美容院の上客とは|美容師が好む客・印象に残る客や指名が嬉しい理由
「美容師にとっての上客とはどんなお客さん?」
「美容院で高待遇を受ける基準ってあるの?」
「接客や対応が変わるって本当?」
ネットでは美容師や美容院に対してこういった疑問をお持ちの方が多く見受けられます。
同じ疑問をお持ちの方はご覧ください。
これらの疑問を解消できるよう、以下の内容について詳しく掘り下げていきます。
- 上客の定義
- 美容師が好むお客様10の特徴
- 指名が嬉しい理由とそうでない場合
- お気に入りのお客様には対応が変わる
- 美容師がお客様にしてほしくないこと
結論、「上客の定義」というものは特段ありません。
ただ、歓迎される顧客の特徴としては存在します。それはサロンや美容師個人の価値観に影響される部分が強いものです。
美容院はお客様の大事な髪の毛を扱う特別な場所。
お互いが気持ちよくサロンで過ごせるように、良い関係性を築けるようにしたいものでよすね。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容院で上客の定義はない
美容院、美容師にとって「上客」の定義として表立ったものは存在していません。
それは店舗によって定義は変わるからです。
VIP(Very Important Person)、ロイヤルカスタマーとも言います。
もちろん、サロンの売上の割合を占めている常連のお客様は「上客」に該当します。
パレートの法則でいわれるように、売上の8割は一部の顧客に集中するという経験則があります。
パレートの法則
「80:20の法則」とも言われ、売上げの8割が2割に依存する傾向を表すもの。
イタリア経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した法則、ビジネスのフレームワークとして用いられています。
例としてある美容室では、毎月1万円〜2万円のメニューを利用してくれる、もしくは年間10万円〜15万円前後の売り上げを作ってくれているお客様が該当すると言えます。
お店の売上によってはそれ以上の金額が目安となる場合もあるでしょう。
また、来店回数だけでいうなら年間で6〜12回がひとつの目安となったりもします。
ただひとつ言えることは、売り上げに大きく貢献していることだけが「上客」ではないということ。
売り上げ以外でも大切なお客様となる特徴について見てみましょう。
美容師が好む・嬉しいお客様10の特徴
ここでは、美容師にとって「来店されるのが楽しみなお客様」の特徴10個を解説します。
美容師とお客様、お互いにとっていい関係性をつくるうえで、取り入れられるもの、当てはまるものはいくつあるでしょう。
嬉しいお客様の特徴
- 髪型のイメージが共有できる
- 褒めてくれる
- 美意識が高い
- 容姿や相性がいい
- 家族や友人を紹介してくれる
- 感謝の言葉を伝えてくれる
- 髪の悩みを打ち明けてくれる
- アドバイスを素直に聞き入れてくれる
- ヘアケア商品を買ってくれる
- 毎回指名してくれる
髪型のイメージが共有できる
美容室でいちばん重要なのは、なりたい髪型のイメージをお客様と共有すること。
理由は、共有できることによって施術しやすくなり、お客様の要望に近いスタイルを提供することができるからです。
好きなスタイルやカラーについてイメージに近い画像を2〜3つ用意していくと、よりスムーズに共有できます。
カウンセリングが円滑に行えるのは、美容師にとって嬉しいことの一つです。
褒めてくれる
大人も子どもと同様に、褒められて嬉しくない人はいません。
「褒めて伸びるタイプ」とよくいったものですが、その通りで褒められることはやる気に直結します。
美容師としての技術を褒められれば、やりがいを感じることができ、楽しく仕事ができるきっかけになるからです。
褒めてもらえた分、しっかりお返しできるように気合を入れて対応しなくてはという心理が働くことでしょう。
美意識が高い
美容室は当然、美容に関わる仕事であるため、美意識が高いお客様も歓迎されます。
いい刺激になって、技術に満足してもらえるようモチベーションも上がるからです。
感性を磨く場であるからこそ、美容に対して敏感なお客様層は理想的ともいえるでしょう。
容姿や相性がいい
人によっては容姿や相性がいいと、好みのタイプで嬉しいという場合もあります。
モチベーションアップに繋がったり、対応していて楽しいから、といった理由です。
また、容姿がいいお客様が出入りしていることで、サロンの評判にいい影響を与える効果を期待するケースもあるでしょう。
例えば、SNSで男女問わずキレイな人のスタイル画像を多くアップすることで「このサロンに行けばこんなふうになれるかもしれない」という憧れのお店として話題になったり、人気を集めるなどのメリットも実際にのところ少なくありません。
家族や友人を紹介してくれる
他のお客様を連れてきてくれることは、お店や美容師にとって喜ばれることです。
どの美容室でも新規のお客様は欲しいもの。
