美容師の手荒れ対策・予防と原因|サロン美容師の職業病かゆみケア改善治療法
「美容師アシスタントで手荒れがひどい…」
「痛いし、かゆいし、しんどいし、治し方がわからない…」
「手荒れが悪化して美容師の仕事にドクターストップがかかった…」
このような悩みを持つ美容師の方へ向けて、「美容師の手荒れ対策」について、手荒れを治すための下記内容に触れていきます。
- 美容師の手荒れ「原因と対策」
- 美容師によくある手荒れ症状
- 症状別・市販薬の選び方
美容師の手荒れの原因は、お湯や水、薬剤の使用頻度によるものです。
手荒れの治し方で効果が期待できる方法は、グローブでガードすることと保湿の徹底が効果的と言えます。
新米美容師として働きはじめた方、現在美容師として働いている方の中でも常に悩みの種となる手荒れ問題。
仕事や日常にも差し支えるほど荒れてしまい、休職や転職を余儀なくされるほど悪化するケースも少なくありません。
せっかく好きな仕事を一生懸命しているのに、手荒れのせいで集中できないなんてつらいですよね。
そこで今回は、手荒れでお悩みの美容師さんへ向けて、手荒れの原因と対策、症状別・市販薬の選び方などをご紹介させていただきます。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師の職業病「職業性接触皮膚炎」
美容師の手の荒れに悩む方はとても多く、63%もの美容師が何らかの皮膚疾患に悩んだ事があると言われています。
就業してから1年未満で手荒れを発症してしまうことが多く、アシスタントの頃などは特に1日シャンプーなどという場合も珍しくはなく、ドライヤーの熱や熱湯に触れる機会が多いことによって手や指先の皮膚膜が剥がれ、手荒れが悪化しやすくなる仕事といえます。
逆にスタイリストになるとシャンプーをアシスタントにおまかせできる場面も増えるため、手荒れが軽減するケースもあります。
理容師も美容師と同じようにカットやシャンプーをするのですが、理容師よりも美容師の方が手荒れに悩む方が多いのはカラーやパーマなどの施術の頻度が理容室よりも多いのが原因ではないかと言われています。
このように、>>美容師が辞める理由ランキング5選でも上位に入るほど、手荒れは美容師にとって深刻な問題なのです。
職業性接触皮膚炎の治療法
職業性接触皮膚炎の治療法としては、
- 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の外用を主体とした対症療法
- 保湿剤外用などのスキンケア
が挙げられます。
ただ、最も大事なのは、原因アレルゲンを見出し回避する対策をおこなうことです。
美容師が手荒れになる原因
美容師の手荒れはなぜ起きてしまうのか。
美容師が手荒れになってしまう原因はいくつかあります。
美容師が手荒れになる原因
- シャンプー
- カラー
- パーマ
- 頻繁な手洗い
- お湯、水の使用
- ドライヤー
- 消毒
このような作業のくり返しで、皮膚に必要な分の油分や水分が奪われてしまい、バリア機能が低下して皮膚トラブルへと繋がってしまいます。
カラー剤やパーマ液の薬剤によるアレルギーなども原因になっている場合もあります。
美容師がなる手荒れは「職業性皮膚炎」と呼ばれており美容師特有の職業病です。
「職業性皮膚炎」の中でも原因や症状が違うので、ここではその点を深掘りしていきます。
また、美容師の職業病について詳しくは>>美容師三大職業病・あるあるの病気でもご紹介しています。
アレルギー性皮膚炎
美容師が手荒れになってしまう原因1つ目は「アレルギー性皮膚炎」です。
アレルギー性皮膚炎は、特定のアレルギー物質に触れる事で皮膚炎を発症してしまいます。
日頃使用している薬剤や手袋の天然ゴムの成分で気づかないうちにアレルギーを発症してしまう方が多いです。
アレルギー性皮膚炎はひどい手荒れに悩む方が多い傾向にあるので、強いかゆみを伴う小さな斑点がある場合はすぐに皮膚科を受診することをオススメします。
刺激性接触皮膚炎
美容師が手荒れになってしまう原因2つ目は「刺激性接触皮膚炎」です。
刺激性皮膚炎の中では2つのタイプに分類されているのが特徴です。
・急性型
強酸性、強アルカリ性の強い刺激の物質に触れてしまうと数時間で皮膚が炎症を起こしてしまい火傷でただれたような症状がでます。
パーマの薬剤やブリーチ剤、過酸化水素などで荒れることが多いです。
・慢性型
界面活性剤など刺激があるけれども弱い物質が継続的に触れていると炎症を起こしてしまう皮膚炎で、美容師の手荒れではこのタイプが多いとされています。
主にシャンプーなどの積み重ねが原因となっています。
汗疱・異汗症・異汗性湿疹
汗疱(かんぽう)も手荒れの一種です。
