【美容室開業届】税務署や保健所に届出申請|美容室の開業までの流れ・登録
美容室開業において必要なもの・ことを知っておかないと後々大変な思いをすることになるかもしれません。
例えば、開業届出さないとどうなるのか不安に感じていませんか?
出さなくても罰則はなく、確定申告をすれば開業届の代わりになります。
ただ、提出は義務付けられていて、控除などを受けるためにもきちんと済ませておくようにしましょう。
他にも以下のように、はじめはわからないことだらけです。
「理容室・美容室の開業届はどこに出すの?」
「美容院開業に必要な条件や資格(免許)はある?」
「開業届はいつ出す?」
そのため今回は、税務署や保健所に提出する必要がある「美容室の開業届・必要書類」について下記の内容を解説します。
- 開業届は1か月以内
- 美容室開業に必要な提出書類・期限
- 申請手続きの流れ
- 美容室開業に必要な資格
美容室を開業する場合、必要な提出書類・提出先・提出期限はバラバラです。
サロンの開業届以外にも、届出の種類は数多く混在しているため、漏れや遅れが生じやすいともいえます。
スムーズに開業できるようそれぞれ事前に把握・確認して準備を進められるようにしておきましょう。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
開業届は開業後1か月以内に提出!
美容室の開業届は出さなくてもいいの?
美容室を開業するとなったら、開業届の提出が義務付けられています。
仮に開業届を出さなくても罰則はありませんが、提出することで受けられる「青色申告の特典」もあるため、提出しておくことを推奨します。
65万円控除で、所得税を払わなくても良くなる可能性があります。
詳しくは>>美容師確定申告で白色・青色申告のやり方やどちらが得かを解説。
開業届とは
個人事業を開業したことを税務署に申告するための書類。
正式名称
個人事業の開業・廃業等届出書
個人事業主は、1年間(1月1日〜12月31日)の所得を計算し、確定申告を行い所得税を納税する義務があります。
そのためにも前述したとおり、開業届の手続きを事前にしておかなければなりません。
ただ、開業した年の事業収支を全部まとめて税務署に確定申告することで、開業届の代わりになります。
美容室開業届の入手方法と書き方
開業届の正式名称「個人事業での開業・廃業等届出書」を入手する方法は以下の2つです。
開業届の入手方法
- 国税庁からダウンロードして印刷
- 管轄の税務署で書類をもらう
美容室開業届の書き方について以下の手順です。
開業届の書き方
- 「開業」に丸をつける
- 管轄税務署と提出日を記入
- 納税地・氏名・生年月日を記入
- 個人番号(マイナンバー)を記入
- 職業・屋号を記入
- 届出の区分等を記入
- 青色申告のチェック欄と事業の概要を記入
開業届以外にも、さまざまな書類を準備する必要があり、それぞれの提出先・期限も異なります。
以下で詳しく見ていきましょう。
美容所登録せずに営業すると罰則
サロンをオープンするには美容所登録が必要です。
保健所への開業申請は美容師法(第11条・第12条)で規定されているため。
登録申請を行わうことなく無断で開業した場合、営業停止や30万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。
1人美容室開業準備については、>>美容室から独立で、美容室開業でやることリストや費用をご紹介しています。
美容室開業における必要書類
では、美容室開業における必要書類を詳しく見ていきます。
以下の管轄に、各必要書類を提出期限内に届出しなければなりません。
- 税務署
- 保健所
- 消防署
- 市区町村・及び都道府県税事務所
美容室を開業させるには、
- 法人として会社を設立する
- 個人事業主として開業する
どちらの方法を選択するのかで、届け出る内容も変わってきます。
また、個人事業主の場合も
- 一人・家族で始める
- 従業員を雇用する
どちらにするのかで、手続きの種類も変わってきます。
税務署への届出
税務署への届出に必要な書類は以下のとおりです。
提出書類 | 提出期限 |
開業届出書(開設者が個人の場合のみ) | 事業開始日〜1か月以内 |
法人設立申請書(開設者が法人の場合のみ) | 事業開始日〜1か月以内 |
青色申告承認申請書 | 事業開始日〜2か月以内 |
給与支払事務所等の開設届書 | 開設日〜1か月以内 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 翌月10日まで |
事業開始等申告書、法人設立・設置届出書 | 事業開始日〜15日以内 |
保健所への届出
保健所への届出に必要な書類は以下のとおりです。
提出書類 | 提出期限 |
美容所開設届 施設の構造設備の概要 施設の平面図 従業員名簿 美容師免許を持つ従業員の医師診断書 登記事項証明書(開設者が法人の場合のみ) 住民票の写し(開設者が外国人の場合のみ) | 美容所の所在地を管轄する保健所へ要確認 |
消防署への届出
必要書類
- 防火対象物使用開始届出書
- 防火対象物工事等計画届出書
上記の届出については、店舗条件によって異なります。
届出が必要か事前に問い合わせておくようにしましょう。
