美容師の離職率が高い理由!美容室を続けられる人はなぜ?美容業界の実態とは
人気の職業として知られる美容師ですが、離職率の高さから仕事が長続きしない人もいます。
主な理由としては金銭面や体力面の問題、将来への不安など数々の要因が挙げられます。
このような理由もあって、厚生労働省の統計では10年で9割の美容師が離職するという結果が出ています。
この記事では、美容師の離職率が高い理由を説明するほか、美容師を続けるためのマインドセットなども紹介します。
美容師として長く働き続けるためには、働くサロンは慎重に選ぶこと、色々な考え方をする人がいるということを割り切ることが必要です。
次のステージに進むためには、早期退職は避けるべきでしょう。
美容師になって長く仕事を続けたい人や、美容師としての将来像に不安を抱える方はご覧ください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師の離職率が高い理由
参考:株式会社リクルート
2024年に「株式会社リクルート」が実施した調査で、美容師の「初職就業期間」(学校卒業後に就職した美容院での勤続年数)は3年未満が36.7%を記録するという結果が出ました。
この内、初職就業期間が1年未満の美容師も10.0%を記録しています。
この結果から、入社後3年未満で辞めてしまう美容師が多いことがわかります。
その理由として様々なものが挙げられており、特に多いのが「待遇面での不満」や「人間関係」です。
美容師をやめる理由
- サロン内での人間関係
- ハードな下積み時代
- 休日・休憩時間の少なさ
- 給料・待遇面への不満
- 将来性への不安
ここでは、美容師の離職理由として挙げらていれるものをご紹介します。
サロン内での人間関係
一つ目は、同僚美容師との相性が合わないことで人間関係に疲弊するというケースです。
美容業界は職人気質の美容師が多く、上下関係が厳しい世界だという特徴があります。
美容師はスタッフ間での密な情報共有が必要となりますが、長時間同じ空間で過ごしているとストレスを抱えてしまうことも考えられます。
スタッフ同士の人間関係だけでなく、お客様との関係でストレスを抱えることもあります。
臨機応変なコミュニケーションが求められるほか、要望に応えることができないことによるすれ違いが生じることも原因の一つとなります。
ハードな下積み時代
アシスタントとしての下積みの期間が長く、こまごまとした仕事が多いことも早期離職を招く理由の一つです。
アシスタントはスタイリストの施術を補助するような仕事が多く、雑務や掃除が中心となります。
さらに、閉店した後も練習に取り組まなければならず、拘束時間が長くなる傾向にあります。
「いつデビューできるのか」という焦りから将来を不安視し、退職につながるというケースも少なくありません。
>>美容師アシスタントは何年かかる?の記事でスタイリストになるまでの期間やアシスタントの業務内容を紹介しています。
休日・休憩時間の少なさ
立ち仕事で休憩が少ない上、休みが少ないという点も辞める理由の一つです。
美容師の仕事は体力が必要な仕事であるにもかかわらず、自己研鑽のため休日を削ってカットの練習をしたりセミナーに参加しなければならないこともあります。
立ち仕事で足腰に対する負担が大きいため腰痛に悩まされることもあれば、手先を酷使するため腱鞘炎が原因で辞める美容師もいます。
働き方やシフトを調整する必要がありますが、少人数のサロンだとそれができず退職につながるというケースも多いのです。
給料・待遇面への不満
給料の低さや休みの少なさから、待遇面に不満を感じて退職する美容師も多く存在します。
「リジョブ」が実施した美容師の収入に関する調査では、給料に対し「不満」と答えた人が全体の62%いることがわかりました。
また同調査では、9年以上勤務するベテランの美容師でも「理想とする水準に達していない」「責任に見合った額ではない」と答えています。
給与面だけでなく、福利厚生が整っていないことも待遇面への不満として上がっています。
有給休暇の取得率の低さによって休みが取れず、業界内の社会保険加入率も5割に満たないと言われています。
>>【美容師の給料】低いのはなぜ?の記事で給料が安い理由や年収を増やす方法を紹介しています。
将来性への不安
キャリアアップの機会が限定されていることや、勤務するサロンでの売上不振などで将来に不安を感じている美容師がいることも離職率が高い理由の一つです。
特に研修制度が整備されていないサロンでは、雑務ばかりでスキルを向上させることができないことで不安に感じるという美容師もいます。
さらに、勤務するサロンでの経営が振るわないことによる収入面での不安も。
売上が低いと美容師の給与支払いが滞ったり、収入が減ってしまうことによる美容師の流出も懸念されます。
これらの要因から、将来に不安を感じて退職していく美容師が多くいるのが現実です。
美容師の離職率は48.0%
参考:株式会社リクルート
先ほど、入社後3年未満で辞めてしまう美容師が3割を超えるということを紹介しました。
さらに、美容師免許を取得して一度は就職したにも関わらず、現在は美容師ではない人を指す「美容師離職率」は48.0%に達します。
これは冒頭にもご紹介した「株式会社リクルート」が2024年に実施した調査の結果で、待遇面などに対する不満から美容師の仕事と距離を取っている人が一定数存在していることを示しています。
美容業界ではこのような現状を踏まえ、働き方改革を進めているところです。
例えば、子育て中の美容師が働きやすい環境を整備したり、アシスタントを早期にデビューさせるなどといった取り組みを始めています。
この結果、美容師離職率が50.9%を記録した2019年に比べるとやや改善が見られます。
続けられる人の共通点「サロン選びと気にしすぎない思考」が鍵!