特に親しい人を紹介してくれるということは、自分の技術が認められているという証と受け取れるからこそ嬉しく感じます。
さらに定着してもらえることで、経営状況に大きく貢献することになります。
感謝の言葉を伝えてくれる
お客様から「ありがとう」といってもらえると、単純に嬉しい気持ちになります。
サービスに対してお礼を言われれば「もっと頑張ろう」というモチベーションアップになるからです。
自分がしたことを人に喜んでもらえたり、受け入れてもらうのは嬉しくなるもの。
誰に対しても感謝の言葉を伝えられることは、人として尊敬できて印象的に残ります。
髪の悩みを打ち明けてくれる
髪についての悩みを本音で話してくれると、美容師は嬉しいものです。
それは、美容師としてお客様の悩みを解決しようと精一杯取り組むことができるから。
来店されるお客様のお悩みをうまく聞き出すのが美容師の役割でもある一方、初めてのお客様だとなかなか本音を聞き出せずに終わってしまうことも多々あります。
ほんの少しでも髪についてのコミュニケーションが図れたらプロとしてアドバイスでき、お客様の力になれれば役目を全うできたということになります。
アドバイスを素直に聞き入れてくれる
美容師のアドバイスを素直に聞き入れてくれるお客様はありがたく感じられるでしょう。
なぜなら、なりたい髪型と実現できる髪型に大きく隔たりがあるケースが多いからです。
美容師はなるべく、なりたい髪型に近づけるためのアドバイスをすることになります。
「こんな風に乾かすといいですよ」「ここは少し残してカットした方がキレイにキープできます」など。
柔軟な対応は、お互いにとってスムーズに理想のスタイリングへ導くことへのカギです。
ヘアケア商品を買ってくれる
ヘアケア商品を買ってくれるお客様は2つの理由から喜ばれます。
1つはお店にとっても利益になる、もうひとつはヘアスタイルをキレイに保つ効果があるからです。
単価が高いお客様は優先順位が必然的に高くなるのはもっともです。
また、カラーやブリーチなどのダメージに効果的な高品質で厳選された商品を使ってくれるお客様は施術しやすいという点から好ましいお客様とされます。
毎回指名してくれる
言うまでもなく、定期的に来店されて毎回指名してくれるお客様は、美容師にとって嬉しく大切な存在です。
自分の技術を認めてもらい、必要とされている実感が持てて「誇らしい」という面がある一方、美容室にとってリピート客を増やしていくことは長期的な売上を確保するうえで最重要といえるからです。
リピート率は、サービスに対する顧客満足度の指標となります。
またサロンによっては、指名されることで歩合などの報酬に影響が出ることもあり、それでなくともサロンからみて指名が多いスタイリストは評価が高くなるという点からも「嬉しいお客様」といえるでしょう。
指名が嬉しい理由とそうでない場合
お客様から指名されて嬉しくない美容師はいないのでは?ほとんどの方は嬉しいに決まっていますよね。
ただし例外もあるようです。
嬉しい理由
- 美容師として認めてもらえたことが嬉しいから
- サロンによってはインセンティブが発生するから
- 評価につながる場合もあるから
嬉しいとは限らない理由
- 業務委託の美容師は例外
美容師として認めてもらえたことが嬉しいから
指名されて嬉しいのは、自分が美容師としていい仕事ができた、満足してもらえたと実感できるからです。
指名されること=お客様に認められたこと
特にスタイリストになりたての時期は、まだまだ指名が取れない中で自信も持てないため、余計に嬉しさが込みあげてくるはずです。モチベーションも上がります。
サロンによってはインセンティブが発生するから
インセンティブなどの歩合制で給与が発生するサロンも多いでしょう。
その場合は、指名されるほど収入に影響が出るため嬉しくないはずはありませんね。
評価につながる場合もあるから
指名による報酬が発生しないお店だとしても、その美容師がいるからこのお客様が来てくれているというお店側からの評価につながるケースは少なくないはずです。
指名を多くとれるスタイリストはお店の顔として価値を認められる存在となれます。
業務委託の美容師だと指名が困る場合も
最近では業務委託という雇用形態でサロンに働く美容師も増えています。
その場合、いくら指名をとっても美容師本人には反映されないシステムというケースがあります。
数をこなせた方が報酬につながるため、指名のお客様に時間をかけて施術するよりも指名なしのお客様を手早くこなす方に重点をおきたいといった考えです。
ただ、特殊なケースと言えますので一部そういった声があるという程度にとどめておいていいでしょう。
業務委託の美容師については>>業務委託サロンが増えている?で詳しく解説しています。
お気に入りのお客様には対応が変わることも
「お気に入りのお客様には美容師の対応が変わる」という声がネットでは一部見受けられます。
自分は気に入られていない?
歓迎されていないのでは?
と不安に感じるお客様が少なくないようです。
美容師の方は自分の好みで対応を変えることがありますか?
