美容師アシスタントは何年かかる?スタイリストになるまでの期間や業務内容
美容師がスタイリストになるまで、アシスタント期間は何年かかるのか。
美容師のアシスタントとはスタイリストになるまでの見習い期間。
一般的な年数の目安は約3年、年齢で言うと23歳〜25歳と言われています。
アシスタントは研修期間であるため、お客様のカットなどを1人で担当することができません。
スタイリストとして、お客様を担当できるようになるまでの具体的なカリキュラムや業務内容とはどういったものかをご紹介していきます。
美容師としてのキャリアパス、役職ごとの平均年収を比較しながら、ご自身のキャリアプランを計画する参考にお役立ていただければ幸いです。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師アシスタントの期間は3年が一般的
美容院でアシスタントからスタイリストデビューできる平均期間は3年と言われています。
ただ、あくまでこれは目安に過ぎず、自身の技術や学ぶ姿勢、人間関係の構築や、働く環境などといった様々な要因がアシスタント歴に影響してきます。
そのため4年目、5年目以降でもなかなか試験に合格できないケースも少なくありませんし、長い場合だとアシスタントを続けて7年目といった美容師さんもいます。
例えば年齢でいうと、23歳〜25歳あたりでスタイリストデビューするケースが多く見られるものの、何歳でなれるのかといった保証もないため、全ては腕前にかかってきます。
日々の仕事やカリキュラムを通じて技術力や接客スキルなどが身に付く目安が、平均的に3年程度と言えるのでしょう。
美容師を離職する80%が入社3年以内のアシスタント
美容師業界では、入社後3年目で離職率が80%というデータがあります。
前述のとおり、スタイリストになるまでの修行期間である3年間は、美容師への通過点として過酷な環境下と言えるからです。
離職のリスク
- 過酷な労働環境
- 低賃金
- 技術習得の難しさ
- 人間関係のトラブル
- キャリアパスの不透明さ
過酷な労働環境
長時間労働や休日の少なさが、アシスタントにとって大きな負担となる点からです。
体力的な疲労やストレスが積み重なることが多い職業と言えるでしょう。
低賃金
美容師アシスタントの賃金は一般的に低く、生活費を賄うのが困難な場合もあるためです。
低収入がモチベーションの低下を招きます。
技術習得の難しさ
高度な技術を習得するためには、営業時間外の練習時間や日々の努力が必要であり、一部のアシスタントはそのプレッシャーに耐えられずに離職してしまうためです。
長時間労働が続き、思うようにスキルアップできない時間が長くなるほど、精神的にも肉体的にも限界を感じてしまうケースが挙げられます。
人間関係のトラブル
サロン内での人間関係が原因でストレスを感じることが多いためです。
接客では常に気遣いが必要となる中、スタッフ間の距離も近くならざるを得ない店内。
また、美容業界ならではの上下関係の厳しさといった風潮もなくならないお店も。
これらが離職の原因となることも多く見られるのです。
キャリアパスの不透明さ
サロンにもよりますが、多くの場合、キャリアパスの設定が曖昧なケースがあると言えるためです。
自分の将来のキャリアパスが見えにくい場合、モチベーションが低下し、離職につながりやすいでしょう。
このような労働環境や待遇の見直しは、美容業界全体の課題となっています。
アシスタントとして、大変な内容や目標、使えないと思われないよう気をつけることについて解説している
>>美容師アシスタントで大切なことも参考にご活用ください。
スタイリストになるために必要なカリキュラム
アシスタントはスタイリストになるために何するのか。
働くお店によって基準は異なりますが、一般的とされている美容師育成カリキュラムは以下のとおりです。
美容師一年目から技術試験の合格まで、どういった流れで学んでいくのかを見ていきます。
1年目
アシスタント1年目とは、基本的な接客マナーを学ぶことにフォーカスします。
主に、カウンセリングやシャンプー、トリートメント、カラーリングなどの基本的な技術を学びます。
2年目
アシスタント2年目は、応用編として高度な技術を学ぶ期間。
基本のパーマ、特殊パーマ、カット技術などをメインに学びます。
