美容室経営は厳しい|倒産で失敗・店舗経営が儲からないオーナーの売上や悩み
美容師として働いていれば、自分の腕一本で成功させたい!と独立開業を目標にしている方も多いですよね。
ただ期待とは裏腹に、美容室経営は儲からない?そんなに厳しいの?といった疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。
美容室の経営で失敗しないためには、今回ご紹介する「倒産する美容室の特徴」をよく理解しておきましょう。
美容室開業で経営難となる理由を知っておくことでリスク回避ができるようになるからです。
美容業界では、年々と美容院の数が増え、競争の激化によりサービスの質が良くなり、値段も安くなるというスパイラル。
行きつけの美容室が閉店してしまった、と嘆くお客様をこれ以上作りたくはありませんよね。
サロン経営者が知っておくべき「美容師の独立で失敗しないためには」について、以下の内容をまとめたのでぜひご一読ください。
- 美容室経営が大変でやばい理由
- 倒産する美容室の特徴
- 美容室が潰れる前兆
- 失敗しないためには
- 美容院が儲かる仕組み
- 美容室オーナーの年収・売上
>>美容師独立の年収では、夫婦・個人・フリーランスでの開業は儲かるのか?について解説していますので併せてご覧ください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容室経営が大変でやばい理由
美容室経営が大変でやばい理由は、いくつかの要因から言えることです。
以下は、サロン経営において困難とされる一般的な課題です。
理由
- 激しい競争
- 人材確保と維持の難しさ
- 高い運営コスト
- 季節や経済の影響
激しい競争
美容業界は競争が激しく、顧客の獲得や維持が難しい状況です。
同じ地域には多くの美容室が存在し、顧客を独占することは難しいため、集客や顧客サービスに対する工夫や努力が不可欠です。
人材確保と維持の難しさ
サロン経営において、優秀な美容師やスタッフの確保と維持も大きな課題といえます。
競争が激しいため、他の美容室からの引き抜きやスタッフの定着率の低さが問題となります。
対策としては、教育システムの完備、待遇の改善や見直しなどがポイントとなってきます。
>>美容室の教育システム|美容室経営において最も重要なのは人材育成である理由
高い運営コスト
美容室の運営には高いコストがかかります。
施設の賃料や設備の維持費、スタッフの給与、広告宣伝費などがかさみ、利益を確保するためには多くの売上が必要となるためです。
集客に力を入れるにはコストをかけるだけでは不十分です。
>>美容室SEO対策・美容院MEO対策とは|成功させる集客方法のポイントや注意点
季節や経済の影響
季節や経済状況によって美容室の業績が大きく左右されることもあります。
例えば、季節によって需要が変動したり、不景気によって顧客の来店が減少することがあります。
ピンチをチャンスに変換できる対応能力や柔軟性が求められることに。
倒産する美容室の特徴
近年、美容室の倒産が急増していて、ヘアサロンの4割が赤字経営とも言われています。
東京商工リサーチの2024年5月の発表によると、
2024年1〜4月までの倒産件数は46件(前年同期比48.3%増)と、2015年以降で最多記録を更新。
では、倒産に追い込まれるほどの赤字経営になってしまう美容室の特徴とは、どんな点が挙げられるのか見ていきます。
倒産するサロンの特徴
- 集客できない
- スタッフがすぐ辞める
- 経営知識がない
- 開業準備が不十分
美容室の経営が失敗しやすい原因には、開業準備不足や経営知識の欠如、集客の失敗、スタッフの離職率の高さが大きく関わってきます。
これらの問題に対してしっかりと対策を講じ、経営計画や管理を適切に行うことが、長期的な成功のカギ。
>>1人美容室経営の年収では、1人経営を成功させるポイントを解説!
