【男性美容師の行く末】美容師が歳をとったら?45歳から65歳現役美容師の年収
「男性美容師は20代がピークで、40歳以降は仕事が減る」…そんな噂を聞いて何歳まで働けるか、老後が不安になる方も多いのではないでしょうか。
データだけをみれば、20代の男性美容師の数が一番多く、それ以降は割合が減っていく傾向にあります。
しかし、現代の少子高齢化という時代の中で、40代以降のスタイリストが求められる場は増えていますし、歳を重ねても活躍できる職業です。
本記事では「男性美容師の行く末」をテーマに、40代以降、特に45歳から65歳の現役美容師の年収や働き方、将来に備えるための対策などを徹底解説します。
美容師としてのキャリアを長く続けたいと考えている方はぜひ参考にしてください!
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
「美容師が歳をとったら?」美容師は何歳まででも働くことができる
「美容師は何歳まで働けますか」という質問はよくありますが、美容師は国家資格で手に職を付けられる職業であり、歳を重ねても働ける職業です。
ですが、理・美容師の全体のうち、39歳以下が8割近くを占め、40歳以上は2割未満であるということが国の調査で分かっています。
実際に現役で活躍している50歳代、60歳代の美容師も少なくありませんが、割合としては非常に少ないという結果になっていて、この結果をどこかで聞いて不安に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はこの結果は実は本当の美容師の年代を反映できていないのです。
この調査は月に18日以上の勤務している従業員で、「10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所」を集計したもので、つまり10人以下のお店や個人経営店は結果の対象に入っていません。
40歳以上の美容師の多くは独立
別の調査では、美容室の店舗の形態は「個人経営」が68%を占めており、経営者は40歳以降が94%を占めているという調査結果があります。
参考:厚生労働省「生活衛生関係営業経営実態について > 美容業 結果の概要」
つまり、労働者=雇われている状態ではなく、40歳以上になるとほとんどの人がそれまでの経験やスキルを活かして独立をしています。
美容師は技術職なので経験やスキルが重視されますが、長年培った豊富な経験や技術は、お客さまの信頼を得る重要な要素であり、信頼されている美容師は独立時にお客さまが付いてきてくれることもあります。
若いスタッフにはない信頼・安心感を強みに活躍!
年齢を重ねることで、若い美容師にはない落ち着きや包容力でお客さまに安心していただけることもあり、年齢が武器になるケースも多々あります。
独立をするとサロン勤務よりも時間の融通が効く場合が多く、体力がなくなってきた40代以降の美容師本人としても、サロン勤務より良い選択肢です。
そのため、初対面のお客さまに対しても安心感を与えることができ、「ベテランに任せたい」というニーズに応えることができます。
また、年配のお客さまや同世代の顧客にとっては、同じ年代の美容師のほうが話しやすく、信頼関係を築きやすいというメリットもあります。
一方で、年を重ねると移り変わりの激しいトレンドには疎くなりやすく、よりオシャレに敏感なお客さまに対してニーズを満たせなくなるデメリットもあります。
40歳以上の転職が厳しいケース
40歳以上の美容師の転職は難しい場合もありますが、不可能ではありません。
難しいケースは、求人と求職者のミスマッチによって起きており、自分が求められていないところばかりに目を向けているからです。
40歳以上の転職が厳しい職場環境
- ターゲット層の合わないサロン
- サロンスタッフの平均年齢が低い
- 肉体的負荷が多い労働環境
自分の年齢を考えずに転職の際、
「若いトレンドの美容室で働きたい」
「若い人のヘアカットを担当したい」
と言うのは厳しいことを言うようですが、結婚相談所で40~50代の男性が20代の女性と結婚したい!と言っているのと同じようなものです。
今すぐ転職を考えていなくても、転職が難しいケースを理解して、今後のキャリアの参考にしてくださいね。
ターゲット層の合わないサロン
サロンのターゲット層が若者中心の場合、40代以上の美容師が入ることでミスマッチが起こることがあります。
例えば、トレンドに敏感な10代や20代のお客さまが多いサロンでは、話が合う同世代のスタイリストが好まれる傾向にあるからです。