3年目
アシスタント3年目では、美容師としての業務を網羅できている状態です。
より実践的となるカット技術を磨くために、カットのバリエーションを習得します。
技術試験
カリキュラムでは、全体を通して段階ごとのチェックと指導が行われながら、
最終的な「技術試験」に合格することでアシスタントを卒業できるのが一般的。
スタイリストとしての仕事を本番と同じ流れで行い、サロンが設定している基準値に基づいて、適切な接客サービスや技術がきちんとできているかを先輩スタイリストやオーナーによって審査されます。
試験に合格すると晴れてスタイリストとして活躍できます。
美容師アシスタントでありがちな失敗やストレス、しんどいことなどについては
>>美容師アシスタントあるあるとはでご紹介しています。
美容師のキャリアパスと主な業務内容
美容師のキャリアパスは主に以下の内容が挙げられます。
美容師のキャリアパス
- アシスタント
- ジュニアスタイリスト
- スタイリスト
- トップスタイリスト
- サロンオーナー
- フリーランス・個人事業主
- 美容師インストラクター
美容師として経験を積んでいくと、その経験値に応じた役職やキャリアを実現できることが可能に。
働くサロンによって多少異なりますが、それぞれの役割や特徴、仕事内容についてご紹介します。
アシスタント
美容師としてのキャリアはアシスタントから始まります。
アシスタントは先輩スタイリストのサポートをしながら、基本的な技術や接客のスキルを習得します。
業務内容
- 開店準備・閉店後の片付け
- 顧客対応
- スタイリストのサポート業務
- 店内清掃
- 在庫管理・発注
- 研修・トレーニング
美容師の一日の仕事の流れやスケジュールについて詳しくは
>>美容師の1日の流れで解説しています。
ジュニアスタイリスト
基本的なスキルを身につけた後、ジュニアスタイリストとして顧客を担当できるようになります。
この段階では、カットやカラーリング、パーマなどの基本的な施術を行います。
業務内容
- カウンセリング
- シャンプー
- ブロー
- カット
- カラー
- パーマ
- スタイリング
- 顧客管理
スタイリスト
ジュニアスタイリストとしての経験を十分に積めた段階で、スタイリストとしてのポジションに昇進できます。
スタイリストは、より高度な技術やトレンドを取り入れた施術を提供し、顧客のニーズに応じたスタイリングを行います。
業務内容
- カウンセリング
- シャンプー
- ブロー
- カット
- カラー
- パーマ
- スタイリング
- 顧客管理
- 教育指導
トップスタイリスト
豊富な経験と高い技術力を持つスタイリストは、トップスタイリストとして活躍します。
トップスタイリストはサロン内でリーダーシップを発揮し、サロンの売上に大いに貢献するだけでなく、他のスタッフの指導や育成にも携わります。
業務内容
- カウンセリング
- シャンプー
- ブロー
- カット
- カラー
- パーマ
- スタイリング
- 顧客管理
- 教育指導
- 社内ミーティング
- マーケティング・ブランディング
サロンオーナー
一定の経験を積んだ後、独立して自分のサロンを開業する美容師もいます。
サロンオーナーとして、経営やマーケティング、スタッフ管理など多岐にわたる業務に対応します。
経営手腕が問われ、リスクがあるものの、事業が軌道に乗れば大幅な収入アップに期待ができるのがメリット。
美容師の独立で失敗する可能性や、美容室オーナーの年収、売上などの悩みについては
>>美容室経営は厳しい?で解説。
業務内容
- 経営管理
- 財務管理
- マーケティングと集客
- 顧客関係管理
- スタッフ管理
- サロン運営
- 顧客対応
フリーランス・個人事業主
フリーランスは個人事業主として独立して働いている美容師のこと。
自分の好きな時間、好きな場所で美容師の仕事ができ、収入もやった分だけ得ることができるのが魅力。
また開業コストをかけずに店舗を持たないで活躍している美容師が多いため、「業務委託」「シェアサロン」「面貸し」などといった働き方が特徴。
業務内容
- カウンセリング
- シャンプー
- ブロー
- カット
- カラー
- パーマ
- スタイリング
- 顧客管理
- 集客・リサーチ
- 各種手続き
- 経営・財務管理