開業準備が不十分
開業前の計画や準備が不十分だと、美容室は持続的な経営が難しくなります。
資金計画の甘さ
資金不足に陥ることが多く、特に開業後の半年から1年は収益が安定しないため、運転資金を確保していないとすぐに経営が苦しくなります。家賃、設備費、材料費などの固定費に加えて、広告費やスタッフの給与も必要です。
融資や自己資金についてもっと知りたい方は、>>美容室の開業で資金ゼロをご覧ください。
立地選びの失敗
客層や交通アクセスなどを考慮せずに立地を選ぶと、集客が困難になります。人通りの多さやターゲット層に合った場所でなければ、開業後にお客さんが来ないという事態に陥ります。
市場調査の不足
競合店の状況や地域のニーズを把握しないまま開業すると、他店との差別化ができず、価格競争や集客不足に悩まされます。準備段階での綿密な調査が欠かせません。
経営知識がない
美容技術が優れていても、経営知識がないと美容室を長期的に運営するのは困難です。
収支管理ができない
経営知識がないと、収入と支出のバランスを適切に管理できません。例えば、材料費や設備投資にお金をかけすぎて収益が赤字になったり、経費削減の方法がわからないため利益が出なかったりします。
マーケティング不足
集客のための戦略を立てられない場合、せっかくの技術力やサービスを活かしきれません。ターゲット顧客のニーズに合ったキャンペーンや広告ができないため、効果的な集客が難しくなります。
マーケティング戦略のコツについて詳しくは、>>美容室の集客方法6選でご紹介しています。
人材管理の不備
スタッフの教育やモチベーション管理も経営の一環です。スタッフの能力を引き出すための仕組みを知らないと、パフォーマンスが低下し、店舗全体の生産性にも悪影響を及ぼします。
集客できない
美容室の経営は顧客の来店数に直結するため、集客できないと早期に倒産する可能性が高まります。
新規顧客の獲得失敗
広告やプロモーションが不十分だと、新規顧客を獲得できません。SNSやホームページ、口コミサイトの活用が不足していると、潜在顧客に店舗の存在を知られる機会が減り、集客が低迷します。
>>美容室SEO対策・美容院MEO対策では、成功させる集客方法のポイントや注意点
リピーターの定着不足
新規顧客を集めても、リピーターとして定着させることができなければ、安定的な売上には繋がりません。顧客のニーズを理解し、満足度を高めるサービスやアフターフォローが欠けている場合、顧客が他店に流れることもあります。
価格競争に巻き込まれる
周辺の美容室と価格競争をして安価にサービスを提供してしまうと、利益が圧迫されます。また、価格だけで勝負する店舗は、サービスの差別化が難しく、価値を感じない顧客が離れてしまう可能性もあります。
スタッフがすぐ辞める
スタッフが頻繁に辞めてしまう美容室は、労働環境や人間関係の問題を抱えている可能性が高いです。
これが続くと、経営にも大きな悪影響を与えます。
教育体制の不備
新人スタッフやアシスタントに対する教育が不十分だと、技術が向上せず、モチベーションも下がります。また、成長機会が少ない職場では、スタッフがキャリアの先行きに不安を感じて離職することが増えます。
美容室経営において最も重要なのは人材育成である理由については、>>美容室の教育システムで詳しくご紹介しています。
人間関係のトラブル
スタッフ間や経営者とのコミュニケーション不足やトラブルが原因で、職場の雰囲気が悪化すると離職率が上がります。特に、小規模な美容室では、人間関係のトラブルが全体の士気に大きく影響します。
待遇や労働環境の問題
給与や労働時間、休日の待遇が悪い場合、スタッフが長く働き続けることが困難に。特に長時間労働や休暇が取りにくい職場は、スタッフの心身に負担がかかり、辞めやすくなります。
美容室が潰れる前兆
美容室を廃業に追い込む前兆とは、どういったものがあるのか知っておきたいところ。
それは主に以下の2つが挙げられます。
潰れる前兆
- 売上が伸びず利益がでない
- 多額な借入がある
売上が伸びず利益がでない
売上の低迷と利益の不足は、美容室が経営危機に直面する最大の警告サインです。
顧客数の減少
美容室の売上は顧客数に依存していますが、新規顧客が来ない、またはリピーターが減少していると売上が上がりません。
SNSや広告、口コミなどのマーケティング不足や、他店との競争に負けていると顧客数が減少します。
単価の下落
競争が激しい業界では、価格を下げて集客しようとするケースがあります。
低価格戦略は短期的には効果があるかもしれませんが、長期的には美容室の経営を圧迫します。
利益率が低い
売上があっても、材料費やスタッフの給与、家賃などの固定費がかかりすぎて利益が出ない場合があります。
利益率が低い状態が続くと、経費がかさむたびに経営が圧迫されます。
サービス内容の見直し不足
顧客のニーズに合わないメニューや、古い施術方法に固執していると、競争力を失います。
サービスや技術の更新が滞ることで、顧客が他店に流れることがあり、これも売上の停滞や低下に繋がります。
多額な借入がある
借入金が過剰になることは、美容室が経営破綻に向かう大きなリスクです。
資金繰りが悪化する
開業時の設備投資や運転資金、業績悪化時の立て直しのために借入を行うことがありますが、収益が見込めない状態で借入が増えると返済が困難になります。
借入金の返済が売上の大部分を占めるようになると、資金繰りが悪化し、日常的な経費(材料費やスタッフの給与)を賄えなくなることがあります。
利息負担が増大する
借入金が多くなると、毎月の返済額だけでなく、利息も経営を圧迫します。
最終的には、借入の返済が追いつかず、倒産に至る可能性が高まります。
自己資金不足が根本原因
多額の借入がある場合、自己資金が不足していることが背景にあることが多いです。
