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美容師の退職金で相場|美容室を辞めた後・老後のためにできることを解説!

美容師の退職金で相場|美容室を辞めた後・老後のためにできることを解説!

美容師として働いている中で、退職後、老後のお金について漠然とした不安を感じている方はとても多いと思います。

美容師の収入は同世代の人と比べて平均より低いとも言われていますし、今の貯金額で足りるんだろうか、と不安になりますよね。

この記事では、将来の具体的なビジョンを描き、具体的な対策ができるようになるために、美容師の退職金の有無やいくらくらいなのか、そして老後の資金計画について解説します。

編集者yuki

この記事を読んで将来のお金に対する知識を深め、今から少しずつでもいいので将来のビジョンに向けて動き出しましょう!

編集者yuki

この記事を書いた人

ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。

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目次

退職金の相場は0~200万円

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はじめにショッキングな事実ですが、美容師業界では退職金なしが多いです。

一般企業では、

  • 勤続20年で600万円程度
  • 勤続30年で1400万円前後
  • 勤続40年で2000万円前後

が退職金の相場、女性はもう少し下がる傾向があるとも言われています。

一方で、美容業界の退職金はそもそも低く、30人以上の従業員がいる規模の会社では、

  • 勤続20年で200万円程度
  • 勤続30年で360万円前後

と言われています。

美容院ではそもそも退職金制度が整備されていないケースが多く、さらに10人以下の小規模店が多いことを考えると、退職金があっても上記金額よりはかなり低いことが分かります。

ではなぜ、美容室では退職金制度が整備されないことが多いのでしょうか。

退職金制度は、企業が掛け金を負担するケースが多く、さらにその制度のランニングコストもかかるため、小規模経営が多い美容業界では、コスト管理が厳しく退職金制度の整備にまで手が回らないのが現状。

特に個人経営の美容室では、退職金だけでなく、福利厚生全般が手薄なケースが多いです。

そのため、美容師は退職金に頼らず、老後の資金は自分で準備する必要があると考えるべきです。

編集者yuki

会社に頼らず、個人で入れる退職金制度も後ほど説明しますので、参考にしてくださいね。

【美容師の退職金】勤務先によっては支払われない場合もある

美容師が施術するカットの種類

退職金の制度は勤務先によって異なりますが、退職金制度がある美容室はハローワークでの求人に対し10%程度しかないことが分かっています。

全国展開しているような大きなサロンだと導入しているところもありますが、個人経営のサロンでは導入していないところが多いです。

参考:Bizリジョブ

法律による支払い義務はない

実は、退職金の支払いは法律で義務付けられておらず、あくまで企業側が自主的に導入するものです。

美容室が退職金を導入しないのは、コスト面もありますが、独特の給与体系も理由の1つです。

例えば、退職金がない代わりに美容師の報酬体系を歩合制にしているサロンも多く、その場合、基本給が低くなります。

退職金制度は、基本給と勤続年数から計算することが多いため、美容師の給与体系は、退職金のシステムと合わないのです。

雇用保険(失業保険)は加入義務がある

サロン・美容師選びの注意点3つ

雇用保険(失業保険)は、美容師も会社に正社員や契約社員として雇用されている場合は必ず加入している保険制度です。

雇用保険(失業保険)は4種類ある社会保険のうちのひとつ。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

雇用保険と労災保険は、美容室の規模にかかわらず加入する義務があります。

このうち、退職時に関わってくるのが雇用保険です。

この失業手当(保険)は、失業後にハローワークで手続きを行うことで手当を受け取ることができ、給付額は前職での給与額や勤務期間に基づいて計算されます。

例えば、雇用保険に加入している美容師が自己都合で退職した場合、一般的に退職後1~2カ月後に失業手当を受け取ることができます。

これにより、退職後して収入が途絶えた場合でも、生活費の一部を補うことができるため、退職金がない場合でも一時的な対策として活用できますが、もらえるまで期間が空いてしまうため、給料の1~2か月分は貯蓄が必要となることは覚えておきましょう。

