美容師免許・美容師になるには|国家試験で美容師に必要な資格・免許の取り方
美容師になるには、美容師免許となる「美容師国家資格」が必要です。
その他に必要となる資格はありません。
>>管理美容師免許では、必要な条件や役割、資格取得方法について解説。
ただ、国家試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格を得る必要があるのです。
それは、厚生労働大臣指定の養成学校の必要課程を修了すること。
ここでは、そんな美容師になるための「美容師免許の取り方」について詳しく解説しています。
解説内容
- 美容師の国家資格(美容師免許)とは
- 美容師免許の合格率
- 最短で美容師免許を取得する方法
- 美容専門学校を選ぶポイント
- よくある質問
知っておいて損はない美容師になるための最適な方法や大切なポイントについて一緒に確認していきましょう。
美容師免許の国家資格
美容師になるためには、「美容師免許」となる美容師国家資格の取得が必要です。
その為には、受験資格を得る必要があります。
それは、厚生労働大臣指定の養成施設で必要課程を修了すること。
下記のように、選択する課程によって必要となる修学年数が異なります。
理容師・美容師国家試験 | 詳細 |
受験資格 | 理容師・美容師養成施設で、次の課程を修了した人 (平成10年4月1日以降に入学) ・昼間課程 2年以上 ・夜間課程 2年以上 ・通信課程 3年以上 理容師・美容師養成施設で、次の課程を修了した後、1年以上の実地習練を経た人 (平成10年3月31日以前に入学) ・昼間課程 1年以上 ・夜間課程 1年4カ月以上 ・通信課程 2年以上 |
試験の一部免除 | ・「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、筆記試験のみに合格した人は、申請によって次回の試験に限り、筆記試験の受験を免除 ・「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、実技試験のみに合格した人は、申請によって次回の試験に限り、実技試験の受験を免除 ・「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、実技試験のみに合格した人は、申請によって次回の試験に限り、実技試験の受験を免除 ・理容師または美容師の免許を受けた人は、申請によって理容技術理論または美容技術理論を除く筆記試験を免除 |
ただし、免許を取得してもすぐにはお客様の髪を切ることは出来ません。
サロンに就職したら、まずはアシスタントとして「スタイリストの補助業務」を担当。
日々の接客や雑務と並行し、先輩美容師からの技術指導を受け、基準となる一通りのスキルを得た段階で、サロンの判断により「美容師としてお客様を担当すること」ができるようになります。
国家試験の概要
詳細 | |
実施 | 年2回(春・秋) |
試験内容 | 実技・筆記の2種 |
費用 | 実技・筆記試験受験料:25,000円 (実技/筆記:各12,500円) |
配布期間・提出期間 | 受験願書の5月上旬〜下旬まで >>詳細はこちら |
受験願書の配布場所 | 公益財団法人理容師美容師試験研修センター本部 各ブロック事務所 各養成施設 |
試験内容の詳細は、実技・筆記それぞれ以下の内容となります。
実技の試験内容
- カッティング
- セッティング
対策
- 日頃の反復練習で技術を安定させる
- 施術時間の管理を意識する
筆記の試験内容
- 関係法規
- 制度及び運営管理
- 衛生管理(公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術)
- 保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
- 香粧品化学
- 文化論及び美容技術理論
対策
試験合格後には申請が必要!
