美容室から独立!美容師の開業準備で必要なものやタイミング・費用と手続流れ
「美容師の独立・開業のタイミングは何歳くらい?」
「開業費用や手続の流れが知りたい」
「美容師の独立あるあるとは?」
このような疑問をお持ちの方に向けて「美容師の開業」について下記の内容を解説します。
- 美容師が独立するタイミング・平均年齢
- 開業前の準備
- 独立時に必要な開業費用
- サロン開業手続の流れ
- 美容師の独立あるある
美容室を独立するには、経験年数を積み、開業資金の目処がたったタイミングが望ましいため、年齢は関係ありません。
ご紹介する目安を参考に、ご自身のキャリアビジョンや目標設定を明確にして計画的に進めていくのをおすすめします。
独立開業で失敗しないためにも、独立する前にやるべきことや、開業する以外の独立方法など、美容師という自由な働き方について重要なポイントを抑えていきましょう。
>>美容室開業で失敗では、美容師の独立経営での失敗事例や成功させるポイントを解説しています。
この記事を書いた人
ナチュラルな大人可愛いから今時の可愛いまで、お客様に合わせたヘアデザインをご提案させて頂きます。
メンズ似合わせカットや、透明感カラーが得意です。またアイリストのディプロマ取得済み。現在は転職エージェントとしてサイト運営中。
美容師が独立する6つのタイミング
美容師が独立するベストなタイミングと言ったら、しっかりと自分一人で経営していける自信がついたときでしょう。
とはいえ具体的には、美容師の方それぞれが独立を考える理由、きっかけ、環境などによって異なってきます。
では、実際に独立開業を実現させるタイミングとして相応しい時期はいつなのか、それは主に以下の内容が挙げられます。
美容師が独立するタイミング
- 経験とスキルの獲得
- ライフステージの変化
- 顧客基盤の構築
- 資金の準備
- 市場調査とビジネスプラン
- 法的な準備
経験とスキルの獲得
美容業界での十分な経験とスキルを積んだ後、独立することを考える美容師が最も多いでしょう。
技術力や接客スキルを磨き、自信を持って独立に臨むことができるためです。
経験を積んでいつか独自の経営理念を実現させたいと考えている美容師の方は多いです。
自ら提案するコンセプトやサービスでお客様に満足してもらうことを目標に取り組んでいくことで、より多くの経験とスキルを習得することができます。
お店を運営するために集客する上でも、確かな実績とスキルは必要不可欠と言えるでしょう。
ライフステージの変化
人生の節目に沿って働き方を考えるケースも珍しくありません。
例えば、結婚、出産、育児など。
特に美容師というのは、勤務時間が長く、プライベートな時間を十分に確保することが難しい職業。
周りにいるスタッフの協力なくして、育児との両立は極めて困難です。
そんな中、雇用という働き方に限界を感じ、自由な働き方を求めるタイミングとなって、独立を目指す人も多くいます。
顧客基盤の構築
独立する前に、自分の顧客基盤を築いておくことが大切です。
顧客からの信頼や支持を得ることで、ついて来てくれるお客様もでき、独立後も安定した収入を確保しやすくなるためです。
ただ一方で、既存顧客やリピーターに依存することにはリスクが高いため、新規顧客の集客対策も徹底して行う必要があります。
資金の準備
独立するための資金が貯まったタイミングで開業を意識する方も多いでしょう。
開業資金や経営資金を準備し、開業後も安定した経営ができるよう計画を立てることが重要となってくるためです。
金融機関からの融資を受ける場合でも、自己資金がある程度ないと審査に通りにくくなります。
