回答時間は100分。
すべてマークシート方式で回答します。全体の60%正解していれば合格となります。
>>美容師免許・美容師になるにはでも、国家試験や美容師に必要な資格・免許の取り方を詳しく解説しています。
働きながら美容師を目指す方法

美容師免許を得るためには養成施設を卒業する必要がありますが、働きながら学校を卒業したい方は夜間学校、もしくは通信課程を利用しています。
全く別の仕事に就きながら学ぶことももちろん可能ですが、見習いとしてサロンに就職し、そこで働きながら養成施設で学ぶという選択肢もあります。
サロンで見習いとして働く場合、美容師資格をもっていないためお客様を施術することができません。
そのため主な業務は、
- お客様の案内や会計
- サロン内の清掃
- 施術に入らない範囲での美容師の補助(備品準備など)
などがあります。
>>美容師に必要な資格では、美容師の免許・国家資格の取り方や進路で役立つ資格をご紹介。
夜間課程
夜間の美容学校は、夕方18時ごろから21時頃まで週5日〜6日学ぶのが一般的です。
昼間の美容学校と同様、最短で2年で卒業することができます。ただし、昼間の学校に比べて1日の授業時間は短いため、免許を取得できるまでに2年半〜3年程かかるケースもあります。
夜間学校に通っている人は昼間にサロンで働きながら通うのが主流となっています。逆に昼間学生は授業時間以外に他のバイトをしている人も多く、それぞれ仕事をしながら美容師の資格を目指す人は少なくありません。
通信課程
通信課程では、普段は自宅などで学習をして、日本理容美容教育センターが実施しているレポートを提出します。
一部スクーリングといい対面で授業を受ける必要があります。
通信課程では夜間や昼間の学校と比べ卒業までに1年長くかかるため、免許取得までの期間が長くなります。その分自分のペースで学ぶことができるため、普段会社員として働いている方や主婦の方、Wスクールの学生などが利用しており、これまでと同様に仕事をしながら美容師免許の取得を目指せるのが魅力です。
資格を取得できる通信課程のスクールはこちらのリンクから確認できますので参考にしてみてください。
>>美容師の通信制では、美容師免許を働きながら取得できる通信教育・美容専門学校をご紹介しています。
オススメの学習方法は通信課程

働きながら資格取得を目指すには夜間または通信課程で学ぶことが必要ですが、どちらで学ぶのがよいのでしょうか。
結論から言うと、オススメの学習方法は通信課程です。
なぜなら通信課程の方が働きながらでも学習の負担が少ないからです。

学校行かなくても、自宅で学習できるから。
通信課程であれば隙間時間に学習を進めることも可能ですし、自分のペースで取り組むことができるため、時間はかかりますが働きながら学習するのに合っています。
また、夜間課程は昼間課程に比べると学費は安いですが、通信課程と比べると学費負担も大きいため、経済的な面を考えても通信課程のほうが学びやすいといえます。
通信課程の学習方法
- 通信課程での自宅学習とレポート提出
- スクーリングで技術指導
通信課程での自宅学習とレポート提出
通信課程では日本理容美容教育センターから月に1回課題レポートが提示されます。
3年で計36回のレポートを提出し、すべて合格することが必要です。
スクールの教材を読みながらしっかりと課題に取り組み、期日までに提出ができれば問題なく合格できます。
スクーリングで技術指導
一部スクーリングという対面の授業の受講が必要となります。
スクーリングでは通信教育では学びきれない技術の部分を学習します。
必要なスクーリングの時間は従事者(美容系サロンで働いている人)非従事者(そのほかの仕事をしている人)で異なり、従事者なら300時間、非従事者なら600時間のスクーリングが必要です。
学校によっても異なりますが、通信課程では平日学校や仕事がある人のために土日にスクーリング日が設定されていることが多いため、働きながらでも安心して通うことができます。
>>美容師資格の種類では、検定や仕事に役立つおすすめ美容系資格を一覧で紹介。
通信課程の学費と支援制度


通信課程の学費は通学制と比べて安く抑えることができ、経済的に美容学校の進学を諦めてしまった人にもオススメできます。
それに加え、学校独自の支援制度を活用することもできます。



