1人美容室経営の年収|内装や経費・独立資金や1人経営を成功させるポイント
近年では、1人で経営する美容室の人気が高まっているのをご存じですか?
人間関係に縛られない、美容師として理想的な働き方や、キャリア・年収アップの実現に向けて動き始めているという方も増えています。
「1人オーナーだけの個人美容室を開業したい!独立資金はいくら必要?」
「美容室の一人営業では1日何人で経営が成り立つ?」
「1人サロンの年収はどれくらい?」
このような疑問をお持ちの方へ向けて今回は、「1人美容室の経営」について下記の内容を解説します。
- 1人美容室オーナーの年収
- 必要な独立資金
- 客数ごとの月収例
- 成功のカギ
- 失敗しないための注意点
- 集客にはWebサイト作成
1人で美容室経営するにおいて重要なのは、適正な客単価の設定と集客対策です。
大型店の雰囲気が苦手というお客様を心地よい空間でもてなすことができる1人美容室。
隠れ家的プライベートサロンは1対1の完全個室でカウンセリングから施術まで、くつろぎながら非日常を味わえるのが魅力ですね。
需要と供給が高まっている近年、1人美容室の経営におけるリスク管理や集客方法について触れていきますので、参考にご覧ください。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
【1人美容室オーナーの年収】400~500万円程が相場
1人美容室オーナーの年収は、400~500万円前後が相場です。
これは、収入と支出のバランスや経営スタイルによって変動します。
具体的には、以下のような割合によって売上が配分される仕組みです。
売上の割合
内訳 | 比率 |
オーナーの給料 | 20% |
人件費 | 35% |
家賃・水道光熱費 | 10% |
美容材料費 | 10% |
その他 | 25% |
例えば、1か月の売上が100万円だとした場合、月収55万円・年収660万円となる計算です。
人件費がかからない1人オーナー経営では、取り分が55%になるため。
1人美容室オーナーの年収が高いケース
集客力が高く、顧客単価が高いサロンを運営している場合、年収が600万円を超えることもあります。
また、オプションメニューや物販、コンサルタントなどの副業などで追加収入を得ている場合も、年収が高くなる要因です。
>>美容師副業ランキングで、忙しい美容師でもできるおすすめのネット・在宅副業を解説しています。
1人美容室オーナーの年収が低いケース
開業したばかりで集客が安定しない場合や、施術単価が低く、顧客数も限られている場合は年収が300万円未満になることもあり得ます。
1人美容室のオーナーとして高収入を得るためには、集客力の向上や施術単価の見直し、コスト管理など、経営全般にわたるバランスの取れた運営が求められるためです。
続いて、その利益を左右する大事な要素をご紹介します。
収入に影響を与える5つの要素
1人美容室のオーナーの年収は、地域や店舗の立地、集客力、施術単価などによって大きく異なります。
そのため、下記の内容についてはあらかじめ慎重に検討するべき要素と言えるでしょう。
要素
- 施術単価と集客力
- 店舗の立地と規模
- コスト管理
- 営業時間と稼働率
- サロンの特色やブランド力
施術単価と集客力
単価が高い施術を提供している場合や、リピーターが多く安定した集客が見込める場合は年収が上がります。
なぜなら、1人美容師が売上を作るには限界があるから。
単価を高めに設定することで、売上を安定させる必要があるでしょう。
かといって、施術単価を低くしてしまうと集客が不安定な場合、独立前よりも年収が低くなる可能性があります。
店舗の立地と規模
都市部や人通りの多い場所にあるサロンは、集客力が高くなり、売上が増加しやすいです。
住宅街や地方のサロンでは、顧客数が限られるため、年収が都市部に比べて低い傾向にあるためです。
また、都心部になるほどテナントの賃料も上がるため、調整をうまく取る必要があります。
コスト管理
家賃や光熱費、消耗品費などの経費を抑えられれば、その分利益が増え、年収にプラスとなります。
1人美容院では人件費がかからないため、売上から経費を差し引いた残りが全てオーナーの収入となるからです。
逆に経費がかさむと、収入が高くても手元に残る金額は少なくなります。
>>美容室の経費削減・コスト削減では、美容室の材料費や経営・経費の内訳を詳しく解説!
