【美容師の給料】低いのはなぜ？給料が安い理由や美容師の年収を増やす方法！

美容師の仕事は長時間労働で立ちっぱなし、休みもない割に、少ないお給料で生活も大変といったイメージが強いのではないでしょうか。

実際に美容師はみんなどのくらいの給料をもらっているのか、月の個人売上100万円の場合だとどれくらいの給料なのか、などと疑問も多いですよね。

美容師の給料は平均値で見ると低い水準と言えますが、役職や働くサロンによっては稼げる場合もあるんです。

今回は「美容師の平均年収や給料が低い理由」について、美容師はなぜ給料低いのか、年収アップのための具体的な方法をご紹介しいていきます。

美容師の平均年収は300万円前後

美容師の平均年収はおおよそ300万円前後です。

ただし、美容師の経験値や働く環境によって大きく変動するとも言えます。

さらに詳しく知るために、下記の種類ごとに見ていきましょう。

カテゴリー別の平均年収

• 年齢別
• 役職別
• 企業規模別

年齢別

引用元：EGRANT

年齢別で見る理容・美容師の年収は、専門卒で美容室に勤め始めの20代前半が最も低く平均年収253.46万円。

ついで、

• 20代後半が315.5万円
• 30代前半が366.25万円
• 30代後半が375.04万円
• 40代前半が386.84万円

と年齢や経験年数に比例して上がっていきます。

最も高い平均年収は45～49歳の395.81万円、50代以降は下降する傾向に。

30歳以降からはチーフや店長クラスの役職に就く段階に入るため、上昇傾向にあると言えます。

20代である見習い期間のアシスタント美容師は、スタイリストへ昇格するまで歩合などが発生しないのが低水準の理由。

役職別

引用元：【美容師年収】店長・美容師の給料

美容師のキャリア別で見ると上記の年収が相場の目安となります。

最も低い年収がアシスタントで216万円。

続いて、

• ジュニアスタイリスト：228万円〜336万円
• スタイリスト：252万〜750万円
• 店長代行：420万円〜960万円
• 店長：420万円〜1,200万円
• エリアマネージャー：450万円〜1,320万円

このように美容師の給料事情は幅広いことがわかります。

例えば同じスタイリストで言っても、指名数や売上によってランクも細分化されたり、月の手取り額も25万〜40万円、もしくはそれ以上となるほど様々なケースがあります。

>>美容師の給料では、男性の平均年収・店長やスタイリストの収入について徹底解説。

企業規模別

引用元：平均年収.jp

企業規模別で見た年収の差と、厚生労働省の企業規模比率との掛け合わせから算出された平均年収・給与の違いは上記の通りです。

あくまで目安ですが、大企業と小企業の差額は月収7万円、年収だと103万円の差になります。

もちろんお店にもよりますが企業規模が大きければ、そのぶん教育体制や給与・昇給システムなど、待遇のベースが違ってくるのも事実です。

生活できないレベル！美容師の給料が安い理由

前述のとおり、美容師アシスタントの平均年収は200万円台と、普通に生活していくのもやっとな額であることがほとんど。

見習い期間が長引くほど、生活は困窮し、好きな美容師の仕事から離れる選択肢を迫られるケースもあるのは事実です。

美容師の給料が安い理由は、主に以下の影響と考えられます。

理由

• 美容業界全体の構造
• 新人美容師の教育期間と賃金
• 歩合制の影響
• 長時間労働とサービス業の特性
• 福利厚生や手当の少なさ

美容師の給料が安い理由には、業界の構造的な問題やアシスタント期間の賃金の低さ、歩合制の仕組み、そして長時間労働が賃金に反映されないことなど、さまざまな要因が影響しています。