3年ほど通っているサロンでずっと担当してもらっている方が、可愛いと思う客だけインスタにヘアスタイルをあげていて接客している時も、自分の時の対応とは違って見えます。
カラーを他のアシスタントに振ろうとしたりもありがちです。
あまり対応したくないのかな?と悲しい気持ちになってくるのでサロンを変えようか考えていますが、技術には申し分なく、近所で通いやすいので悩んでいます。
やっと見つけたサロンということもあって、なんだか悔しい気もしています。担当を変える勇気も出ません。
引用元:発言小町
私はサロンでアシスタントとして働いている女性です。
お客さんによって美容師の対応が変わることはあるあるです。
特に男性美容師は可愛くてお気に入りのお客さんにはシャンプーやお会計までするというわかりやすさ。
普段はアシスタント任せなのに。
そんな光景をたくさん見てきています。
引用元:Yahoo知恵袋
美容師も人間なので、お気に入りのお客様だと会話が弾んで楽しいのは正直なところだと思います。
サロンによってはお客様との恋愛は禁止なので美容師からは誘えない場合もありますが。
そうでなければ、場合によってはこのあと食事でも〜という流れになるケースもあると思います。
実際にお客様と付き合ったり、結婚している人もいますからね。
引用元:教えて!goo
周りにいる人は意外とよく見ているものです。
誰かに不快感を与える振る舞いは、プロとしていかがなものかとなってきます。
ほんのごく一部の情報であることに変わりはないですが、いいお客様をより大事に対応したいと思うのが人の心でもあります。
大切なお客様には120%のサービスで対応したいというのが経営理念から見ても当然と言えます。
ただし、それは通常のお客様へ100%の対応をしていること前提の話ですが。
また、美容師は特定のお客様にだけ名刺を渡しているのか?気になっている方も多いようで
>>美容師の名刺デザイン・渡す基準では、詳しく触れていますので併せてご覧ください。
美容師がお客様にしてほしくないこと
美容師がお客様にしてほしくないことは主に以下の6つが挙げられます。
- 当日のキャンセル
- 遅刻
- フードやタートルネックなどの服装
- シャンプー台で力が入ってしまう状態
- セルフカット・カラー
- 途中で髪型を変えたがる
当日のキャンセル
ドタキャンは美容室にとって最大の痛手と言えます。
キャンセルされた予約枠が、当日うまく埋まることはまずないと考えられるためです。
サロンによって、カット人数や時間で歩合制のところもあります。直接、報酬に影響するため時間が無駄になってしまうのは美容師にとって大きなロスです。
遅刻
ドタキャンと同様に遅刻も避けたいことのひとつ。
美容室は予約人数やオーダー内容で1日のスケジュールが予め決まっているためです。
遅刻されるとカット台・シャンプー台を使用するタイミングがずれ、後のスケジュールに大きく影響してしまいます。
特に15分以上の遅刻は、希望するメニューや通常のサービスが受けられない可能性もでてきます。
フードやタートルネックなどの服装
顔や首回りにデザインがある服装は好ましくありません。
フードなどが邪魔になって襟足をそろえにくいうえ、全体のバランスを見るうえでも影響が出てしまうからです。
また、服に髪の毛がつかないように注意しなければいけないなど、美容師にとって仕事が増えてしまう点が負担となりかねません。
シャンプー台で力が入ってしまう状態
シャンプー台へ移動した際に、緊張や配慮から体に力が入っているのはあまりいい状態ではありません。
シャンプーをする際に余計な力が入っていると作業しにくいからです。
また、お客様に「力を抜いてリラックスしてください」とも言いにくいものだったりします。
つい気を遣ってしまいがちですが、相手に身を委ねるのもまた気遣いのひとつと言えますね。
セルフカット・カラー
セルフカットやセルフカラーもしないのが理想的です。
自分でカットしたり、カラーリングした髪はまばらになっていたりするため扱いにくいからです。
そのため、キレイにカットしたりカラーしていくだけでもかなりの手間であり、負担に感じる美容師も少なくありません。
また、お客様に満足してもらえる仕上がりになるのか、美容師にとって大きな不安要素となります。
途中で髪型を変えたがる
当然ですが、施術中にスタイルを「やっぱり変えたいです」と言われてしまうのは美容師を困らせてしまいます。
カットしている途中で変更したいと言われても、対応が難しい場合があるからです。
それは修正できない長さであったり、次の予約が入っていれば時間がずれ込んでしまい、他のお客様にも影響が出てしまうため。
なるべくこういったことはお互いにとって避けたい事態と言えます。
まとめ
今回は美容師が好む「上客とは」について深く掘り下げてみました。
売上げに貢献してくれるお客様や、指名してくれるお客様、その他にも美容師にとって嬉しい顧客の特徴を挙げてきましたが、結局のところお店に来てくれることだけでも充分嬉しいはずです。
そうではない美容師とはいい関係性を築くことは難しいのかもしれません。
時間はかかっても、自分にとって心地よく過ごせるサロンは必ず見つかります。
長く通い続けられるサロンにすることは、美容師とお客様、お互いにとってとても大切なことですね。
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