【美容師の業務委託】相場と現実|面貸しの報酬やフリーランスの収入・割合
美容師の業務委託とは、美容師とサロンとの雇用契約ではなく、フリーランスとして美容室業務委託契約を結ぶ働き方です。
主な収入源は施術ごとの報酬や指名料で、美容師によって収入は大きく異なります。
美容師の業務委託は、収入アップも狙える働き方です。
フリーランスで働きたい美容師が気になる業務委託のシステムや相場、注意点をまとめました。
美容師の業務委託の相場やポイントをよく理解しましょう。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
業務委託の現実
業務委託美容師は、給料など収入面だけでなく様々な点で正社員美容師と異なります。
業務委託契約を結ぶことによるメリットもありますが、会社頼りにできない業務が発生するので、自分でやるべきことを整理しておきましょう。
業務委託美容師が正社員美容師と違うのは、次の5つです。
- 個人事業主として働く
- 社会保険に加入できない
- 確定申告は自分でする
- 集客はサロン次第
- 報酬は歩合率で決まる
>>業務委託美容師は稼げない?なくなる?それともちゃんと稼げるのか。
手取りも気になりますよね。
個人事業主として働く
業務委託で働くということは、個人事業主になることです。
勤務時間なども自分の裁量で決められ、時間的自由が手に入ります。
自己責任が求められる働き方でもあるので、努力次第で集客や売上を伸ばすことも、収入が途絶えるリスクもあります。
ちなみに、美容師の業務委託はフリーランス美容師の一つの業態です。
業務委託とフリーランスの違いに疑問を持つかもしれませんが、フリーランスとして、業務委託という働き方を選んでいるだけです。
フリーランス美容師の>>シェアサロンと面貸しのメリット・デメリットも参考にしてください。
社会保険に加入できない
業務委託の美容師は、契約先の福利厚生の対象外なので、会社の社会保険に加入できません。
会社員の場合は、社会保険料や税金を会社と折半で納めます。
しかし、業務委託の場合は、保険料や税金は自分で納入することになります。
一般的に収入の25%前後が保険料や税金で徴収されます。
>>美容室の保険でおすすめを比較!では、保険選びのポイントもまとめています。
フリーランス美容師にも役立つ情報です。
確定申告は自分でする
個人事業主として働く人は、美容師に限らず確定申告が必要です。
3月の確定申告ギリギリで焦らないように、月々の売上や経費の記録は欠かさないのが大切です。
個人事業主は、施術を提供するだけでなく、経理も自分で行わなければなりません。
日々の収支管理に役立つアプリや会計ソフトを導入すれば、経理作業が楽になります。
ちなみに、2023年から始まったインボイス制度は、課税売上高1000万円以下の人なら登録してもしなくても良いです。
美容師の確定申告に役立つ情報は、
>>美容師フリーランス・個人事業主の経費や白色・青色申告のやり方
が参考になります。
集客はサロン次第
業務委託美容師として働く場合に集客を行うのは、サロン側です。
つまり、集客できるかはサロン次第なので、業務委託美容師は自分の施術に集中できます。
例えば、社員美容師だと営業や宣伝活動など、施術以外の業務に時間や労力が奪われます。業務委託契約の内容にもよりますが、基本的には自分の仕事に集中できます。
ただし、あくまでサロン主体の集客なので自分らしさは発揮できません。
報酬は歩合率で決まる
業務委託美容師の報酬は完全歩合制です。
業務委託サロンの多くは、40〜60%の歩合率を設定しています。
フリーの場合は歩合率が低く、指名の場合が高くなります。
業務委託美容師の月収は、1ヶ月の売上に歩合率を掛けて計算します。
サロンによっては、一定期間だけ最低保証給を設定しているお店もあります。
美容師としての実力があり、多くの指名を得られれば年収アップできます。
逆に、あまり仕事をしなかったり指名が少ないと正社員美容師より収入が少なくなります。
業務委託の報酬システム
業務委託美容師の報酬システムは基本的に完全歩合制です。
サロンによって売上に対して還元率が決められています。
もちろん、還元率が高い方が毎月の収入は多くなります。
さらに、口コミ手当、撮影手当、保険手当などプラスアルファの収入が加算されます。
業務委託の報酬システムを確認しておきましょう。
売上に対し40〜60%還元のサロンが多い
売上と収入の一例
売上に対し40~60%還元のサロンが多い
業務委託の還元率(歩合率)の相場は、売上の40〜60%です。
月間の売上に還元率を掛けて、計算します。
売上にはサロンで販売されて入り商品の店販も含まれます。
その際に税込みで計算するケースと、税抜きで計算するケースがあります。
一般的にフリーの売上の還元率が40%、指名での売上が50〜60%です。
中には、指名の場合は歩合でなく指名料で計算するサロンもあります。
還元率が高い方が、収入も高くなりますが施術メニューの料金によって報酬額が変わることもあります。
税込か税抜きかでも手取りは変わりますし、材料費が引かれると収入も減ります。
還元率が売上の何割なのかと合わせて契約前にしっかり確認すべきです。
売上と収入の一例
業務委託美容師の1ヶ月の売上と収入の一例を紹介します。