>>美容室の開業で資金ゼロでは、自己資金0で融資は通るのか、開業費用はいくら?などについてリアルな数字を解説しています。
市場調査とビジネスプラン
市場調査していく中で、経験を踏まえたひらめきが生まれたとき、独自の理念が明確になってタイミングが訪れるといったケースも挙げられます。
お客様に喜ばれた経験をカタチにしていく、そんな明確なビジネスプランが大きなきっかけに。
独立する前に、市場調査を行い、競合店やターゲット顧客を分析することは必須。
ここを怠ってしまうと、曖昧な経営戦略となって失敗の原因になるからです。
リスクヘッジも含めて、いくつかのパターンを備えておくなど、シミュレーションと準備を十分にしておくことがポイントと言えます。
また、事業計画や経営計画を立て、開業後の方針や目標をより明確にすることも重要でしょう。
法的な準備
独立には法的な手続きが必要となります。
開業届や許可申請、税務申告などの手続きを適切に行い、法律や規制に適合させるため。
詳しくは、
>>【美容室の開業届】税務署や保健所に届出申請・美容室の開業までの流れを解説
でご覧ください。
ただし、独立するタイミングは個人の状況や目標によって異なりますので、自身の状況や将来のビジョンを考慮して判断するようにしましょう。
独立・開業する平均年齢
美容師の方が独立・開業する年齢は、30代前後が平均的です。
ほとんどの場合、約10年以上のキャリアとスキルを積んでからの開業となるためです。
その方が資金調達の際、融資審査にも通りやすくなるメリットがあるという点からです。
もちろん、開業後の経営においても、これまでの実績と高い技術力が必要不可欠となるでしょう。
年収アップのために独立を目指す場合でも、日頃から熱心な取り組みや姿勢が功を奏します。
美容室経営で年収1000万は可能なのかは、
>>美容師年収ランキング|美容師の給料・平均年収を役職や年代別に解説!
でご紹介しています。
独立時に必要な開業費用
美容院の独立時に必要な開業費用は、1,000万円前後が一般的とされています。
もちろん、お店の規模や内装、設備の充実度など、選択するものによって大きく変動するものです。
開業資金にかかる費用の内訳は、主に、以下の内容となります。
- 物件関連費
- 内装・設備関連費
- 商品関連費
- 労務関連費
- その他経費
- 運転資金
また、開業に必要な資金を調達するために、融資や助成金の活用、投資家やパートナーからの資金提供なども検討することが重要です。
>>1人美容室の経営に必要な独立資金では、美容院オーナーは1日何人なら失敗しないのかについて解説。
物件関連費
物件の賃料、敷金、礼金、仲介手数料などが含まれます。
テナントや立地、周辺地域によって、大きく変動してくる費用です。
>>田舎美容室儲かる?田舎の美容室年収や開業・集客地方経営メリットデメリット
内装・設備関連費
店舗の内装や設備、美容機器、家具などの購入・設置費用が含まれます。
例えば、シャンプー台や鏡、レジカウンターなど。
商品関連費
施術に使用するシャンプーやトリートメント、カラー剤、スタイリング剤などの商品在庫の購入費用を指します。
労務関連費
従業員の給与、社会保険料、労働保険料などの労務関連費用が含まれます。
ひとりオーナーで個人サロンを経営する場合には不要です。
広告宣伝費
開業時の広告や宣伝にかかる費用です。
例えば、チラシ作成、Webサイト運営、予約管理システム、美容ポータルサイト登録など。
その他経費
開業に関連するその他の経費や諸費用も考慮します。
詳しくは、
>>美容室の経費削減・コスト削減|美容室の材料費や経営・経費の内訳を解説!