しかし、失業保険は一時的な支援に過ぎません。

長期的な老後の資金対策としては、別途計画的に貯蓄を行うことや、他の資産形成の手段を検討することが重要です。

厚生年金保険は法人でなければ加入義務なし

社会保障のうち、健康保険と厚生年金保険は、個人経営の美容室などでは加入義務がありません。

そのため、美容師個人で国民健康保険に加入する必要があります。

さらに、厚生年金保険は、加入していると将来年金を受け取る際に、国民年金に上乗せして年金が支払われる制度です。

この制度も会社員のみが受け取れる年金であり、個人事業主やフリーランスでは使えないので、年金額が少なくなることを想定して、老後資金を用意する必要があります。

詳しくは>>美容国保メリット・デメリットで解説。

退職金制度以外の選択肢

勤めている美容室に退職金制度がなくても、老後の資金を確保する制度がいくつかあります。

ですが、制度の利用には、受給条件などそれぞれ条件がありますので、その制度について詳しく説明します。

美容師の老後資金の準備方法

受給条件対象者注意事項
中小企業退職金共済会社が加入している場合、退職時社員掛金12ヶ月未満は支払いなし
確定拠出年金制度(iDeCo)各自で加入した場合、60歳以降基本的に日本国民全員企業型DCに加入している場合条件あり
小規模企業共済小規模事業の役員・個人事業主であること役員・個人事業主全額所得控除の対象

中小企業退職金共済

中小企業退職金共済は、主に中小企業の従業員が対象となる退職金制度です。

美容室がこの制度に加入している場合、退職時に退職金を受け取ることができます。

この制度は、企業は掛け金を負担するもので、原則、従業員全員の加入が必要ですが、一方で経営者や役員は加入することができません。

国からの助成も出るので使いやすい制度と思われがちですが、加入者が従業員に限定されることや、掛け金の減額が難しく、掛け金の支払いが12ヶ月未満で退職となると、全額支給されないなどのデメリットが多い制度です。

確定拠出年金制度

確定拠出年金制度は、個人が自ら積み立てを行い、その運用結果に基づいて将来の年金額が決まる制度です。

これには企業型と個人型の2種類があり、個人での加入の場合はiDeCoと呼ばれます。

企業型(DC)は一般企業の退職金制度にも組み込まれていることが近年増えてきており、退職金の一部または全部を自ら運用することにより、受取額を増やせる可能性がある制度です。

美容師でこの制度に加入する場合は個人型のiDeCoとなるケースが多いですが、企業型DCを勤務先が導入している場合、個人型iDeCoには加入できない場合がありますので、会社に確認をしておきましょう。

勤めているサロンに退職金制度がなくても、この制度を自分で活用することで自分の退職金をつくることができる制度はぜひ活用していきたいところです。

小規模企業共済

小規模企業共済は、個人事業主や小規模事業者が老後のために資金を積み立てる共済制度です。

美容師として独立して美容室を経営する場合、この共済を活用して老後のための資金を積み立てることができます。

一定期間掛け金を支払うことで、将来の退職金代わりとして受け取ることができるため、フリーランスの美容師にも適した選択肢です。

加入対象者は個人となり、掛金は全額所得控除の対象になるので、個人で事業を立ち上げている場合は節税として活用する方も多い制度です。

一方で、サロン勤務の美容師は加入ができないので注意しましょう。

老後の資金対策としてできること

美容師の給料を上げるには|7つのポイント

ここまで読んで、退職金がなく、場合によっては厚生年金も受け取れない美容師を続けてよいのか不安…と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