営業時間と稼働率
営業時間が長く、稼働率が高いほど、収入は増加します。
スタイリストが1人だけだと売上には上限があるためです。
サロンの特色やブランド力
オーナー自身がカリスマ的な人気を持ち、顧客が指名して来店する場合や、サロンに独自の特色やブランド力があると、年収は高くなります。
店構えとサービス内容にブレのないブランディング力やSNSでの発信力、特化しているサービスや技術などを打ち出していくことがとても重要です。
>>【美容師】有名人ランキングでは、TikTok人気や指名殺到のトップスタイリストを一挙にご紹介。
1人美容室の経営に必要な独立資金
美容室の開業資金で言われる相場は、およそ800万〜1,000万円台。
内訳
- 物件・内装:650万円
- 美容機器・備品:150万円
- 広告宣伝費・運転資金:150万円
ただし、開業資金はサロンの規模や立地、内装へのこだわりなどで大きく変動していくでしょう。
例えば小さい美容院でも以下のように、一人経営と複数スタッフがいる場合とでは差が生じます。
例
スタッフ数 | 坪数 | 運転資金 | 開業資金 |
1人 | 10坪 | 200万円 | 600万円〜 |
2人〜 | 15坪 | 500万円 | 1500万円 |
といっても開業資金を全額、自己資金で用意できるケースは少なく、融資を受ける人がほとんどです。
>>ひとり美容室経営では、1人で独立してサロン経営するメリット・デメリットをご紹介。
開業資金ゼロの場合
本来では自己資金を貯めてから開業するのが理想的でも、自己資金ゼロから独立したいケースもあるでしょう。
ただ、自己資金がゼロだと融資を受けたくても審査通過が厳しいのが現状。
融資が受けられないときは「面貸し」「シェアサロン」という方法も。
フリーランス美容師としての働き方ですね。
必要となる設備が揃っていて、初期費用を抑えながら独立・開業が実現できます。
自分で店舗を構えたいなら、少しずつでも計画的に自己資金を貯めていきましょう。
>>美容室の開業で資金ゼロでは、自己資金0で融資は通るのか?について解説。
開業資金100万円〜300万円の場合
開業資金が100万円〜300万円のケースでは、融資を受けて開業することができます。
1人美容室の開業資金は800万円〜1,000万円台が相場なので、200万円〜300万円程用意できれば開業できる目安と言えます。
ただし、最低限の資金額と考えて、予算を立てるようにしましょう。
>>田舎美容室儲かる?では、田舎の美容室年収や開業・集客地方経営メリットデメリットを解説。
1人美容室成功のカギは客数ではなく「客単価」
1人美容室で成功するための重要なポイントとなってくるのが、客数ではなく「客単価」です。
なぜなら、一人で対応できる人数には限りがあるためです。
まずは目標売上に対する利益を把握した上で、稼働時間と客単価の設定を綿密に行っておくようにしましょう。
たとえば以下は、一人美容室における客数・売上・月収のシミュレーションです。
例
- 客単価:8,000円
- 営業日数:24日(休日:6日)
1日客数 | 月間客数 | 月間売上 | 月収 |
---|---|---|---|
4.16人 | 100人 | 80万円 | 40万円 |
4.66人 | 112人 | 90万円 | 45万円 |
5.2人 | 125人 | 100万円 | 50万円 |
5.7人 | 137人 | 110万円 | 55万円 |
6.25人 | 150人 | 120万円 | 60万円 |
独立後の年収シミュレーションを解説している
>>美容師独立の年収・美容室経営|夫婦・個人・フリーランスでの開業は儲かる?
も参考にご覧ください。
美容室経営で年収1000万稼ぐには?