をご覧ください。
運転資金
運転資金は粗利の3〜6か月分程度を目安に準備しておきましょう。
それは店舗の健全な経営に必要となるためです。
店舗運営においては売上の安定が保証されません。
落ち込み時にも対応できる余裕がないと廃業の可能性があり、帳簿上は黒字であっても、手元にキャッシュがないと危険です。
美容室が潰れる前兆として最も多く見られる運転資金の枯渇から。
詳しくは、>>美容室経営は厳しい?で解説しています。
サロン開業手続の流れ
次に、サロン開業にあたって具体的に何をするか「独立するためにやること」として、開業までの手続きや流れをざ具体的に確認していきましょう。
サロン開業手続の流れ
- 事業計画の策定
- 物件の選定
- 店舗設計・施工業者の選定
- 法的手続きの準備
- 開業届の提出
- 許可申請
- 設備や機器の準備
- スタッフの採用
- 保険加入
- 税務手続きの準備
- 広告・宣伝の準備
- 開業準備完了
事業計画の策定
ビジネスモデルやターゲット顧客、サービス内容、競合分析などを含む事業計画を策定します。
- サロンのコンセプト
- 店舗のデザイン
- ターゲット層
- 収入や必要な費用
- 資金調達
物件の選定
お店を構える立地、周辺地域のルサーチも重要ポイントです。
テナントを探す際の一般的な手順は以下の通りです。
手順
- 立地条件を考える
- テナント情報収集
- 地域を散策
- 周辺環境のリサーチ
- 不動産に相談
- 契約
店舗設計・施工業者の選定
物件が決まったら、店舗設計・施工業者を決めます。
- 美容器具・商材メーカー
- 店舗設計事務所
- 工務店
- 理美容室専門工事会社
店舗内装業者を決めるのは、テナント契約1か月前までを目安としましょう。
法的手続きの準備
個人事業主や法人など、事業形態の選択によって手続き内容も変わってきます。
また、ヘアサロンの名称を決定し、商業登記所に商号登記を行います。
開業届の提出
地方自治体の商工部門や保健所などに、ヘアサロンの開業届を提出します。
必要な手続きや書類は地域によって異なります。
>>【美容室の開業届】税務署や保健所に届出申請・美容室の開業までの流れを解説
許可申請
美容業の許可や営業許可を取得するための申請を行います。
こちらも、必要な許可や資格は地域によって異なるため確認が必要です。
- 保健所
- 消防署
設備や機器の準備
ヘアサロンの内装や設備、美容機器や器具、家具などを準備します。
主に以下のタイミングで進めることとなります。
テナント契約後 | 工事開始時 | 工事完了時 |
電気 水道 ガス インターネット 電話 BGM・映像 | 大型機器 パーマ・カラー用品 その他消耗品 インテリア 小物 | 備品搬入・設置 不足品チェック レセプション実施 |
スタッフの採用
スタッフを雇用する場合は、求人募集・採用を行います。
必要に応じて雇用契約や労働条件の決定も並行させます。
保険加入
労働者災害補償保険や店舗保険など、必要となる事業用の保険に加入します。
税務手続きの準備
税務署への事業開始届や税務申告書の提出など、税務関連の手続きを準備します。
広告・宣伝の準備
開業告知や宣伝活動を行います。
チラシやポスターの作成、ウェブサイトやSNSの活用などが含まれます。
>>美容室のチラシをおしゃれに!では、サロンで集客できるデザインや無料テンプレートを紹介。
>>美容室のホームページでは、美容院のサイト作成・集客法についてまとめています。
>>美容室SEO対策・美容院MEO対策とはでは、成功させる集客方法のポイントや注意点について解説。
それぞれ宣伝広告の参考にご活用ください。
開業準備完了
上記の手続きが完了し、ヘアサロンの開業準備ができたら、いよいよオープンの日程を設定し開業です。
美容師の独立あるある
美容師の独立あるあるとして多い失敗例を知っておくことで、開業のリスク回避対策に役立てることができます。
独立あるある
- 内装費をかけすぎてしまった
- 指名客の来店数が想定外
- メニュー料金設定が適正でない
- スタッフとの関係性に苦労する
>>美容室の独立開業ではよくある失敗についてご紹介しています。
内装費をかけすぎてしまった