美容師が、老後に備えるためにはどのような対策を取るべきか。ここでは、4つの対策方法をご紹介します。

老後の資金対策

  • 計画的に貯蓄する
  • 個人年金の利用
  • 副業で別の財源を確保
  • 退職金制度を導入しているサロンへ転職

計画的に貯蓄・投資する

当たり前すぎる内容ですが、最も基本的な老後対策は、計画的な貯蓄と投資です。

基本的には先取り貯金を行い、使ってしまう前に毎月貯金を行うことが一番効果的です。

自動で貯蓄用口座にお金を移動してくれるサービスを活用し、貯金し忘れを防ぎましょう。

例えば、住信SBIネット銀行であれば、自分が設定した日に自動で別の口座にお金を手数料無しで移動できる「定額自動振替サービス」というサービスがあります。

毎月の収入から少額ずつでも、毎月決めた額を貯蓄することで、貯金の習慣がつくのでオススメ。

一方で、物価高騰や円安の影響で、相対的にお金(円)の価値が下がっています。

これに備えるためには、貯蓄だけでは対策できないので、iDeCoなどの制度を活用して長期で投資をしていきましょう。

原則として、投資額は市場の物価上昇等に比例して上昇しており、国も長期投資での資産形成を推奨しています。

編集者yuki

国の制度を活用しつつ、貯蓄だけでなく、投資も同時に進めていきましょう。

個人年金の利用

個人年金保険は、老後の生活資金を確保するための1つの手段です。

保険会社が運営していることが多く、個人で契約し毎月積み立てることで、将来年金として受け取ることができます。

個人年金で将来に備えるのも良いですが、メリット・デメリットがあるので、それを把握した上で加入を決めましょう。

スクロールできます
メリットデメリット
保険料控除を受けることができ、節税効果がある
元本割れのリスクが低い
支払額よりも多い年金額がもらえる
年利が低く、物価上昇へのリスクヘッジにはならない(インフレに弱い)
60歳まで基本的に引き出せない
途中解約すると違約金が取られ、解約返戻金が支払った保険料を下回る

個人年金保険は、iDeCoなどと比べるとインフレに弱いですが、基本的に元本が保障されるという安心感があります。

編集者yuki

iDeCoなどの投資での元本割れの不安が耐えられないのであれば、個人年金保険も検討してみても良いかもしれません。

副業で別の財源を確保

副業でほかの財源を確保しておくことも重要なことです。

本業で日々の生活費に加えて投資や貯蓄もできるのであれば、無理に副業して負担を増やす必要はありません。

本業で稼げている人であれば、そちらを頑張る方が今後もっと稼げる可能性は高いですし、副業をするとなると一からのスタートになるため、効率が悪いからです。

ですが、本業で自分が満足するほど稼げている人は少ないですし、本業での収入に限界を感じている人も多いのではないでしょうか。

例えば、月に1万円でも稼いで投資に回すことができれば、10年後には140万円(運用益20万円)、20年後には328万円(運用益88万円)にもなり、元手が大きくなくても長期で見れば大きな利益が見込めます(利回り3%の場合)。

自分ができそうな副業についてもっと知りたい方は、>>美容師副業ランキングを参考にしてください。

退職金制度を導入しているサロンへ転職

退職金制度が整備されている美容室やサロンに転職することも選択肢の一つです。

退職金制度が整備されている美容室は規模が大きく法人化していることが多い為、その他社会保障も充実していることが多いです。

そのため、個人経営の美容室で保障に不安を感じている人にはオススメの転職先です。

転職を考える際には、給与額はもちろん、給与体系や社会保障も含めた福利厚生、退職金制度の有無も重要なポイントです。

美容師の給与や年収、ボーナスについては、>>美容師にボーナスがない理由で解説しています。

まとめ

美容師の退職金は残念ながら制度がそもそもない場合が多いですが、その他の国の制度や保険を活用することで、老後の備えは可能であることが分かりました。

しかし、インフレや円安が進む現在では、貯蓄だけでは老後の備えには不十分です。

老後の備えのために、美容師が活用できる保障をおさえておきましょう。

  • 雇用保険(失業保険)は原則加入義務があり、退職後に一定の支援が受けられる
  • 美容師の老後資金の準備には中小企業退職金共済や確定拠出年金制度、小規模企業共済などを活用できる
  • 計画的な貯蓄・投資や個人年金、副業を通じて老後の資金を確保する
  • 老後の備えに対する保障(社会保障を含めた福利厚生や退職金制度)が充実しているサロンへの転職を検討する

退職金がない場合でも、自分の未来に備えて早めに資産形成を行うことが、安心した老後を迎えるためのカギとなりますし、不安が軽くなります。

自分が使える制度にはどのようなものがあって、どれだけの資産を準備すれば良いのか分からない場合は、FPに相談できるライフプランシミュレーションなどを活用するのもおススメです。

少しでも将来に対する不安な気持ちを軽くして、美容師としての仕事に向き合えるよう、自分なりに行動してみましょう!

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