ただし、技術を磨いてスタイリストやトップスタイリストになることで、歩合やインセンティブによって収入が増える可能性もあります。

美容業界で高収入を目指すためには、技術力の向上や経営視点を持ったキャリアの選択が求められます。

>>美容師にボーナスがない理由では、美容師のボーナスはあるのか？について、美容師の年収やボーナスの平均・給料手取り額、ボーナスなしの理由について解説しています。

美容業界全体の構造

美容業界は労働集約型の産業であり、1人の美容師が1人のお客様に対して個別にサービスを提供するため、1日にこなせる仕事量が限られています。

大人数のお客様を一度に対応できるわけではないため、他の業種に比べて売上を大きく伸ばしづらいという制約があります。

また、美容室のメニュー料金は、地域やサロンの規模により異なりますが、競合激化による低単価設定が多く、それが直接的に美容師の給与に影響します。

新人美容師の教育期間と賃金

低賃金とアシスタント期間の長さは大きく影響しています。

美容師は免許を取得した後、通常は数年間のアシスタントとしての修行期間を経てスタイリストになるという仕組みから。

この期間中は給料が低い傾向にあり、多くの場合、実際にカットなどの業務を担当できないため、給与が低く抑えられています。

一般的には、3〜5年のアシスタント期間があり、その間は月収が10万円台であることも珍しくありません。

アシスタント美容師の場合、手取り額が12万円で安すぎて生活苦というケースも。

歩合制の影響

売上に依存する「歩合制システム」も要因のひとつとして大きいでしょう。

多くの美容師は歩合制で給料が支払われるため、売上が低いと給料も低くなるためです。

例えば、サロンの集客状況や美容師自身の指名数に依存するため、経験が少ない美容師は特に安定した収入を得にくいという現状があります。

また、サロンオーナーがサロンの経営維持に必要な経費（賃料、設備投資、人件費など）を引いた後に、残った売上の一部が美容師に歩合として支払われます。

そのため、サロン自体の利益が少ない場合、従業員の給与に十分な額が回らないこともあります。

長時間労働とサービス業の特性

時間外の練習や講習会、準備作業などがあるにもかかわらず、残業代として反映されない場合も多くあります。

美容師は朝早くから夜遅くまで働くことが多く、労働時間が長くなりがちです。

これにより、実際の労働時間と賃金が見合っていないという現実があります。

福利厚生や手当の少なさ

美容室によっては、正社員としての待遇が薄く、社会保険や手当が整備されていないケースもあります。

このため、基本給が少ないうえに、手当なども少ないと、総収入が低くなる傾向です。

一般企業と比べて、美容室の福利厚生が手薄な場合が多く、健康保険や年金などが負担されない場合も。

この点が、他業種に比べて収入面での安定感に欠ける一因です。

月間売上100万円の給料は「240～300万円」

美容師の月売り上げに対して得られる給料の目安を見ていきましょう。

月間売上	年収
50〜100万円	240～300万円
200万円	480～600万円
300万円	720～900万円
400万円	960～1200万円
500万円	1200～1500万円

月間の個人売上が100万円の場合の給料は月収で20〜25万円、年収でおおよそ240～300万円程です。

50万円、60万円、70万円といった売上ともさほど変わらない金額であるケースがほとんど。

美容師の平均歩合率

売上に対して20〜25パーセント前後

ただし、フリーランス美容師やひとりサロンのオーナーとなれば、同じ売上げでも割合の比率に変動があるため2倍〜3倍の年収になるケースもあります。

>>美容師売り上げ100万と50万の給料でさらに詳しく解説しています。

【年収アップ】美容師の薄給問題は解決できる！8つの方法

美容師が年収をアップさせるためには、技術力や顧客数の増加に加え、複数の戦略を取り入れることが重要です。

以下に、美容師の年収アップに効果的な方法をご紹介します。

8つの年収アップ法

• 顧客を増やす
• 技術の向上と差別化
• 高単価メニューの提案
• 店販売上を伸ばす
• 独立やフリーランスとして活動
• 独自の強みを持つ
• コミュニケーションスキルの向上
• 転職やキャリアアップ