美容師の仕事を長く続けるためには、「自分に合ったサロンを選ぶこと」と「小さなことを気にしない考え方」が重要です。
もし自分の希望に合わないサロンに就職してしまうと、仕事のモチベーションに大きく影響します。
また、多くの人と関わる仕事ですのでお客様や上司・同僚との人間関係を含めて色々なことが気にかかることでしょう。
そのため自分の希望を把握した上でのサロン選びや、物事を深刻に捉えない考え方が美容師を続けるための鍵となります。
美容師の仕事を長く続けるために大切なこと
- サロン選びは徹底的にリサーチする
- 考え方は人それぞれと割り切る思考
- 経験を積んでから次のステージへ
ここでは、美容師の仕事を続けるために大切なことをご紹介します。
サロン選びは徹底的にリサーチする
入社後のギャップが生じないよう、働くサロンについては慎重に調べておく必要があります。
ただし、サロンについて調べる前に自己分析をしておくことも必要事項の一つです。
自分の希望に合ったサロンで働くためにはまず、自分の強みと弱みを把握しておかなければなりません。
強みと弱みがわからないままだと自分の希望を明確化することが難しくなるためです。
そのため、得意なことや苦手なことから強みと弱みを伝えることができるようにしなければなりません。
自己分析ができたら給与や休日、福利厚生など自分の求める条件を整理しましょう。
また、サロンによってはサロンを見学させてくれるところもあります。
職場の雰囲気を事前に知っておくことで人間関係や自分が働いている姿をよりイメージしやすくなるため、そのような点も含めた慎重な判断が必要です。
考え方は人それぞれと割り切る思考
世の中には色々な人がおり、残念ながらその人の考え方を変えることはできません。
美容業界は縦社会が主流のため、「先輩の言うことは絶対だ」という体育会系の気質に近い業界です。
人当たりがいい人もいますが、陰険で当たりの強い人がいるのも事実。
また、接客業に従事する一員であることも忘れてはなりません。
優しいお客様や高圧的なお客様など、様々な性格の人と会う仕事でもあります。
しかし、人の性格や言動を正そうとしてしまうと人間関係に亀裂が入り、トラブルにつながりかねません。
経験を積んでから次のステージへ
アシスタントのうちに退職してしまうと実績として評価されないことが多いため、転職活動でも苦戦する可能性があります。
アシスタントからスタイリストになるまで平均で2〜4年かかると言われています。
美容師として実績を積むためには早期の退職を避けなければなりません。
そのためにはストレスを抱えても一人で悩むことなく、気軽に話すことができる同僚や先輩に一度相談するのがベストです。
アシスタントとしての悩みは美容師であれば誰しもが感じることです。
続けることで慣れてくる部分や解消される悩みもありますので、日々学びの姿勢を持ちながら仕事に取り組むことが大切です。
>>美容師が辞める理由ランキング5選の記事で、退職理由や辞め方を解説しています。
まとめ
美容師の仕事は人気があって憧れの仕事とされていますが、以下のような理由から離職率が高い職業でもあります。
- 職場での人間関係が上手くいかないこと
- 報酬・休日数などの待遇面への不満
- 体育会系気質が強く、下積み時代がハード
- 正当な評価が得られないことなどによる将来への不安
入社後のギャップを生まないためにも、働く前に徹底的な自己分析を行うことで自分の希望に合ったサロンを選ばなければなりません。
自分の強みと弱みをしっかりと整理し、サロンの雰囲気とすり合わせることで働くイメージを具体的にする必要があります。
また、美容師は接客業ですので様々な人と接することになります。
お客様とのコミュニケーションをはじめ、サロンでの人間関係も仕事のモチベーションを左右する鍵を握ります。
小さなことを気にしていると仕事への意欲が湧かないため、「割り切る思考」がとても重要です。
美容師を一生モノの仕事として長期のキャリアを築きたい人は技術やスキルの向上だけでなく、自分自身とどう向き合うかが大きな鍵となります。
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