業務委託、シェアサロン、面貸しの違いやメリット・デメリットについて詳しくは
>>美容師の業務委託とはで解説しています。
美容師インストラクター
教育や指導に興味がある美容師であれば、自身の経験を活かしてインストラクターとしての教育活動を行うこともできます。
活躍の場は主に、美容学校や企業で最新の技術やトレンドを教えることで、美容師の育成に貢献します。
業務内容
- 講義
- 教育指導
- 教育カリキュラムの作成
- 試験・評価
- 進路相談・キャリアアドバイス
美容師のキャリアごとの平均年収を比較
美容師・理容師の平均月収は約25万円、平均年収は約330万円です。
厚生労働省の調査結果によると、全国平均の月収は30万円ほどなので、全体の労働者平均よりも5万円ほど少ないというデータになっています。
以下に、美容師のキャリアごとの平均報酬額を一覧にまとめています。
勤続年数 | 月収金額 |
---|---|
1~4年 | 約20万円 |
5~9年 | 約26万円 |
10~14年 | 約28万円 |
15年以上 | 約31万円 |
令和4年賃金構造基本統計調査
アシスタントの給料
アシスタントの給料は、美容師の中で一番低く20万円以下となっています。
ただし、この給与額平均値では勤続年数で1〜4年が対象となっているため、1年目ではさらに低くなるということになります。
アシスタントの給料について詳しくは>>美容師アシスタントの給料をご覧ください。
ジュニアスタイリストの給料
ジュニアスタイリストの給料は、20〜26万円前後となります。
スタイリストに昇格するためには、
- 試験に合格すること
- 指名数や売り上げが基準値をクリアすること
- ジュニアスタイリストの期間があらかじめ設定されている
など。
サロンによって昇格基準は様々です。
スタイリストの給料
スタイリストの給料は、26万円以上が平均値です。
ただし、人気店や売上額によって報酬に差が開きやすいがあるのもスタイリストの特徴といって良いでしょう。
それはほとんどの場合、指名料や売上に対してインセンティブがつくからです。
年収1,000万円稼いでいる美容師についての記事は>>美容師年収
チーフやディレクターの給料
チーフやディレクターの月収は28〜30万円前後が平均値です。
昇格することで、ひと月あたり数千円~数万円ほどの役職手当が支給されることも。
チーフ、ディレクターとは店長の補佐的な役割。
店長の給料
店長クラスの月収は28〜31万円以上と極端にアップするわけではありません。
店長も同様に役職手当がつくことで収入の差が生じます。
日々の努力と勉強を続ける姿勢がトップスタイリストへ導く
トップスタイリストとして成功するためには、日々の努力と継続的な勉強が欠かせません。
美容業界はトレンドや技術が常に進化しているため、最新のスタイルや技術を習得することが求められます。
また、顧客一人ひとりのニーズを的確に把握し、満足度を高めるためのコミュニケーションスキルも重要です。
これらの積み重ねが、信頼されるスタイリストへと成長させ、結果的にトップスタイリストへの道を切り開きます。
努力と学びを続けることで、自分の技術力を高め、顧客からの支持を得ることができるでしょう。
自身を進化し続けるために、美容業界で役立つ資格については>>美容師の業種で解説。
お客様に喜んでもらえることで、自分の喜びに変えることができる日が必ずやってきます。
まとめ
美容師がアシスタントからスタイリストになるまでは、約3年かかるのがスタンダード。
ただし、自分自身の努力や頑張りだけではうまくいかないケースも。
アシスタント卒業には、働くサロン選びがとても重要になってきます。
自分が働くサロンが、育成に力を入れているか、教育カリキュラムが整っているかなど、就職する前のリサーチは必要不可欠です。
また、美容専門学校によっては、就職前のサロンワークがあったりする場合もあったり、アルバイトを活用するなどでお店の実情を覗いてみるのもいいでしょう。
着実なキャリアアップを目指すために、より良い環境を見極めるようにしましょう。
美容師専門の無料求人サイト
「優秀な美容師を雇いたい、、」
「人気の美容室で働きたい、、、」
上記のようにお考えの「美容師や美容学生」「美容室オーナー」は、ぜひアプリを登録してみてください。