この場合ターゲット層に合わせたスキルやトーク力を磨く必要がありますが、できれば自分の年齢とお客さまの年齢層が近いサロンを選ぶ方がストレスが少なく、お互いにとって良いのです。
サロンスタッフの平均年齢が低い
平均年齢が若いサロンでは、体育会系のような雰囲気があるサロンが多く、チームワークや雰囲気が重要視されます。
40代以上の美容師が入ることで、他のスタッフとのコミュニケーションや働き方にギャップが生じる…と判断され、採用されない可能性があるため、スタッフ一覧の年齢層は必ずチェックしましょう。
そのため、幅広い年齢層のお客さまが来られているオープンな環境のサロンや、ターゲットとなるお客さまの年齢層が自分と近いサロンを選ぶことが大切です。
肉体的負荷が多い労働環境
特に40代以降になると、腰痛や肩こりなどの健康問題が顕著になり、長時間の勤務が難しくなることがあるため、転職先の労働環境や労働時間についても慎重に検討しましょう。
美容師の仕事は立ち仕事が中心で、肉体的な負荷がとても大きいですよね。
具体的には、カット椅子の使用が認められていない美容室は避けた方が無難です。
もちろん、椅子に座れないことで腰を痛めてしまうということも一つの理由ですが、カット椅子に座らないことを美学とするような、…悪しき慣習が残っている美容室は精神論を重視する傾向にあり、肉体的・精神的な負担が非常に大きいからです。
これはネット上だけでの情報では判断が難しいですが、サロン見学に行って見学することが非常に大切です。
男性美容師の行く末とは|参考事例
男性美容師の成功例としてよく語られるのが、カリスマ美容師や、フリーランス美容師ですよね。
しかし、成功事例はあれど、カリスマ美容師やフリーランス美容師のキャリアの積み方については目にすることはあまりありません。
そこで、カリスマ美容師とフリーランス美容師のキャリアについてご紹介します。
カリスマ美容師の末路:宮村浩気さん
カリスマ美容師の代表とも言える宮村浩気さんは、最初からスタイリストとヘアメイクを両立されていました。
メイクスクールに通うなどして人脈を広げ、人の目に留まりやすい女性誌のヘアメイクを戦略的に担当することで芸能人の顧客が増えるだけでなく、一般の方からの知名度も上がり、カリスマ美容師として名を馳せました。
宮村さんご自身も、40代の男性美容師が直面する壁について語られていますが、30代で技術を磨き、顧客をつくっておく必要があると語られています。
参考:美容業界の先駆者に聞く「美容師として生きる」〜その3 『AFLOAT CEO 宮村浩気編』〜
フリー ランス美容師の末路:シェアサロンで働く美容師
最近では、フリーランスの美容師も増えてきており、そういった方々が働くシェアサロンも増えています。
そのため、すでに顧客がいたり、SNS での集客がないと厳しい面があるのは否めませんが、お客様一人一人とじっくり向き合えるというメリットがあります。
また、間借りしているだけで厳密には組織に所属していないので、集客ができていれば客単価は上がる傾向にあり、非常に高い収入を得る人もいます。
一方で、自分が働かないと収入はゼロになるので、サロン勤務の場合より、病気や怪我などで働けないリスクは大きいというデメリットは把握して、保険などで備えることが必要です。
>>美容国保メリット・デメリット|美容師の社会保険で詳しく解説。
一時期は、ある程度の年齢になれば独立して経営に回るのが正解だと思われていた時期もありましたが、特にコロナ禍を経て、美容師の働き方も大きく変化しています。
独立だけではなく、フリーランスやヘアメイクへの転身など多岐にわたり、自分の強みやライフスタイルに合ったキャリアを選択することで、長く美容師として活躍できます。
美容師のキャリアについては、>>美容師の将来性はない?を参考にしてください。
将来に備えて美容師がやるべきこと4つ
美容師として長く働くためには、単純にサロンワークをこなすだけではなく、将来のキャリア形成に備えた準備を行う必要があります。
将来に備えて美容師がやるべきこと4つ
- 技術の向上と専門性を追求し、客単価を上げる
- 資産形成をして経済的安定を目指す
- サロン経営で独立を目指す
- 教育の道へ進む準備をする
技術の向上と専門性を追求し、客単価を上げる
美容師の仕事は技術職であり、お客さまのニーズに応えるためには常に最新の技術を学び続ける必要があります。