開業や運営において自己資金を十分に準備していないと、資金繰りが苦しくなり、借入に頼る傾向が強まります。
サロンオーナーが「美容室を廃業したその後」については、>>美容室の閉店理由や閉店手続きで解説しています。
失敗しないためには3つの「不足」を回避すること
経営で失敗する理由で挙げられる代表的な3つの不足とは、「お金」「戦略」「リソース」の不足です。
3つの不足
- 資金不足
- 戦略不足
- リソース不足
新規サロンが潰れる確率は50~60%ほど。3年以内になると90%が閉店、20年以上続くサロンは全体の0.3%と言われています。
資金不足
まず1つ目の不足は、お金です。
中小企業にとって、「お金」の不足は永遠の課題。
開業資金によって開業後の十分な運転資金がなくなってしまうパターンは少なくないようです。
開業前から綿密な計画と準備が必要不可欠となります。
最も多く見られる「潰れる前兆」は運転資金の枯渇です。
戦略不足
2つ目の戦略不足は、具体的には経営知識や集客力が足りず、売上・利益を思うように出すことができない状況のこと。
経営においては、戦略がよく練られていないことは致命的となるからです。
ここも資金計画と並行して、開業前から明確化させておく必要があります。
リソース不足
3つ目のリソース不足は、必要な人材や物資が足りておらず、思うように生産性を上げられない状況のこと。
この課題は、3つの中でも最も着手すべき要素。
なぜなら、リソース不足の改善における選択肢は豊富な点、また他の2つの不足要素である「お金」や「戦略」にも波及効果が期待できる点から。
着手しやすく効果が高い要素です。
リソース不足の改善へ積極的に取り組むことで、売り上げの拡大が見込めるようになると言えるでしょう。
>>1人美容室の経営に必要な独立資金では、一人美容室や美容院オーナーは1日何人なら失敗しないのか解説。
美容院が儲かる仕組み
美容室の経営で最大限に利益を生み出すには、コストに着目することです。
具体的には以下の手法を実践することがオススメです。
儲かる仕組み
- 固定費は最小限に
- 単価設定は低すぎるとNG
- 集客方法はSNSを活用
固定費は最小限に
コストを抑えるにはまず、固定費を最小限にとどめることが効果的です。
なぜなら、売上から差し引く経費が少なければ、より多くの利益が得られるから。
たとえば、内装や備品の調達方法などはカットするのに着手しやすい経費として挙げられます。
経営の基本的なポイントであるものの、見直してみるとまだまだ不十分なことがわかってきます。
詳しくは、固定費の見直しで年間300万円の経費削減について解説している
>>美容室の経費削減・コスト削減をご覧ください。
単価設定は低すぎるとNG
2つ目は、単価の設定を低くしすぎないことです。
なぜなら、客数に頼らなくても売上が安定するためです。
ただし、料金設定を高くしすぎても集客に苦労するケースもあります。
原因はサービスの質とのバランスです。
専門的性や、付加価値の認識によって高めの料金設定が受け入れられることになるからです。
また、そういったサロンの強みをうまく打ち出して周知させることも併せて必要となります。
安く設定してしまうと、後から変えるのも至難の業です。
単価を上げるために「店販」をうまく活用しているサロンもあります。
>>店販とは?美容室で店販をうるコツ・美容師の売り方とアプローチ法を紹介!
集客方法はSNSを活用
3つ目は、集客方法はネットやSNSでお金をかけずに成果を出すことです。
ホットペッパーなどの予約サイトに頼りすぎてしまうとコストがかかってしまうからです。
また、ホームページやSNSでの集客なら、サロンのターゲット層を絞り込んでアプローチできるのも魅力。
リピート率アップにも効果的。
>>田舎美容室儲かる?では、田舎の美容室経営での年収や、開業・集客における地方経営のメリットデメリットをご紹介。
美容室オーナーの年収・売上
美容室オーナーの年収と、それに必要となる売上の目安を見ていきましょう。
美容師独立後の年収相場はおよそ500万円程と言われています。
美容師全体の平均年収300万円台と比較して、独立後は収入アップが見込めるといえます。
>>【美容室の売上】1人・2人・個人経営では、経営店舗数ごとの年収の動向を解説しています。
売上の目安
一般的とされる「売上に対する美容師の給与」は、以下の割合が水準となっています。
種類 | 割合 |
美容室オーナー | 20%〜 |
1人美容室 | 50〜55% |
フリーランス | 60~80% |
サロンスタッフ(スタイリスト) | 20〜25% |
美容室オーナーの給料は「売上の20%」、1人美容室だと「売上の50〜55%」が一般的。
「人件費35%」がかかるか、かからないかの違いから。
年収の例
同じ500万円の年収を得るためには、
美容室オーナーだと、2,500万円の売り上げが必要。
1人美容室だと、1,000万円の売り上げが必要に。
>>美容師で年収1000万円は可能?では、美容師で年収1000万円は可能なのかを調査。
まとめ
今回は「美容師の独立で失敗しないためには」について解説しました。
今回ご紹介した3つの不足を回避できるよう、独立・開業前の事業計画はしっかりと行いましょう。
あらかじめ発生確率の高いリスクを把握しておくことで、その際にどう対処するかを準備しておくことがとても重要。
美容室経営が厳しいと言われる理由には、事前の準備がきちんと行えていないケースが多いことから。
サロン経営の成功に向けて、経営知識やマーケティングを学ぶことを惜しまずに実践していってください。
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