美容師免許証は、試験に合格しただけでは交付されません。
申請手続きによって「美容師名簿」に、
- 本籍地都道府県名
- 氏名
- 生年月日
- 性別
などが登録されることで、ようやく美容師の免許証が交付される仕組みです。
美容師国家試験の合格率は60〜90%
上記で見るとおり、例年の美容師・理容師の国家試験合格率は60〜90%台となっています。
令和5年度の美容師国家試験では合格率が、
- 第48回で59.7%
- 第49回で86.5%
という結果でした。
同じ年度でも、回ごとによって合格率には幅があることがわかります。
特徴として、春に実施される試験の受験者数が圧倒的に多く、合格率が高い傾向が見られます。
ほとんどの美容学生は課程修了後と同時に春の試験を受け、3月末に合格発表が行われるためです。
その他にも、美容師に役立つオススメの検定などを一覧でご紹介している
>>美容師資格の種類もご覧ください。
国家試験の受験資格を得る方法
美容師の免許を取るには、国家試験に合格する必要があります。
その国家試験を受験するためには「厚生労働大臣指定の養成学校の必要課程を修了すること」が前提条件。
その条件をクリアするためには、以下にある3つの方法から自分に合ったものを選んで学んでいきます。
受験資格を得る方法
- 昼間制美容専門学校(2年)
- 夜間制美容専門学校(2年)
- 通信制美容専門学校(3年)
>>美容師の大学では、美容師になるための大学・短大についてご紹介。
昼間制美容専門学校(2年)
昼間制美容専門学校とは、3つの中で最も授業時間が多く、幅広い美容の知識と技術について学べるコース。
昼間制では授業が1日に3〜4コマあるのが一般的で、長いと9時〜16時頃まで授業があることも。
昼間制美容専門学校 | |
授業 | 平日の朝〜夕方 |
期間 | 2年間 |
費用 | 総額200〜300万円が相場 |
特徴 | カリキュラム内容が豊富 |
美容に関する幅広い知識や技術をしっかりと学習したい人に向いています。
夜間制美容専門学校 (2年)
夜間制美容専門学校とは、夕方から学校での授業が受けられるコースを指します。
昼に働きながら、学校に通いながら、といった掛け持ちで学びたい方がほとんどです。
ただし、夜間体制を受け入れている学校数が少なめなのが現状。
夜間制美容専門学校 | |
授業 | 夕方〜夜 |
期間 | 2年間 |
費用 | 総額150〜200万円が相場 |
特徴 | 美容師の国家試験対策のカリキュラムが中心 |
夜間制の授業では、18時〜21時頃の場合がほとんど。
通信制美容専門学校( 3年)
通信制美容専門学校とは、学校へ通わずに自宅で学べるコースのこと。
自分のペースで資格取得をめざすことが可能。
日本理容美容教育センターによるカリキュラムを中心に自宅で学習し、定期的なレポートの提出に加えて、月1回程度「スクーリング」 という面接授業があるのがほとんどです。
通信制美容専門学校 | |
授業 | 自宅学習・スクーリング(月1〜4回程度) |
期間 | 3年間 |
費用 | 総額50〜70万円が相場 |
特徴 | 仕事や学費面などを理由に学校へ通うことが困難な方が多い |
昼夜間課程に比べて設備費・ 人件費がかからないため最小限のコストに抑えられるから。
>>美容師の通信制では、さらに詳しく解説しています。
免許取得の最短は18歳!通信制を利用する
美容師への最短ルートは、通信制を利用することです。
高校卒業と同時の18歳で美容師免許の取得が効率よく目指せるから。
より早く社会に出て経験を積むことで、ライバルよりも最短でスタイリストデビューを狙うことができます。
具体的には、
- 美容師を目指せるコースがある高校を選ぶ
- 専門学校に通いながら通信制の高校に通う
といった2つの方法から選びます。
>>美容師の通信制では、最短で免許取得できる美容師コースがある高校についてご紹介。
学校選びのポイントについては、以下の項目を参考にして判断することをオススメします。
美容専門学校を選ぶ時のポイント
美容専門学校を選ぶ際に気をつけたいポイントを9点ご紹介します。
一見多いようですが、どれも失敗しないためには重要なポイントとなっていますので1つずつ確認していきましょう。
9つのポイント
- 立地とアクセス
- 将来のビジョンを明確化
- 費用面
- 国家試験の合格率・就職率
- 教員や非常勤講師
- カリキュラムの内容
- オープンキャンパスに参加
- 在校生の様子や作品をチェック
- 評判と口コミ
① 立地とアクセス
まずは自分が通いやすい場所であるか、学校周辺の環境が学習に適しているかを確認しましょう。
通いにくい立地や周辺環境だと、後になって継続困難な状況になるケースも。
②将来のビジョンを明確化
学校によって学べるカリキュラムが違ってくるからです。
「自分がなりたい美容師像」を明確にしておき、その目的にあった学校を選択する必要があります。
③費用面
美容学校で必要となる「学費」や「教材費」の支払いには、約100〜300万円程かかる大きな金額となってくるからです。
- 保護者、自分の支払える額や蓄え