学校独自の支援制度としては、学費の分割払い、学費の一部または全額の免除制度などがあります。
学費の相場は55万円〜80万円程度
美容学校の通信課程の学費は、学校にもよりますが3年間合計で55万円〜80万円程度です。
昼間の学校であれば年間で100万円以上かかりますし、夜間でも2年で150万円程度かかります。これに比べると通信課程は費用を安く抑えることができます。
奨学金やローンの活用法
通信制であっても、一定の基準を満たせば国の教育ローンを活用することもできます。
また、学校独自で奨学金の制度を設けている場合もあるため、金銭的な面が不安な場合はこのような制度を活用することで卒業まで学ぶことができます。
教育ローンや貸与型の奨学金は返済の必要があるため、卒業後の返済について計画的に考えておくことが必要です。
ヘアサロンで働きながら資格取得を目指す方法!


「美容師見習い」として、美容師免許・資格なしでサロンに働くことも可能です。



実践的な接客対応を学ぶことができます。
その場合、お客様への施術以外の業務を担当することになります。
お客様への施術は美容師免許がないとできない美容行為となるからです。
できること | できないこと |
受付(レセプション) 席へのご案内 電話応対 予約管理 在庫管理 ドリンクの提供 店内の清掃 | カウンセリング シャンプー カット カラー パーマ スタイリング マッサージ |
実績を積むことで、資格取得後にそのままアシスタントに採用されるケースもあるでしょう。
>>美容師免許なしできることや、>>美容室のレセプションきつい?で、美容師免許がないとできないことや、資格がない場合の働き方について詳しくご紹介しています。
仕事をしながら美容師免許をとることに関するFAQ


ここからは、働きながら美容師免許を通信課程で取りたい場合によく挙がる疑問についてお答えします。
- 通信と通学の違いは?
- 最短で卒業できる期間は?
- 中卒でも美容師になれる?
- スクーリングなしの通信課程はある?
- 50代からでもチャレンジできる?
- 通信の方が通学に比べて難しい?
Q. 通信と通学の違いは?
A. 学習の仕方が大きな違いです。
通学制では筆記試験対策の座学を含めすべて対面で行いますが、通信制では座学の課程は基本的に自宅学習でレポートを提出することで評価されます。
Q. 最短で卒業できる期間は?
A. 通学制では卒業までの期間が最短2年、通信制では1年長い最短3年が必要です。
Q. 中卒でも美容師になれる?
A. 美容師に学歴は関係なく、中卒でも美容師を目指すことは可能です。
ただ、多くの美容学校や専門学校では、受験資格に「高卒以上」を条件としています。
中学卒業を対象としている美容学校については、>>美容師の高校で詳しくご紹介しています。
最短ルートの18歳で美容師免許を取得できる方法なのでぜひ参考にご覧ください。
Q. スクーリングなしの通信課程はある?
A. スクーリングなしに美容師免許を取得することはできません。
学校によって回数は、数回程度〜数十回と様々ですが、国の規定によりスクーリングによる対面授業は必須です。
Q. 50代からでもチャレンジできる?
A. 美容師の資格に年齢制限はありませんので可能です。
ただし、資格取得後に未経験者としてサロンに採用される際に、店舗によって年齢制限が設定されているケースも少なくはないと言えるでしょう。
Q. 通信の方が通学に比べて難しい?
A. 自己管理の上で学ぶ点では難しいと言えるでしょう。
美容師免許の通信課程では、通学制と比べて学校で学ぶ時間が少ないからです。
技術や知識を習得するためには、自主的な勉強が必要となります。
仕事との両立は簡単なこととはいえないでしょう。そのため、通信課程の修了者は美容師国家試験の合格率が低い傾向にあります。
まとめ
通信制の学校を活用することで、働きながらでも美容師免許を取得できます。
通信制とひとくくりに言っても、学費やスクーリングの場所など、学校によって特徴は様々です。
また、独自の支援制度や特別な講義を設けている学校もあるため、それらも比較して自分に合う学校を選びましょう。



学校によっては入学前に説明会を行っているため、実際に話を聞きに行くのもオススメです。