フランチャイズ美容室を一覧で比較｜独立して経営・サロンオーナーは儲かる？

１人でサロンを開業するのが不安だと感じていますか？

「美容師として独立したい」「サロンオーナーになって成功したい」と考えたとき、フランチャイズ美容室という選択肢が注目されています。

ブランド力や運営サポートを活かせる一方で、どのフランチャイズを選ぶかで未来は大きく変わります。

本記事では、人気のフランチャイズ美容室を一覧で比較し、それぞれの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説。

独立経営は本当に儲かるのか、成功するために押さえておきたいポイントもお伝えします。

美容室のフランチャイズ経営とは

美容室のフランチャイズ経営とは、いわゆる「暖簾（のれん）分け」に似たビジネス展開のことで、新規事業者が本部と契約を結ぶことでブランドのノウハウを導入し開業する制度です。

以下ようなの特徴が挙げられます。

フランチャイズ経営

• 知名度やノウハウをサポートされる仕組み
• 加盟費用を支払う必要がある

知名度やノウハウをサポートされる仕組み

美容室のフランチャイズ経営とは、既に実績やブランド力を持つ本部に加盟し、その知名度や運営ノウハウを利用できる仕組みです。

ゼロから集客方法やメニュー作りを考える必要がなく、開業初期からお客様に認知されやすいのが最大のメリット。

さらに、オペレーションやスタッフ教育、マーケティングまで本部が体系化したマニュアルを提供してくれるため、未経験者でも一定水準のサービスが提供できるようになります。

独立起業にありがちな「何をどう始めればいいか分からない」という不安を、大きく軽減してくれる仕組みです。

>>美容師の独立では、1人美容室の経営で必要な開業資金やメリット・デメリットを解説。

加盟料を支払う必要がある

フランチャイズ経営には「加盟料」や「ロイヤリティ」といったコストが発生する点に注意が必要です。

まず、加盟時には「初期費用」として一括で数十万〜数百万円を支払う必要があり、加えて売上の一定割合（5〜10％）を毎月本部に支払うことになります。

この費用には、ブランド使用料、運営サポート費、広告宣伝費などが含まれています。

つまり、サポートを受ける代わりに利益をすべて自由に使えるわけではないのがフランチャイズ経営の特徴です。

経費計算をきちんと行い、利益率を見極めたうえで加盟するかどうか判断することが重要になります。

>>美容室の大手チェーン店ランキングでは、店舗数と価格帯の安さなど、ヘアサロン業界のフランチャイズランキングを紹介しています。

フランチャイズ美容室を一覧表で比較

美容室のフランチャイズ加盟店を展開しているサロン・企業8社の一覧を以下にまとめましたので、それぞれのコストや特性について比較してみましょう。

美容室フランチャイズ加盟 比較一覧表

サロン名	初期費用目安	ロイヤリティ	特徴
Ash （アッシュ）	要問い合わせ	要問い合わせ	関東中心、知名度抜群。教育・育成支援が手厚い。
mod’s hair （モッズヘア）	加盟金：100万円 加盟保証金：200万円 設備投資：100% （契約期間：10年）	総売上の5%	高級ブランド志向。 ヘアデザイン性重視。
Beautissimo （ビューティシモ）	加盟金：80万円〜 （契約期間：5年間）	月額固定：10万円	自由度が高く個人経営に近い。郊外中心。
11cut （イレブンカット）	加盟金：100〜200万円 加盟保証金：100万円 他、設備投資・研修等	総売上の4〜６% （店舗数による）	カット特化型。低価格・スピード勝負のモデル。
SEASON （シーズン）	加盟金：100万円 加盟保証金：100万円 他、設備投資・研修等	要問い合わせ	カジュアル志向。 幅広い客層に対応。
Dears （ディアーズ）	加盟金：250万円〜 広告分担金：月額5万円 保証金・研修指導費なし	総売上の5〜10％	髪質改善専門。 高単価メニュー中心、リピート重視型。
EARTH （アース）	要問い合わせ	要問い合わせ	全国展開、規模・知名度トップクラス。 大型サロン志向。
zina （ジーナ）	加盟金：100万円〜 広告分担金：月額5万円 保証金なし	総売上の5%	全国展開、ロイヤリティが発生しないパートナーサロン制度あり。

※2025年4月時点調べ

おすすめのタイプ

• 知名度重視派：Ash、EARTH、mod’s hair
• コスト重視派：Dears、zina
• スピード・低価格特化型：11cut

>>【EARTH】店長の給料・美容師の年収は？採用者の口コミや独立後の年収も紹介

フランチャイズ経営のメリット・デメリット

メリット	デメリット
ブランド力による集客が期待できる 経営ノウハウや運営サポートが受けられる 開業資金やリスクを抑えやすい	ロイヤリティなど固定費の負担がある 独自の経営スタイルを自由に出しづらい 本部の方針変更に左右されるリスクがある