指名50万円とフリー30万円の合計80万円、店販2万円の売上がある業務委託契約美容師の1ヶ月の売上を歩合計算した報酬金額の計算は以下です。
還元率 | 売上 | 報酬 |
指名50% | 50万円 | 25万円 |
フリー40% | 30万円 | 12万円 |
店販20% | 2万円 | 4000円 |
合計 | 82万円 | 37万4000円 |
80万円以上売り上げると実際の報酬は半分の40万円以下となります。
報酬合計が額面の収入となるので、そこから保険料や税金を差し引いたものが実際の手取り額(所得)となります。
さらに、保険料や税金を収入の25%として計算すると、手取りは28万500円です。
業務委託契約時の注意点
美容師の業務委託の内容はサロンによって違うので、契約時に注意して確認しましょう。
- 歩合率・指名料が極端に高いケース
- 手数料・材料費を請求されるケース
- 長時間労働も労働基準法の適用外
フリーランス美容師の末路が心配になる人が多いのには、理由があります。
契約後に後悔しないためにチェックしましょう。
フリーランスのもう一つの働き方である>>シェアサロンでトラブルも参考にしてください。
歩合率・指名料が極端に高いケース
報酬の歩合率や指名料が極端に高いサロンは注意しましょう。
歩合率や指名料が高いと、収入も期待できて魅力的に感じます。
しかし、高いのにはそれなりの理由があるはずだからです。
歩合率が高くても、差し引かれる材料費やスペース代、広告費などその他のコストが発生しては、実際の報酬が低くなります。
総収入に見合わない出費の負担が重いとリスクに繋がります。
費用面だけでなく、施術以外の業務が発生しないかも契約時に確認しましょう。
手数料・材料費を請求されるケース
手数料や材料費が別途請求されるかどうかも確認すべきです。
報酬の歩合率が相場よりも高くても、手数料や材料費が差し引かれて、想定よりも取り分が少なくなるケースは少なくありません。
長時間労働も労働基準法の適用外
フリーランスの美容師は、社員と違って長時間労働をしても労働基準法が適用されません。
社員美容師なら時間外勤務や長時間労働に対して法律が守ってくれます。
フリーランスは、何時間働いても良いだけに、たくさん働きたいからと超長時間労働をしてしまう美容師もいます。
労働時間の管理も自分でしっかりと行いましょう。
体を壊すほど長時間無理して働いては、逆に働けなくなってしまいますよ。
業務委託契約が向いている人
フリーランス美容師の働き方である業務委託は、向いている人と向いていない人がいます。
次のような特徴が当てはまれば業務委託が向いています!
- 働く時間や日数を自由に決めたい
- 人数をこなして収入アップしたい
- 不安定な収入に備えてリスク管理できる
- 集客力に自信がない
ちなみに同じフリーランスでも>>シェアサロンや面貸しが向いている人もいます。
働く時間や日数を自由に決めたい
働く時間や日数を自分のライフスタイルに合わせて自由に決めたい人は、業務委託などフリーランスに向いています。
家庭やプライベートとの両立がしやすいので、自分らしい働き方が実現できます。
業務委託契約を上手に活用して働いているママさん美容師も多いです。
人数をこなして収入アップしたい
業務委託契約で稼げるかどうかは、顧客の数にかかっています。
社員のように基本給や固定給ではなく、自分が仕事をした分だけ収入が増えます。
収入アップを目指して、ガンガン働きたい!という人に向いています。
不安定な収入に備えてリスク管理できる
固定給ではないので、仕事が経れば収入も減ります。
毎月いくらもらえるか分からない不安定な収入に備えなければなりません。
病気やケガで休む際の保証もないので、自己管理能力が求められます。
集客力に自信がない
自分で集客する自信がない人も業務委託契約向きです。
集客は業務委託契約サロンが行なってくれるので、宣伝や集客を任せられます。
集客が苦手で、施術に集中したい人は業務委託が向いています。
まとめ
美容師の業務委託契約は、時間的自由や収入のアップが期待できる働き方です。
その上で、メリットとデメリットをしっかり把握し、自分に合った働き方かどうかを見極めることが重要です。
業務委託契約では個人事業主として働くため、働く時間や日数を自分で決められる自由があります。
また、集客をサロンが代行するため、施術に集中しやすく、実力次第で高収入を得ることも可能です。
しかし、収入が完全歩合制であるため、安定性がなく、保険料や税金の負担も全て自己負担となります。
さらに、歩合率や指名料が高い契約には見えないリスクが潜む場合があり、長時間労働の管理も自分で行う必要があります。
確定申告や経理作業は全て自分の責任となり、これを怠ると後々トラブルになることも。
また、長時間働いて収入を増やそうとした結果、体調を崩して働けなくなるリスクもあるため、注意が必要です。
業務委託美容師として働くには、契約内容を詳細に確認し、自己管理能力を磨くことが不可欠です。
魅力的な条件に惑わされず、自分のライフスタイルや目標に合った働き方を選ぶことが成功の鍵となります。
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