水ぶくれが次第に膨らんで破れ、炎症が起こった状態(汗疱状湿疹)になると、かゆみ・痛みを生じます。 このような疾患を異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と言います。
手に小さな水疱・水ぶくれができ、痒みやカサカサ・ジクジクが生じることが特徴。
また、水疱はない状態でも、赤みやブツブツだけが出てくる場合も。
特に20~40代に多く見られる傾向があります。
症状悪化の要因としては、自律神経のバランス、ストレス、消化器の病気、季節の変化などが挙げられます。
また水疱を針でついたりすることで炎症を悪化させてしまうため、水疱は破らないようにして、医療機関で受診しましょう。
美容師の手荒れ対策5つ
ここでは、美容師の方にオススメする手荒れ対策を5つご紹介します。
美容師の手荒れ対策5つ
- 専用グローブ
- 薬(ハンドクリーム)
- 手袋
- 水をしっかり拭き取る
- 温度を低くする
対策1.「専用グローブ」
美容師の手荒れ対策1つ目は「専用グローブの装着」です。
カラー剤、パーマ液、縮毛矯正など刺激のある薬剤に触れる際は必ず専用のグローブをしましょう。
物理的に薬剤が直接肌につかないように守ることで手荒れの原因をなくすことができます。
忙しくなってしまうと時間がなく、つい素手で触ってしまいたくもなるのですが、そこをグッとこらえて、グローブをする習慣をつけるようにしましょう。
ただしこのグローブのゴム自体がラッテクスアレルギーなどで体質に合っていない場合もあるのでそのような場合はゴムアレルギー対応のグローブが販売されているのでそちらを選ぶようにするのがオススメです。
対策2.「薬(ハンドクリーム)」
美容師の手荒れ対策2つ目は「ハンドクリームの活用」です。
仕事中に手を洗ったりシャンプーなど水を使うので、油分や水分が流れてしまうことが多いですがそのたびにこまめにハンドクリームやプロテクトクリームで保湿をしてあげてください。
そのままでいるとどんどん水分が蒸発してしまい、ドライヤーなどでさらに乾燥してしまい、肌には大ダメージになってしまいます。
手のひらや甲だけではなく、意外と薬剤が飛んでくる肘までしっかりと塗り込むことで予防もでき効果的です。
あまり高保湿だとベタついて施術にも支障をきたしてしまうので営業中は肌なじみのよいものなどで後からしっかり保湿できるものなどを使用するなど上手に使い分けてみてください。
シャンプー台などにハンドクリームを設置しておいて保湿を心がけてみてください。
>>美容師ハンドクリームおすすめ紹介では、美容師の手荒れに効果的なハンドケア商品をラインナップ。
プレゼントにも最適なおしゃれで高級感のあるハンドクリームや、最強と言われる業務用ハンドクリーム、薬局で手軽に買えるタイプのものまで一覧でご紹介しています。
対策3.「手袋」
美容師の手荒れ対策3つ目は「手袋の装着」です。
手に直接触れないように防御することは、手荒れしない方法として非常に効果的だからです。
仕事のときだけではなく、日常でもケアが必要になってきます。
特に寒い時期などには必ず保湿をしてから手袋をして外出するようにすると乾燥から手を守ってくれます。
あまりにも手荒れがひどい時などは就寝の際にも保湿して夜用の手袋をするのも効果的です。
保湿効果だけではなくかきむしってしまうのを防いでくれるので悪化防止にもなります。
お家でのケアもしっかり見直して乾燥から守ってあげましょう。
対策4.「水をしっかり拭き取る」
美容師の手荒れ対策4つ目は「水をしっかり拭き取ること」です。
洗顔後のお肌と同じで、手を洗った後やシャンプーの後に水分をしっかりと拭き取っていないとその水分が蒸発する際に、余計に皮膚の水分までもっていってしまうので念入りに拭き取るようにしてください。
ゴシゴシ強くすると摩擦でもダメージがでてしまうので、優しくするのも忘れないでください。
対策5.「温度を低くする」
美容師の手荒れ対策5つ目は「温度を低くすること」です。
薬剤やスタイリング材などが手に残っていると刺激に繋がるので35〜38度程度のぬるま湯でしっかりと落としていきます。
冷たいと汚れが落ちきらず残ってしまいますし、熱すぎると皮脂が余分に奪われて乾燥してしますのであくまでぬるま湯を意識します。
美容師によくある手荒れ症状
手荒れる原因となるシャンプーやカラー剤、パーマ液を使う美容師には、
手の甲・ひら・指・指先のかさつきから始まり、ガサガサ、皮むけ、赤み、腫れ、水ぶくれ、ひび、あかぎれ、じくじく、かゆみなどの様々な手荒れ症状がみられます。
このような症状を治す方法としては、保湿剤の塗り薬、かゆみや痛みがひどいケースでは、ステロイドの塗り薬を使用します。