フランチャイズ美容室経営は、「ブランド力」や「経営サポート」を活用できるため、経営経験が浅い人や初めて独立する人にはとても大きなメリットになります。

リスクを抑えながら開業できるのは大きな魅力。

一方で、自由な経営がしたい人、自分のブランドを育てたい人には向かない場合があります。本部ルールへの縛りやロイヤリティ負担がストレスになるからです。

つまり、「自分が何を優先したいか」によってフランチャイズが向いているか・向いていないかが分かれるのです。

フランチャイズ経営はこんな人にオススメ！

以下の要望を叶えてくれるのがフランチャイズのいいところ。当てはまる方は、デメリットを加味した上で検討してみるといいでしょう。

FC加盟が向いている人

• 独立して自分のサロンを持ちたい
• 集客や求人サポートを受けたい
• 経営ノウハウを身につけたい
• 仕入れルートを確保したい
• 立ち上げを手伝ってほしい
• 会社登記や資金調達などを教えてほしい
• 安定した収益基盤を構築したい

訪問美容の仕事内容やメリット・デメリットについて詳しくは、>>福祉美容師・介護美容資格とはで解説しています。

美容室開業の成功率

美容室はコンビニの数を超えるほどの競争激化が続いている市場。

競合が多いことからも、開業後1年で3割近くが廃業に追い込まれている現実があります。

こうした観点からもで、経営ノウハウやサロンの知名度を利用できる「フランチャイズ加盟」に注目が集まっているというわけです。

サロン生存率の推移

※独自調査による

上記は「美容室開業後の生存率推移」のグラフです。

開業後は、1年以内で70％、3年以内で30％、5年以内で20％、10年以内では10％まで下がるというイメージです。

【参考】
：厚生労働省「美容業 結果の概要」
：厚生労働省「美容業の実態と経営改善の方策」
：厚生労働省「美容業の振興指針」

【FC加盟】失敗しないための選び方

フランチャイズへの加盟において、失敗しないためのポイントはコストとブランド力、コンセプトに着目することです。

下記は具体的な内容を示した「失敗しないためのチェックリスト」です。

フランチャイズ加盟で失敗しないチェックリスト

チェック項目	確認ポイント
ブランド力	✅集客力・知名度は十分あるか ✅エリア内競合と比較したか
本部支援内容	✅集客サポート、教育体制、経営支援などがしっかり整っているか
ロイヤリティ・固定費	✅ロイヤリティ率や固定費の総額を具体的に把握できているか
初期費用・開業資金	✅初期投資額と資金回収シミュレーションを事前に行ったか
収益モデルの透明性	✅実際に利益が残るモデルか ✅黒字店舗のデータ開示はあったか
立地選び・物件調査	✅物件の集客力・家賃負担を現実的に検証したか
オーナー間の口コミ・評判	✅既存加盟オーナーから本音の口コミや満足度をリサーチしたか
契約条件の精査	✅中途解約、違約金、契約更新条件などリスクをすべて確認したか
自分自身の経営スキル・覚悟の確認	✅経営・マネジメントへの本気度、リスク許容度を冷静に自己分析したか
将来の展開（複数店舗展開の可能性）	✅1店舗目が成功した後の成長ビジョンを考えられるか？

ブランド力と本部支援を見極める

フランチャイズ選びでまず重視すべきは、ブランドの「知名度・集客力」と「本部の支援体制」です。

有名ブランドでも、本部のサポートが弱ければ集客や運営が難しくなります。

逆に、知名度がそれほど高くなくても、徹底したサポートがあるフランチャイズは成功率が高まります。

資料請求だけでなく、必ず現場のオーナーに直接ヒアリングして、本音の支援状況を確かめましょう。

ロイヤリティ・収益モデルの透明性を確認する

「ロイヤリティ率」や「固定費」は事業成功に直結します。

月々どれだけ支払う必要があるのか、売上に対する利益率はどれくらいか、具体的な収支モデルを開示してもらいましょう。

黒字オーナーの実例や平均収益なども提示を求め、机上の空論ではないリアルな数字を掴むことが大切。

自分自身の覚悟と将来ビジョンを持つ

フランチャイズ加盟は「ラクして儲かる」わけではありません。

経営にはリーダーシップ、資金管理、スタッフマネジメントなど様々なスキルが求められます。

「絶対に成功させる」という覚悟と、自分自身の成長意欲がなければ続きません。

さらに、1店舗目の成功後、複数店舗展開など将来的なビジョンまで描けるかも重要なポイント。

FCサロンオーナーは儲かるのか

フランチャイズに加盟しているサロンオーナーは本当に儲かるのでしょうか？

結論からいうと、フランチャイズに加盟した美容室オーナーは「儲かる人」と「儲からない人」がはっきり分かれるのが実情です。

儲かるかどうかは「立地・集客力・オペレーション力・本部の支援体制」に大きく左右されるからです。成功すると、年収1,000万円以上も目指せますが、思うように集客できなければ赤字になるリスクも。