- 奨学金や教育ローンの返済額、何歳まで支払い続けるのか
などをあらかじめ確認しておきましょう。
④国家試験の合格率・就職率
高い合格率は、その学校教育の質の高さを示していると判断できるためです。
効果的なカリキュラムや優れた講師陣がいることが期待できるでしょう。
また、就職率が高いと、学校がどれだけ学生のキャリアサポートに力を入れているかの指標になり、
- インターンシップ
- 就職フェア
- 企業との連携
などが充実していることも期待できます。
高い就職率は、その学校が業界内で信頼されていることを示し、卒業生の満足度にも比例するともいえます。
希望するサロンへの採用実績が一度でもあれば、コネクションができていて採用されやすい傾向にある場合も。
⑤教員や非常勤講師
学校で行われるカリキュラムでは、講師を中心に組み立てられているケースがほとんどだからです。
教員の経歴や非常勤講師が現役で活躍している美容師であるかなど、就職後にも役立つ実践的なレベルであるかについて調べられれば確認しておいて損はありません。
業界での実績を持っている講師陣がいる学校では質の高い学びが期待できるでしょう。
⑥カリキュラムの内容
自分が学びたいカリキュラムが用意されているかしっかりと確認しておくことが重要です。
実際に入ってみたらなんか違った、、など後悔しないためです。
良さそう、楽しそうな雰囲気をアピールするための戦略が詰め込まれているパンフレットなどでなんとなく選ぶのはNG。
例えば、シャンプー、スタイリング、サロンワークなどの実践的な学びが組み込まれている学校の方が、就職後に役立つため選ぶ際のポイントに。
⑦オープンキャンパスに参加
学校の雰囲気や、ウェブサイト・パンフレットからは得られない「リアルな情報」を入手できるからです。
現場に行って講師や生徒と会話ができれば、より自分に合う大学かを見極めることができ、思っていたのと違った… というミスマッチを防ぐことができます。
また、入学前に気になっていることや不安なことは質問して解消することもできます。
⑧在校生の様子や作品をチェック
オープンキャンパスに足を運んだら、生徒同士の会話や作品に注目することもポイントです。
それは、より普段の雰囲気やレベルを把握することができるから。
⑨評判と口コミ
実際に通っていた卒業生や在校生に聞いたり、ネットの評価などをチェックしておくのもいいでしょう。
ただし、人によって意見は様々。
あくまでも参考までに確認して、総合的に判断することをオススメします。
美容師免許取得に関するFAQ
美容師免許を取る方法に関してよくある質問をまとめたので参考にご覧ください。
- 美容専門学校の年数は何年必要?
- 美容師免許は1年で取れる場合もある?
- 美容師免許の取得月はいつ?
- 美容師免許の通信制でアイリストの資格も取れる?
- 美容師免許は通信だと50代でも受講できる?
美容専門学校の年数は何年必要?
美容師免許の資格を取るには、以下の選択する課程によってそれぞれの受講年数が必要となります。
種類 | 年数 |
昼・夜間制美容専門学校 | 2年間 |
通信制美容専門学校 | 3年間 |
美容師免許は1年で取れる場合もある?
すでに美容師・理容師いずれかの免許を取得済みの場合においては、もう一方の免許を1年で取得することが可能です。
美容師免許の取得月はいつ?
美容師免許の国家試験は、下記のとおり春期と秋期の年2回開催されます。
実施期間 | |
春期 | 実技試験:1月下旬~2月上旬 筆記試験:3月上旬 |
秋期 | 実技試験:7月下旬~8月上旬 筆記試験:9月上旬 |
美容師免許の通信制でアイリストの資格も取れる?
まつげエクステンションの施術を行うには美容師免許の取得が必須です。
そのため、美容専門学校の昼・夜間課程(2年間)と通信課程(3年間)に通う方法、2つのうちのどちらかで国家試験の受験資格が得られます。
美容師免許は通信だと50代でも受講できる?
美容師国家試験の受験資格に年齢制限はありません。
そのため、50代の方でも昼夜間・通信課程ともに受講可能です。
まとめ
美容師の免許の取り方について解説しました。
美容師免許をとるには、
- 厚生労働大臣指定の養成施設で必要課程を修了
- 国家試験に合格
する必要があるということがわかりましたね。
美容学校卒業後でないと国家試験の受験資格が持てないということ。
また、美容師免許を取得しても、サロンに就職後アシスタントとして修行をしてからスタイリストとしてお客様の髪がカットできるようになるということなので、総合して学びの期間が少なくとも5〜6年かかるのが一般的。
さらに、>>美容師の人間関係でもご紹介しているように、アシスタント美容師の修行時代は過酷な環境下とも認知されています。
そのため、強い志と目標を掲げて、厳しい修行を乗り越えた先に、思い描く理想の働き方が実現できるかどうかは自分次第です。
>>美容師年収ランキングや>>美容師で大変なことなど、美容師に関する気になることをご紹介していますので、これから美容師を目指す方はぜひ参考にご活用ください。
夢の実現を応援しています。