内装にこだわりすぎて、想定外の出費が発生するケースです。
集客にも重要な役割を成す内装ですが、予算内にきっちり収める工夫をしないと運転資金に響いてしまう可能性もあります。
経営を維持していくためには、費用の配分を適正にすることが必要不可欠です。
指名客の来店数が想定外
独立前に指名してもらっていたお客様が、想定していた数や頻度よりも減少してしまうパターンです。
信頼関係が築けていたとしても、状況の変化によって来店が困難になる場合もあるでしょう。
既存顧客に頼ることなく、新規集客への対策を万全にしておくことが欠かせません。
>>美容室の新規集客では、美容室の集客方法で平日でも効果的なポイントを解説。
メニュー料金設定が適正でない
施術メニューの料金設定が適正でなく、集客が見込めないケースです。
高すぎても来てもらえなかったり、低く設定しても売り上げが作れなかったりと、うまくいかなくなる場合が挙げられます。
また、最初に決めた料金をのちに変更するのは難しいことです。
サービスの質に見合った価格帯の設定と、ターゲット層のニーズや特性の見極めを徹底的に行うようにしましょう。
スタッフとの関係性に苦労する
スタッフの雇用やマネジメントも重要な課題となります。
オーナーの意思にスタッフがついて来れず、関係性を良好に保てないことから、経営上スムーズにいかないケースも少なくありません。
サロンコンセプト・認識の共有や、人材育成へも力を入れなければなりません。
>>美容師売り上げ100万と50万の給料では、一人美容室の経営やフリーランス美容師の平均年収について徹底解説しています。
【フリーランス美容師】開業しないで独立する方法
美容師としての独立とは、サロンの開業・経営がイメージとしてありますが、別の方法もあります。
それは以下の方法です。
フリーランス美容師の働き方
- シェアサロン
- 面貸し
- 業務委託
独立開業は個人サロンや人材を雇用する方法だけでなく、シェアサロンや面貸し、業務委託など、フリーランス美容師として個人事業主に転身することも可能です。
シェアサロン
シェアサロンは、複数の美容師が共同でサロンスペースを利用するスタイル。
美容師はそれぞれ個別に顧客を持ち、同じフロア内を共有しながら個々のビジネスを運営できます。
シェアサロンの魅力は、美容師同士で賃料や設備費を分担するため、経済的な負担が軽減される点です。
また、シェアサロンの雰囲気や設備を共有できるため、個人でサロンを持つよりも初期投資を抑えつつ、高品質なサービスを提供できます。
面貸し
面貸しは、サロンの一部スペースを個別にレンタルできる働き方です。
美容師は借りたスペースで自分の顧客を対応し、売上の一部をサロンに支払うシステム。
面貸しで良いところは、自分独自のビジネスを展開しながら、サロンの設備やブランド力を利用できる点です。
経営の自由度が高く、収入も自分の努力次第で増やせるため、独立心の強い美容師に人気。
業務委託
業務委託は、美容師がサロンと契約を結び、一定の業務を請け負う方法。
美容師はサロンの従業員ではなく、独立した事業者として業務を行います。
業務委託契約では、固定の給与ではなく、施術ごとに報酬が支払われるため、実績に応じて収入が増やせるのが魅力です。
また、スケジュールの自由度が高く、複数のサロンと契約することも可能。
>>美容師独立の年収では、夫婦や個人での美容室経営やフリーランスでの開業は儲かるのかについて深掘りしています。
まとめ
今回は「美容師の開業」について解説しました。
美容師として独立開業するには、勤務先の美容室で働きながら、スキルや経験を積み、開業費用を蓄えることで具体的な目処がたつと言えるでしょう。
また、経営ノウハウについて積極的に学び、明確な独立計画を立てておけば、年齢に関係なく開業できる準備ができるはずです。
もしも開業資金の問題で前に進めないのなら、フリーランス美容師として活躍の場を広げ、独立することも可能です。
努力次第では開業資金を貯めるのに時間をかけることなく、同時にサロン開業前の経験として多いに役立つ実績が作れるでしょう。
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