ロイヤリティが高すぎると利益が削られるため、契約前に「総額いくら支払うのか」必ず確認することが重要です。

• フランチャイズはブランド力や運営ノウハウを使える反面、ロイヤリティなど固定費負担が重い。
• 利益が出るかは「物件選び」「スタッフ確保」「集客力」にかかっている。
• 初期投資と本部支援内容をよく見極めたうえで参入する。

>>美容師オーナーの年収｜美容室経営者の独立後の収入！サロン経営・個人で開業

FC加盟店サロンオーナーの年収相場

下記は、フランチャイズ加盟しているのサロンオーナーの年収相場です。

300万円未満から1,000万円以上と幅が広がっています。FC店舗経営者の年収は、売上利益に対して10〜30%程度が一般的です。

年収	売上に対する割合	経営状況
1,000万円以上	10～20％	多店舗展開で成功した場合
500～999万円	30％	黒字経営だが余裕はそこそこ
300～499万円	30％	生活できるが投資回収は時間が必要
300万円未満	20％	赤字・苦戦層で撤退もありえる

ロイヤリティの相場

フランチャイズ契約では、毎月売上の一部を「ロイヤリティ」として支払う必要があります。

一般的な相場は以下のとおりです。

項目	相場・内容
ロイヤリティの割合	売上の3％～10％程度
固定ロイヤリティ	月5万～20万円
その他の本部支援費用	広告分担金、システム利用料など

初期費用とは別に毎月固定でかかる費用（ロイヤリティ）がかかるのが特徴です。

FCによっては、「パートナーサロン制度」などといったロイヤリティがないFC契約も別途用意されていることもありますので、よく比較しながらどちらが自分の事業にマッチしているか判断して決めるといいでしょう。

FC加盟店募集の探し方

美容室のフランチャイズ加盟店を探す方法は、主に以下のような方法があります。

美容室フランチャイズ加盟店の探し方

• フランチャイズ専門サイトを見る
• 大手美容室の公式サイトをチェックする
• フランチャイズ展示会・説明会に参加する
• フランチャイズコンサルタントに相談する
• 口コミ・評判を必ずリサーチする

フランチャイズ専門サイトを見る

専門サイトに多くの美容室FC案件が載っています。

資金、エリア、ブランド力などの条件で絞り込みも可能です。

FC加盟店募集サイト

• フランチャイズ比較ネット
• フランチャイズ加盟募集.net
• フランチャイズビズ
• フランチャイズWEBリポート

大手美容室の公式サイトをチェックする

有名な美容室チェーンは公式サイトでオーナー募集情報を出しています。

ブランド力やサポート体制を重視するなら公式サイトから確認してみるのがおすすめです。

大手美容室チェーンの例

• EARTH
• アッシュ
• Agu.

詳しくは、>>美容室の大手チェーン店ランキングでチェックいただけます。

フランチャイズ展示会・説明会に参加する

説明会などでは直接担当者に話を聞けるので、リアルな情報や契約条件、サポート内容を具体的に把握できるのがメリットです。

時期によって無料で参加できるものも多数ありますのでリサーチしておくといいでしょう。

フランチャイズコンサルタントに相談する

開業資金・地域・規模などといった希望に合わせて案件を紹介してくれます。

第三者の視点で比較できるので失敗リスクを減らせるのが魅力。

事業計画をしっかりと準備しておきましょう。

口コミ・評判を必ずリサーチする

加盟後の「サポートの手厚さ」「ロイヤリティの満足度」「経営の自由度」など、実際にオーナーになった人の口コミを参考にしましょう。

口コミは全てを鵜呑みにするよりも、冷静に総合的な判断をすることが重要です。

まとめ

フランチャイズの美容院経営は、独立を目指す美容師にとって強い味方になりますが、選び方と経営努力次第で収益は大きく変動します。

今回紹介した各フランチャイズの特徴を比較し、自分のスタイルに合ったものを選ぶことが成功のカギ。

また、サポート体制に頼り切るのではなく、オーナー自身の経営視点も必須です。

「ブランド力＋自分の力」でこそ本当に儲かるサロンが作れます。

独立に迷っている方も、まずは情報収集から始めましょう。