また、防火管理者を専任する必要な場合もあるため、その際には別途届出が必要です。
不備がないようにするためにも、内装工事前には管轄の消防署へ相談してください。
工事後の変更は難しいので、早めの相談がオススメです。
市区町村・及び都道府県税事務所への届出
開業に伴って従業員を雇用する場合には、下記の届出も必要となります。
社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続き
提出書類 | 提出期限 | 提出先 |
健康保険・厚生年金保険新規適用届 被保険者資格取得届 被扶養者(異動)届 法人(商業)登記簿謄本(法人のみ) 事業主の世帯全員の住民票の原本(個人のみ) | 規定はなく速やかに提出 | 所轄の年金事務所 |
労働保険(労災保険・雇用保険)の手続き
提出書類 | 提出期限 | 提出先 |
保険関係成立届 | 保険関係成立翌日〜10日以内 | 所轄の労働基準監督署 |
概算保険料申告書 | 保険関係成立翌日〜50日以内 | 以下選択 ・所轄の労働基準監督署 ・所轄の都道府県労働局 ・日本銀行 |
雇用保険適用事業所設置届 | 設置翌日から10日以内 | 所轄の公共職業安定所(ハローワーク) |
雇用保険被保険者資格取得届 | 資格取得翌月10日まで | 所轄の公共職業安定所(ハローワーク) |
申請手続きの流れ
次に、美容室開業で行う届出申請の流れを確認していきましょう。
手順
- 保健所・消防署へ事前に相談
- 保健所・消防署へ必要書類の提出
- 保健所による立入検査
- 立入検査の確認書受領
- 消防署による現地調査
- 従業員の社会保険・労働保険の手続
- 美容室の営業開始
- 税務署へ開業届提出
>>【完全版】美容室の独立開業の手順では、サロンオープンまでの流れを詳しく解説。
保健所・消防署へ事前に相談
美容室開業の流れとして重要なポイントは、着工前の事前相談です。
これは、その後の申請・検査をスムーズに進めるために必要なこと。
並行して消防署にも設備計画の相談を行い、
- 消防設備に問題がないか
- どのような届出が必要か
- 防火管理者の選任が必要か
あらかじめ確認しておくようにします。
保健所・消防署へ必要書類の提出
事前相談でそれぞれ問題ないことが確認できたら、前述で確認した必要書類を保健所・消防署に提出します。
保健所による立入検査
保健所に書類提出したら、保健所による施設の立入検査が行われます。
検査に備えて、規定通りの設備を整えておきましょう。
もしも不備があった場合には、改善後の再検査が必要です
立入検査の確認書受領
検査結果に問題がないことを受けたら、保健所の窓口で営業許可証(美容所適合確認書)を受理します。
>>自宅サロンで気をつけることでは、開業で違法になる賃貸での注意点やデメリットを解説。
消防署による現地調査
消防検査では、消防法令に適合していることが認められると、消防署からの営業許可がもらえます。
消防用設備の例
消火設備 | ・消火器 ・屋内消火栓設備 ・スプリンクラー設備 |
警報設備 | ・非常ベル ・漏電火災警報機 ・自動火災報知設備 |
避難設備 | ・避難はしご ・避難口誘導灯 ・通路誘導灯 |
従業員の社会保険・労働保険の手続
スタッフを雇用する場合には、前述した必要書類を各種届出先に提出します。
美容室の営業開始
ここまでの手続きが完了したら、営業開始が可能です。
税務署へ開業届提出
前述した各種届出を期限内に提出しましょう。
>>美容室開業の流れと手順では、手続きや資金・経営に必要な準備についてご紹介しています。
美容室開業に必要な資格
美容室開業に必要な資格は、管理美容師免許・美容師免許の二つです。
ただし、必要なケースと、そうでない場合もあるので詳しくご紹介します。
管理美容師免許
「管理美容師」の免許が必要なケースは、開業する店舗に常時2名以上の美容師が勤務する場合です。
これは、美容師法によって義務づけられているためです。
美容室は公衆衛生にかかわる業態であり、衛生面を管理する役割が求められます。
開業時点で美容師1名だとしても、
- 将来的な人員補充の検討
- 事業拡大
を考えるのであれば、管理美容師の資格保持者を雇用するか、オーナー自身が管理美容師の資格をあらかじめ取得しておくことが望ましいと言えるでしょう。
>>管理美容師免許・資格取得方法では、管理美容師になるための必要な条件や役割についてご紹介しています。
美容師免許
美容室開業において、経営者が美容師免許を所有する必要はありません。
ただし、サロンオーナー兼美容師としてのサービスを提供する場合には、美容師免許の国家資格が必須です。
>>美容師免許なしできることでは、美容師免許がないとできないことについて解説。
まとめ
今回は「美容室の開業届・必要書類」について解説しました。
美容室を開業する際には、税務署への開業届提出や保健所への美容所登録手続きなど、あらゆる申請が必要となります。
美容師法や関連法令には美容室の設備に関する細やかな規定がありますので、保健所や消防署から確実に営業許可が得られるよう、適切な設備を整えることは非常に重要です。
事前準備を行いながら慎重に進めていくようにしましょう。
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