NOBU(NNN)さん、宮村浩気(AFLOAT)さんのように、実際に成功を収めてきたカリスマ美容師たちは皆口をそろえて、「技術を学び続ける姿勢が大事である」と言われているのも大きな理由の一つです。
美容師業界のトップに君臨するカリスマ美容師たちの成功の秘訣は、
>>【美容師】有名人ランキングを参考にしてください。
美容師の仕事には様々な技術を習得する必要がありますが、特に年齢を重ねるにつれて、自分の得意分野を見つけ、それに特化し専門性を高めることで、美容師としての価値を上げられるからです。
例えば、育毛に特化したヘアケアや、ハイライトで白髪をなじませる手法など、年齢層が高い顧客のニーズに特化した技術を持ち、それを自分の強みとして打ち出すことで、他の美容師との差別化が図れます。
若い時のようにとにかく数をこなすことができなくなる中年以降の美容師にとっては、客単価を上げることは非常に大切です。
資産形成をして経済的安定を目指す
美容師は残念ながら、一般的な同世代の会社員と比べて年収が低くなっていますし、歩合制やフリーランスの場合、収入が不安定になりがちです。
将来の不安を解消するためには、貯金だけではなく、投資などを含めた資産形成をすることがこの時代は必須。
ネットで投資を調べると、詐欺まがいの投資商品の紹介が数多く出てきますが、比較的安全に投資ができるのが、新NISA制度を活用した、投資信託の長期の積み立て投資です。
新NISAで正しく積み立てをすると、長期(15年以上)で見ると貯金よりも効率よく資産形成できる可能性が高いと言われています。
収入が足りず、投資や貯蓄ができない場合は転職や副業を真剣に考えてください。
美容師の副業は、その国家資格を活かしたWEBライターなど、在宅でできる仕事もたくさんあります。
美容師の副業については、>>美容師副業ランキングを参考にしてくださいね。
サロン経営で独立を目指す
現場でのスタイリスト業務を続けることに限界を感じたとき、サロン経営の道に進むことで、新たなキャリアを築くことができます。
独立して美容室経営をすることは、王道の独立ルートですが、従業員を雇ってサロンワークに携わることなく、経営のみに特化するという方法もあり、その場合現場での肉体的な負担を減らせるように。
サロンワークが上手でも、経営者としての知識がないため、経営難に陥り閉業というサロンは数えきれない程あります。
美容師は本来技術職なので、普通の会社員と比べてビジネス知識が乏しいことが多いからです。
将来的に美容室の経営を考えている場合はビジネススクールに通い、ビジネスの基礎知識や経営に関する知識を身に着けましょう。
ビジネススクールには色々ありますが、美容室の経営に特化したスクール(美容サービス業界のためのビジネスキャリアプログラムなど)がおすすめです。
また、ビジネススクールに通う前に、簿記三級を取るのもいいでしょう。ビジネスの基礎知識をこの試験勉強を通して学ぶことができます。
教育の道へ進む準備をする
美容学校の講師として教育の道に進み、次世代の美容師を育てることで自分の経験を活かすことができます。
専任教諭だと1つの学校に所属し、基本的に正規雇用となりますが、組織に所属するため生徒への教育以外の雑務もを担当することがあります。
一方で非常勤講師は期限付きの契約で、基本的には授業のみを担当し、複数の学校を担当する方が多く、学生への教育に力を入れることができますが、基本的にはフリーランスとしての活動となり、収入は正規雇用と比べ不安定になります。
どちらも、美容学校のホームページに求人が出ていることが多いので、どちらの勤務形態が自分の希望に合うのかを考えて求人情報を探してみてください。
【45歳〜65歳】現役美容師の年収相場
画像:スタディサプリ進路「理容師・美容師の年収推移(年齢別)」
45歳から65歳の現役美容師の年収は、働き方や経験によって異なりますが、一般的には300万〜500万円程度とされています。
サロンの規模や地域で大きく異なりますが、独立している場合や高級サロンで働いている場合には、一般の年収よりも高くなる傾向があります。
サロンオーナーとして成功している美容師の年収は1000万円を超えることもありますが、一般的なサロンで働くスタイリストの場合、45歳以上でも年収300万〜500万円程度が平均的で、同世代の会社員には及ばないのが現状です。
美容師の年収については、>>【美容師年収】店長・美容師の給料で、役職・ランク別の平均年収をご覧ください。
サロン勤めをしている美容師と同じ人数を担当していたとしても、経費を差し引いても自分に入ってくるキャッシュが大きくなるためです。