>>美容室個人経営は儲かる|美容室オーナー・美容師独立年収・夫婦経営で開業
で解説しています。
一人美容室で失敗しないための注意点
一人美容室で失敗しないための注意点もおさえておきましょう。
注意点
- 予約・収益に限界がある
- 長期的な経営は困難
- 経営不振・廃業のリスク
- 集客・マーケティングの難しさ
>>美容室が経費で落とせるものでは、フリーランス美容師やサロン経営者の確定申告、独立に失敗する理由や成功させるポイントをご紹介しています。
予約・収益に限界がある
前述のとおり、ひとりで対応できる数には上限があるためです。
そのため、万が一の事態に備えておく必要があります。
例えば、思ったよりも集客が見込めない時に慌てることのないよう、運転資金として少なくとも半年分の売り上げ分は準備しておくのが賢明です。
長期的な経営は困難
いつまでも一人で現状維持していくというのは現実的ではないからです。
いつ何が起こるかわからなければ、体力的な限界もやがて訪れます。
万が一の際や、老後のための資金があれば問題ないものの、そうでない場合には、方向転換が困難であるという点が1人美容室のデメリットに。
そういったリスクを回避するための計画性やビジョンをあらかじめ持っておく必要性があります。
経営不振・廃業のリスク
場合によっては経営が思うようにいかなかったりと、さまざまな事情からお店を閉めざるを得ないケースも生じるためです。
その際にも、以下のような費用がかかることになってきます。
- 撤去費用
- 解約後の家賃
- 融資の支払い残高
廃業の精神的ダメージに被せて、予測していなかったコストが大きな負担になってしまいます。
こういった事態にも備えておく必要があります。
集客・マーケティングの難しさ
指名客との関係性に過信があったり、新規オープンではじめだけ盛況であったりと、集客対策が不十分なケースも少なくないからです。
集客については知っていたつもりでも、個人事業主としていざ独立してみると今までのようにはいかなくなってしまうパターンも実は多いのです。
マーケティングに関しての知識を学んだり、集客について十分なリサーチをしておくことがとても重要です。
>>美容室コンセプト例文では、サロン開業で集客効果に重要な計画作成法を紹介。
集客にはひとり美容室ならではのホームページを作ろう
集客には、マーケティングに効果的なWebサイトを作成します。
新規顧客を得るためには、より多くのユーザーに届くよう広告を打ち出すことが必要だからです。
例えば、ネットの検索エンジンに、下記のようなキーワードから上位表示させることで、広告費をかけずにより多くの潜在顧客に認知してもらえることができます。
「女性 1人美容室 東京」
「1人美容室 ホットペッパー」
「1人でやってる美容室 埼玉」
ひとり美容室ならではの利点を、見ていただくお客様へダイレクトに響く工夫を。
Webサイト作成の参考には、こちらの記事をご覧ください。
>>美容室のホームページ|美容院のサイトをおしゃれにデザイン・参考になる集客
また、>>美容室の新規集客では、平日にも対応した対策をご紹介しています。
新規を集客できたら、リピート率アップの対策も欠かせません。
来ていただいたお客様の情報を自動化して一括管理できる顧客管理システムについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>美容室顧客管理ソフト|顧客管理アプリ・無料おすすめサロン電子カルテ
をぜひ、ご活用ください。
まとめ
今回は「1人美容室の経営」について解説しました。
1人で美容室経営をする上では、経営不振や廃業のリスクがあるものの、自由な働き方を実現できるのが最大の魅力です。
自分の理想により近いカタチを創造し、提供する喜びを感じられる選択肢。
お客様一人ひとりにマンツーマンで対応するホスピタリティは現代社会において癒しとなるニーズの高いサービスです。
理想と現実をバランスよく調整できれば、サロンで働いていたスタイリスト時代の年収を上回ることも可能に。
美容師としての新たな道を歩んでいくためにも、大事なポイントをおさえながら夢に向かって突き進んでいきましょう。
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