4つの手荒れ症状
- 水泡ができる
- 掻き壊し・ジクジク
- 乾燥・ひび割れ
- ごわごわ・皮剥け
水泡ができる
指や掌などの側面にポツポツと小さな水泡がちょっとずつ増えていく症状。
掻き壊し・ジクジク
痒みに耐えきれず、患部を掻きすぎて水泡がつぶれ、ジクジクと痛む症状。
乾燥・ひび割れ
水泡が乾燥し、あかぎれやひび割れができる症状。
ごわごわ・皮剥け
ゴワゴワとした感触で皮が剥がれる状態。
手をバリアする皮膚表面の水分や皮脂が減少し、化学物質やアレルギー物質に接触することや摩擦などを繰り返すことによって引き起こされます。
【美容師の手荒れ】市販薬の選び方
美容師の手荒れやかゆみをケア・改善するための対処法として、市販薬を選ぶ際のポイントをご紹介します。
症状別・市販薬の選び方
- 手荒れを予防したいとき:ハンドクリームや保湿剤
- かゆみを抑えたいとき:ステロイド配合の塗り薬
- 傷ができて痛いとき:抗生物質配合の塗り薬
手荒れを予防したいとき:ハンドクリームや保湿剤
手荒れを予防したいときには、日常的に徹底した保湿がポイントです。
なぜなら、手荒れの要因は乾燥によるものだから。
サロンでもすぐに取り出せるサイズのハンドクリームを常備しておくと、施術後や手を洗った後など、すぐに手を保湿できます。
保湿成分の高いものや、好みの香りやテクスチャーなど、自分にとって使い心地のいいものを選ぶようにするとこまめなケアも苦にならないのでオススメです。
かゆみを抑えたいとき:ステロイド配合の塗り薬
かゆみが気になる場合には、かゆみ止めやステロイド配合の塗り薬を選びます。
それは、ステロイドは炎症抑制効果があり、かゆみ軽減が期待できるからです。
即効性を重視したいときには、ステロイドに加え、かゆみ止め成分を含む塗り薬がより効果的でしょう。
メントール系の成分なら、塗った瞬間からかゆみが感じにくくなります。
傷ができて痛いとき:抗生物質配合の塗り薬
傷ができていて痛みが気になるときは、抗生物質配合の軟膏をオススメします。
それは、化膿するリスクがあるためです。
痛みがある場合、皮膚の深層に傷が到達している可能性が考えられ、悪化を防ぐ必要があります。
また、絆創膏や包帯などで傷を覆うことも、痛み軽減に効果的です。
とはいえ美容師は水仕事が避けられないので、防水機能のある絆創膏や透明フィルム、グローブなどを着用するようにしましょう。
「現在、美容師です。手荒れが原因で退職を考えています」
美容師で特にアシスタントの時期などはスタイリストまではガマン!といってひどい手荒れも耐えて見過ごしてしまうこともあります。
時間もお金もないのでなかなか皮膚科にも通えずどんどん症状が悪化してしまうなんてこともあります。
あまりにもひどいと、ふとしたと瞬間に自分と他の人の手を見比べた時に
「なんでこんなにガマンしているんだろう…」
「きれいな手で羨ましいな…」
「このままでいいのかな…」
などとても悲しい気持ちになって自分がかわいそうになります。
このような原因でドクターストップになったり限界がきてしまい、「美容師を辞める」まで追い込まれてしまう方もたくさんいらっしゃいます。
仕事自体は好きなのに手荒れでやめてしまうのはとても、もったいないですよね。
せっかくの夢を諦める前に手荒れに理解のある美容室を見つけてみてはいかがでしょうか?
シャンプー中のグローブがOKやアミノ酸系シャンプーや薬剤を人体に優しいものを取り扱っていてきちんと配慮しているサロンさんはたくさんあります。
合う合わないは試してみないとわかりませんがそういった理解のあるサロンで働けたらまた美容師を続けていけるかもしれません。
普通に探したのだとなかなかみつかりづらいかもしれませんが、JOB VRを使えばそんなお悩みも相談できて、ご要望にそった美容室を探すことができます。
今回ご紹介した対策を実行しつつ素敵な美容室が見つかればきっとまた楽しくお仕事ができるようになるのではないでしょうか。
まとめ
今回は「美容師の手荒れ対策」について解説しました。
美容師の手荒れの原因は主に、お湯や水、薬剤によるもの。
手荒れの予防や治療方には、グローブでガードすることと保湿の徹底が効果的です。
一言に手荒れといっても人によっては本当につらいものです。
美容師の手荒れ・肌荒れはひどいと手首から肘や腕までと広範囲に広がってしまい、離職してもなかなか完治しないなど本当に合わない方もいらっしゃれば少しの荒れですむ方もいて個人差が大きいのでなかなか理解が難しいかもしれません。
だからこそ理解のある美容室で働くことのメリットはとても大きいのではないでしょうか。
今回の記事で少しでも手荒れが改善され美容師を諦めないで続ける方の力になれたら幸いです。