もちろん、先にご説明したフリーランスのデメリットはありますが、美容室を開業するよりも比較的はじめやすいので、今の収入に不満を感じている場合は検討してみてくださいね。
>>美容師の給料上げるにはでは、美容師の年収1000万円を目指す収入アップ術を解説。
美容師が年齢を重ねてからの働き方
年齢を重ねた美容師には、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
「自分に合う」とは難しいですが、年齢を重ねてくると自分の体調を第一に考えた働き方が望ましいです。
美容師が年齢を重ねてからの働き方
- パートタイムや週末のみの勤務
- スタイリストから経営者への転身
- 技術を活かした講師やアドバイザー
パートタイムや週末のみの勤務
体力に自信がない場合や、プライベートとのバランスを重視したい場合には、パートタイムや週末のみの勤務にすることも選択肢の一つです。
若い時のようにとにかく数をこなすサロンワークでは体力が難しくても、パートタイムなどではある程度自分の希望の時間で働けるため、無理なく仕事を続けることができるのがおススメする理由。
個人サロンでは、実際に65歳を超えた、一般的には定年以上の年齢の方でも、完全予約制で1日の施術人数を数名に絞ってサロンワークを行っている方もいらっしゃいます。
また、実際に求人を検索すると、パートタイムで60歳以上の求人を出しているサロンも数多くあるので、45歳以上で美容師を諦めるのはもったいないです!
スタイリストから経営者への転身
スタイリストとしての現場作業が厳しくなった場合、サロン経営に専念することで、新たなキャリアを築くことができます。
上記でご紹介した宮村浩気さんは、自身のサロンを持ち、スタッフの教育やサロンの運営に注力して、限られた顧客のみの施術を行われており、その他にも商品開発などのお仕事もされています。
完全に経営に回る美容師だけでなく、宮村さんのように少数の顧客を担当しながら経営される美容師も数多くいるので、サロンワークを年をとっても続けたいかどうかは将来のプランとして考えておくことが大切です。
技術を活かした講師やアドバイザー
長年の経験と技術を活かし、美容学校の講師や業界のアドバイザーとして働くことで、自分の知識を次世代に伝えることができます。
美容学校の勤務形態は正規雇用の専任教諭と、非常勤講師に分かれることを上記でお伝えしましたが、年齢を重ねてからは非常勤講師が良いです。
専任教諭は年齢制限が設けられている場合が多いですが、非常勤講師は募集している年齢の幅が広い傾向が見られるためです。
もちろん、それまでに講師の経験がある方が採用の可能性は高いので、将来的に美容学校の非常勤講師を考えている場合は、ある程度期間が絞られた非常勤講師での採用を目指しましょう。
美容学校の講師は、あまりに年齢が若くても権威性が足りないと思われがちなので、年齢と経験を重ねてきた美容師にとっては良い転職先です。
フリーランスとして自分のペースで働く
フリーランスとして働くことで、働く時間や場所を自由に選べるため、年齢に応じた働き方が可能です。
フリーランスと言えど、お客さまの予定で働く日が決まるので、完全自由ではありませんが、顧客との信頼関係があれば、比較的自由にお休みが取りやすいです。
また、訪問介護の一環としての訪問美容をフリーランスで行っている美容師も少子高齢化に伴い増えており、需要もあるのでおすすめです。
訪問美容を個人で開業する方法に興味をお持ちの方は、>>家に来てくれる美容師を参考にしてください。
まとめ
45歳から65歳の現役美容師の年収相場は300万〜500万円。
40代以降でも顧客のニーズを満たすことができれば、現役として仕事を続けていくことは可能です。
とは言え、給料の相場が比較的低い職業につき、将来的にどうしても転職に迫られる場合も十分にあります。
将来の転職に備えて、新たなスキルを習得することへの投資も検討してください。
さらに将来に備えて自分への投資を始めることをオススメします。
「技術の向上」「資産形成で経済的安定」「サロン経営や教育の道へ進む準備をする」ことです。
今のうちに将来設計をして、本当に美容師として働き続ける意欲や覚悟があるのか、それとも収入を上げることを最優先にして、投資や転職などの行動が必要か、深く考えてみることが重要です。
年収の問題は、自分の人生をどう生きたいのかに関連する問題だからです。
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