顧客を増やす

美容師の年収アップにはまず指名客の獲得です。

美容師の給料には、指名による歩合給が大きな影響を与えるためです。

指名を多く受ける美容師ほど、安定した高収入が得られるため、リピート客を増やすことが重要ポイント。

他にも、自分の施術やスタイルをSNSで発信することで、個人のブランディングを強化し、新規顧客の集客につなげることができます。

>>美容師年収700万・最高年収では、美容業界の高収入美容師や歩合について解説しています。

技術の向上と差別化

年収を増やすためには、専門技術の習得・スキルアップで差別化を図ることです。

ヘアカット、カラー、ブリーチ、パーマ、縮毛矯正など、技術を特化させることは大きな強みになるからです。

例えば、カラーリングやパーマ技術で定評を得ると、それを求めている顧客が集まりやすくなり、単価の高い施術を提供できるようになります。

また、技術力の証明となるコンテストへの参加や技術向上のためのセミナー参加などで、顧客に「技術の信頼感」をアピールすることも効果的です。

>>美容師の給料上げるにはでも、美容師の年収1000万円を目指す収入アップ術を解説。

高単価メニューの提案

高単価メニューの提案も有効と言えます。

顧客単価を上げることで、売上の底上げが実現できるためです。

例えば、カラーリングには高品質なトリートメントなどの高単価メニューを提案して、1回の施術で得られる収入を増やします。

ヘッドスパやスカルプケアなどの導入をすることもサロンの付加価値を上げ、売上アップに有効でしょう。

>>ヘッドスパ資格・ドライヘッドスパの資格は必要？で、講座や検定の種類を解説。

店販売上を伸ばす

店内で販売しているシャンプーやトリートメント、スタイリング剤の売上からも収入を得ることができます。

商品の販売強化は単価アップに効果的であり、美容師の歩合にも大きく影響してくるからです。

商品知識を深め、顧客に適切な商品を提案することで、店販売上を伸ばし、インセンティブやボーナスとして報酬に反映させることが可能です。

>>店販とは？で売るコツやキャンペーン・アプローチ法を紹介。

独立やフリーランスとして活動

独立やフリーランスとしての転身も、収入の増加が期待できます。

それは、自分で顧客を集め、店舗を持たずに貸しサロンやシェアサロンを利用することで、経費を抑えつつ高収入を目指すことができる点から。

雇用による歩合率ではなく、売上の約60〜80%を自身の収入とできるため、顧客を多く持つほど高収入が実現しやすくなります。

経営者としての視点が必要となるため知識を身につけ、いずれは自分のサロンを持つことも視野に入れながら年収アップを目指すといいでしょう。

オーナーとして複数のスタッフを抱えることで、自分が直接施術を行うだけでなく、スタッフの売上からも収入を得ることができます。

コミュニケーションスキルの向上

お客様との関係構築は非常に重要なポイントです。

なぜなら、お客様との会話を通じて信頼関係を築くことで、リピート率が向上し、口コミや紹介での新規顧客の獲得にもつながるからです。

特にカウンセリング能力を高めることで、お客様の要望を的確に把握し、満足度の高いサービス提供が実現できます。

指名・年収アップに大きく貢献します。

転職やキャリアアップ

高待遇のサロンに転職することも視野に入れておきましょう。

大手企業や高級サロンでは、給与体系がしっかりしている場合が多く、特に高技術のスタイリストは高収入を期待できるからです。

歩合率の高いサロンやキャリアアップ体制が整っている環境であるかをチェック。

トップスタイリストとしてのキャリアを積んだ後、マネージャーやディレクターとしてサロンの運営に携わることで、さらに高い収入を得ることが可能に。

>>トップスタイリストとはで、美容師のキャリアアップ・ランク付けでの役割や仕事内容、違いを解説。

まとめ

美容師はなぜ年収が低いのかについて解説しました。

それは、個人のレベルだけでなく、働く環境によって大きく変わるということがわかりましたね。

体制が整った環境に身を置くことはとても重要です。

100万プレイヤーから、 150万、300万円と個人売上を計画的に飛躍させていくことで、年収アップも決して夢ではありません。

美容師ライフを謳歌するために、自分に合ったやり方で年収アップを目指していってくださいね。

>>美容師の退職金では、美容室を辞めた後・老後のためにできることを解説。